占星術の醍醐味 惑星の理解「月」編

占星術ではまず惑星が第一義的な立場に立ちます。すべての衝動や意図するものの原因は惑星にあると考えるわけです。

このうち、とくに重要なのが太陽と月の二つです。二つのうち、太陽は月以上に重要で大切です。しかし太陽には仮の太陽もあれば真の太陽もあります。真の太陽を獲得できなければ、人は仮の太陽によって生きるしかなくなります。

そして悲しいことにほとんどの人が真の太陽の獲得ができず、仮の太陽によって生きていきます。太陽が位置するハウスはその人が本気となれる事柄を表します。生きがいは太陽が決定すると言っても良いでしょう。本当の生きがいは、その人固有のもののため、何か社会的に価値があるとか、特に評価されるとかいうこととは、異なります。

むしろ、「なんであんなことに夢中になれるのかしら、、、どこが面白くてあんなに命がけになれるのかしら、、、」個性化とはどちらかと言えば、そうしたものです。

しかし、多くの人はそこまで自分を個性化できず、セルフを獲得できずにおります。そんな場合、人は仮の太陽によって生きることになるわけです。

太陽がその人の基本的性格や生きがいと関係することは、仮の太陽であっても同じですが、太陽の輝きは、本人が輝く道筋ではなく、この世的な輝きと仮の太陽が関係してきます。

太陽のあるハウスが示す事柄は、その人にとって、恥じをかかないでいられるものを示します。見栄、見栄え、評判、優劣、、、それらは太陽を自己実現に仕えなかった人が至る仮の太陽の世界だからです。

太陽の獲得年代がおおよそ20代半ばから30代半ばの役10年間となりますが、この時代に自己実現の道からはずれた多くの女性は、太陽を夫に譲り、自分は太陽の反射によって光る月、もしくは仮の太陽の御威光の力を使うようになります。「私の夫は会社経営してます、、、」「夫は大会社の部長です」これらは仮の太陽を使った女性の姿であり、太陽を夫に譲った結果でもあります。

太陽が示すこの世的な勢力、出世や社会的な評価などは、おおむね、仮の太陽がもたらす運命と深く関係してくるわけです。

人生の目的は太陽の獲得、すなわち自己実現にあり、セルフの獲得と言っても良いのですが、それがダメとなると、仮の太陽に意識が向き、自己の社会的な評判、出世、権力、金力、見栄などを人は求めることになりやすいわけです。男性の場合も、太陽を夫に譲った女性の場合もそれは同じです。

自分が輝くのか、、、輝いているように見せるのか、、、太陽の二つの可能性を意味しているわけで、運命鑑定の場合、ここを見誤ると正しい人生判断はできなくなります。

さて、本題の月に入る前に、前述したように太陽を簡単にでも理解しておかねばなりませんので、まず太陽について話りました。太陽については、これは重要な主題なのでまた改めてお話しする機会を持ちたいと思っています。いつになるかわかりませんが、必ず、ブログでアップさせていただきます。

今回は月です。月に関した誤解が非常に多く、この星の理解に問題があるのを最近よく感じます。占星術を学ばれている方は、月について、どのように考えておられるでしょうか。

月の星座は適職を示しもするとか、人間関係を決定するとかも言われます。それは確かにそうですが、月はそもそも良い影響を与える惑星なのかどうなのかも、実は曖昧です。

私は月は準ベネフィックという考えに疑問を感じています。以前、新月の化粧品を作ったことがありますが、あのアイデアは本当に素晴らしいものでした。実際に新月に作られた化粧品には、通常では得られない素晴らしい特徴がありました。

新月の考えは、これから月が増えていくので吉兆と捉える考えもありますが、そうではなく、月が不吉であり、月の影響を受けないので、新月には宇宙の生成力が邪魔されずに発揮される、、、という二つの考えがあります。

私は断然、後者なのですが、月が良い星であるという考えを持たない者です。ただし、誤解を招かないように言っておきますが、月は重要な星であり、地上における感情と認識に時間のタイムラグがあるがために、この世では大きな気づきに貢献する、最終的には重要で貴重な惑星という考えはその通りです。

月が重要であることは確かなのですが、これは実は誤解されやすい星です。よく月がある星座はその星座の才能があるとか、適職にも使えるとか言いますが、果たして本当でしょうか。

月は太陽の光を反射して光ますので、その光はイミテーションです。月に限らず、惑星はすべてイミテーションの光で輝いているという限界を知っておいた方が本当は良いのです。

惑星と恒星では雲泥の違いがあります。なので、唯一の恒星である太陽の獲得が重要となるのですが、自身も太陽のように輝くのか、仮の太陽のイメージ光力による人生を目指すのかで、異なるのです。太陽、、恒星の輝きを自身に発揮すれば、それは自己実現となり、光そのものの存在となるため、もう二度とこの世に生まれ出る必要がなくなります。

自己実現が最終目標というのは、そのためでもあります。そうしたものの正反対に位置する星が月です。太陽と月をライツとして重要視しますが、それは、正反対の目的に置かれている惑星という意味での重要性もあるのです。

