月は人類の味方なのか、それとも敵なのか
月についての私の見地はすでにこれまで何回かにわたって語ってきました。多くの方々の賛同を得たと同時に、異常なほど反発して興奮される方もいました。月が幻影であり欠損を示すことを、自身の理解へとつなげる方と、受け入れがたく感じられる方がいたということになります。
月についての私の考えは、後世の判断にゆだねるとして、私は私が考える月についてここでは話しをすすめることにいたします。月は欠損であり、その人にないものを示します。まったくないわけではなくて、月の年齢域に当たるおよそ7歳頃までに得たり覚えたものは、そのまま残ります。
しかし、7歳程度の子供の理解した内容は深い理解や習得に当たりませんので、月はその後の人生における欠損として働くことになります。具体的に言うと、月のサイン及びハウスに関した事柄や才能に欠損が現れることになります。
月のサインはその人にとって未成長で決して成長しえない能力を示し、月のハウスはその人にとって、決して高度な内容にいたらない生活の分野を示します。
例えば、かに座に月があれば、家庭的ではなく、母性的でもない個性を示し、欠損している母性や家庭に心が縛られやすいことを意味します。また、かに座のキーワードである、「我感じる」の欠損となりますので、感じにくい人になります。
月がしし座にあれば、堂々としているどころか、まったく逆となり、自分の自我の弱さにより人を支配するどころか、人との関係において、常に弱みを握られているような気分となります。パッとした印象がなく、未来について語るものの、一時の揺れ動く未来像に支配されるため、人には何を言っているのかがわからない状況に陥ります。それでいて、自分のことしか語りません。なので、軽く見られるようになっていくでしょう。
ハウスでも同様で、月が例えば7室にあれば、7室に関した事柄に能力の欠損が生じます。特定の相手と深い知的関係を結べないこと、結婚生活に向かないこと、それでいて常にそのことに心を奪われてしまう状態を生むことなどです。
4室の月なら、家庭にいることがつらくなります。それでいて、結婚後も実家のことばかり気になって仕方なくなるのですが、実家に戻ったところで、実家から大切に扱われることもないでしょう。
このように、月はサインにおいては欠損の内容を示しますし、ハウスにおいては、その具体的な事柄を示します。このことは、よく観察し、よく自身を見つめれば、ほとんどの人が理解できるものです。
なぜなら、太陽が個性と言われますが、それは獲得した段階における個性ですので、上から下まで幾層にも分かれます。しかし月は得るものではなく、欠損としてスタートするものですので、どのように優秀な人であっても月の欠損は公平に与えられるのです。なので、太陽星座の個性には大きなばらつきがありますが、月星座については、すべての人が該当し、欠損として的中したものとなります。
ただ幻想にしがみつく人にとってはそのことがわからないかもしれません。冷静に正直に見つめれば、月が欠損を示すことは確実であり間違いないことなのです。
では、なぜ月はそのようないたずらというか、人類に本当の意味での試練を与えるのでしょうか。月が悪いのでしょうか。そうではないのです。
月は正直に素直に物事を映し出す鏡です。そして映し出すものは、7歳の子供が理解する範囲のものを映し出すのみ。子供が見たままの子供じみた世界をそのまま月は映し出しているのです。それはこの世の幻想性から私たちの人生はスタートすることを意味します。
もしもリアルな理解から人生がスタートしたならば、地球には悲しみも悲哀も失意もない、動植物同様の人生がスタートしたことでしょう。そうなると、人間も動植物と同様に一切の進化も変化もない人生を与儀なくされます。
それは素晴らしい星ではあるものの、そこに住む人間には何ら変化のないものとなったことでしょう。しかし幻想からスタートすることにより、私たちはそのベールをはいで、段々と真実に突き進む以外に道はなくなります。
この地上は、幻影が占める割合が多い分、それに気づくことで、リアルに至る構造をしているわけで、その立役者がまさに月なのです。地球で真実を見ることができたなら、はじめから覚醒環境にいたそこらへんの宇宙人以上の大きな習得が可能になるわけです。
おそらく大勢の人の魂は、ほとんどが月の幻影で生涯を終えさせられる可能性を知りつつも、この地上での覚醒を目指して率先してこの地上に生れ落ちて来た栄えある魂であると思われます。どうかみなさん、頑張ってください。
月の影響を知り、その幻影から覚めることで、月によって失わされていた月サインの星座を獲得し、全体性を得ることで私たちは地球を去っていくことになるのでしょう。
月は例外なく欠損を与える仕事をしますので、私たちは月ではないものによって欠損となっている星座にアプローチし、改めて、一から欠損星座を獲得することにより全体性を得る道が与えられているわけです。
まず最初は月サインの反対星座を得ることで月に飲まれることのない状況を作ることが大切です。そして次に月サインは欠損となったままですので、月に替わるものによって、一から月星座に取り組み、深い理解に至ることで、私たちは全体性を獲得することができるようになります。
月が悪いのではなく、月は正直だったのです。ただ、映し出したものは間違ったものだったのです。そこからの人生スタートであるこの地上は、類まれな本当のめぐみに満ちた星なのです。悲しみの星である地球は、悲しみのすべての原理と実体を理解できる唯一の星であるわけです。そこにいるみな様は、本物の勇気ある魂の存在なのです。あなたは選んでここに来たのですから。私たちは仲間なのです。
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