月は死の星であり、月は過去であり、月は感情であり、保守であり、偽りなのです。

月の衝動で生きれば生きるほど、人は本当は苦しくなります。このことを分かっている占星術はあまりありません。月がいかに自身を誤魔化し、いかに自分を守るように見せて破壊し、いかに嘘つきか、、、一度ゆっくり考えてみてください。

あなたの月のサインは何でしょう。人は常々、月のサインの示す事柄に関心を向けています。これは事実です。また、そうでない場合でもすぐに月のサインに従う内容に反応します。

おひつじ座に月があれば、すぐに怒ります。すぐに怒る状況に反応するからです。月がおうし座にあれば、豊かさやぜいたくな物や状況に敏感に反応します、、、ふたご座にあれば、いち早く得た情報を人に教えたくなります、、、

太陽でも同じではないかという質問を受けそうですが、まったく異なります。月がおひつじ座にあれば、怒りやすい反応としての自己イメージで自分を守っているのです。太陽がおひつじ座ならば、守るも何もなく、本気で怒るのです。

月がおうし座にあれば、自分がお金持ちであるとのイメージで自分を守りたいのです。太陽がおうし座ならただお金を得たいし、そうなりやすいのです。月がどんなに自分がお金持ちでありたいと思っても、そうはなりません。太陽おうし座の具体性にはかなわないでしょう。

月がふたご座なら色々な情報に反応しますが、それによって自身のイメージ上昇を狙っているのです。太陽がふたご座なら、それは本当の喜びなのです。なので、語る際の迫力が違います。

月がかに座なら、優しいお母さんのように見せたいのです。太陽がかに座なら、何も考えずにそうしています。

月がしし座なら自分がいかに大物であるかと思ってもらいたいので、自分のイメージにこだわります。太陽がしし座なら、本当に自分を大物だと思うのです。思いたいのと思う違いが大きいのです。なので、月は太陽に会うとしょんぼりしてしまうのです。自分のインチキさを刺激されるからです。

月がおとめ座なら、自分が清潔できれい好きだと思いたいのです。しかし、いつも周囲は汚れていたりします。太陽がおとめ座なら、何も考えずに清潔にしています。

月がてんびん座なら自分は公平で卒がないとのイメージを持ちたいのです。でも実際には公平であったことなどありません。太陽がてんびん座なら当たり前のように公平でないといられません。

月がさそり座なら、自分は思慮深く、真実を追求し、本物が何かを知っていると思いたいのです。でもけっこう騙されやすかったりします。太陽がさそり座の直観は優れて真実を見つけます。

月がいて座なら自分はこだわらない人物で社会正義を求めるような人間だと思いたいのです。太陽がいて座なら、たとえ損してもそう思えば社会正義に従います。何も言わずに。

月がやぎ座なら社会の仕組みの中で自分を守りたいのですが、そうした高度なことなどできません。太陽のやぎ座は具体的にそうしたものを作ろうとします。出世したい月のやぎ座は夢物語りで考えるだけですが、太陽のやぎ座がそう思えば、実行に移します。時間がかかっても。

月がみずがめ座なら、自分を個性的で天才的な人物だと思いたいのです。太陽がみずがめ座なら、そんな風に考えてもいないのに、周囲から変わり者と思われます。

月がうお座なら、やさしく犠牲的で同情心があるというイメージを自身に抱きますが、本当にそうであることはまれです。最後にはきっと周囲を裏切ることでしょう。太陽がうお座なら、本物のシンデレラになることもあります。

ざっと12星座の月についてあげましたが、それは太陽と異なり、すべてと言っては言い過ぎかもしれませんが、本質的に偽りなのです。嘘です。ただし、他の要素と絡むことで月のイメージが引き出され、他の関係する惑星の力によって、物事が実現することはあります。そこは誤解なさらないようにしてください。

月単独で思ったこと、やりたいと思ったことが、現実になることは、ほぼゼロです。そうした月のイメージで自身を考え、人生に月の要素を持ちだしたとしたら、結果を残すことはできないはずです。

月はごまかし、失敗させ、幻想を振りまくことで、人生を誤らせますが、何度も失敗することを通して、結果的にやり直しをこの世で行い、私たちを成長させることに寄与します。

しかし、それは月の善意ではありません。月を善意と解釈することで、私たちはある種の罠にはまります。占星術の目的は、最終的に太陽の獲得にあり、真の太陽の獲得、すなわち自己実現、セルフの獲得と言っても良いでしょう。

月を人生の目的に置かないことです。月は日常意識ですので、日常意識は常に保守的でありますが、常に間違った認識を私たちに与え続けているのです。それで何度も何度も私たちは生まれ変わるしかなくなるわけです。人生の目的は月ではなく、太陽の獲得にあります。

太陽の獲得とは自身が恒星となり、光輝く存在となることで、その時、大きな光の中では、区別もなく12サインもない完成があることになるわけです。

お知らせ
来る6月21日の夏至に、久しぶりに「夏至の妖精茶会&オルゴールの夕べ」を開催します。下記をクリックして内容をご覧ください。参加者の希望を夏至の晩に言い合うことで、その実現を目指しましょう。夕食と妖精茶会ケーキセットが付いて会費は4000円です。

妖精茶会は締め切りました。

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