トランプ大統領
昨晩の新大統領就任式をずっと見ていました。時差で日本では21日の真夜中になりました。
トランプ大統領が無事に就任できるか、また就任演説の内容は、、、と考えると、久しぶりに食い入るようにテレビを見てしまいました。
相変わらず、どこのテレビ局もトランプ大統領に対して、茶化したような批判じみた雰囲気を感じさせていました。
大人げない、、、と言ってしまえばそれきりですが、きちんとした選挙によって決まった海外の大統領に対して、なんで日本のマスコミまでが、トランプ氏に対して悪い印象付けをしようとするのか、多少イヤな気持ちになりました。
理由は簡単で、トランプ大統領になられては困る勢力によって日本のマスコミが動いているからです。
山本太郎氏が国会で政府批判をするとき、よく口にするのが、アミテージレポートなど、リチャードアミテージやマイケルグリーンがこうしなさい、、と言っている内容に沿った運営をしているだけじゃないか、、、と。
日本に求める内容を彼らがつくり、それを政府があたかも自分らの方針かのようにして実行する。なんてことはない、日本は彼らの命令に従っているだけじゃないの、、、というのが山本太郎氏の言い分なわけです。
しかし、日本を動かしている彼らは、ヒラリークリントンとは近くても、トランプ新大統領とは遠い関係です。
昨日のトランプ氏の就任演説でもはっきりしましたが、ヒラリークリントンが進めたい方向とはまったく逆の方針演説でした。
何が逆かというと、これまでのアメリカはグローバル化をすすめ、主に金融の力によって世界を動かしてきました。
グローバルとは自分らの方式を世界に押し付け、それに従わない勢力や国家にいちゃもんをつけて、先制攻撃するという野蛮な方法によってドルを回していました。
イラクの大量破壊兵器を理由に先制攻撃したり、古くはトンキン湾事件もねつ造であると言われますので、これも先制攻撃です。
国境線を変更しない、先制攻撃をしない、、という戦後社会の約束をアメリカは破り、世界に戦火を起こすことで金融や経済を回してきました。そこには血も涙もありませんでした。
貿易収支の巨額の赤字を金融を回すことでごまかして来ましたが、リーマンショックによってついに限界を迎え、あとは隠す一方のやり方でここまで来たわけです。
リーマン以降は隠し方が大胆となり、あとは脅しとダマしによって情報をねつ造し、世界帝国達成もう一歩のところまで来たわけです。
しかし、その間にもアメリカ国民は疲弊し、ニューヨークの金融につながるエリートにとっては夢が描けても、一般白人は貧しくなる一方でした。
プアホワイトが大量に生まれてしまったのです。黒人などの低所得層に対しては、色々なケアがあるものの、没落した白人に対しては、非人情のお寒い現実がありました。
もしクリントン女史が大統領になったとしたら、彼女は全マスコミを支配し、金融を支配していましたので、中国とのシーソーゲームのような金融経済を軸に、世界帝国を完成させていたことでしょう。
新たな法整備を整えれば、未来永劫クリントン王国、金融王国、プア白人奴隷社会が、本当に実現してしまっていたと思います。
従来のシステムの中で、甘い汁を吸える位置にいた人は、クリントン女史を応援し、とくに、資格や知的優位な面から出世を考えていた人は、トランプ氏の勝利を許せなかったと思います。
自分はこんなに努力して勉強したんだ、、資格もある、そこいらのバカとは違うんだ、、という優生学的な怒りがこみ上げ、勉強によって築き上げた自分の力で、社会への一種の復讐心に燃えて怒り心頭になっているわけです。
テレビの解説者に共通する、トランプ憎しの感情は、自分はみんなと違って優秀なんだ、、、そこには彼らの内的復讐心が隠されていますので、しつこいですし、ルサンチマン的な怒りとなります。
なんであんなに露骨にテレビ解説者は、トランプ憎しの感情を見せるのか、その理由は日本政府に渡されている方向指示と異なる不安がベースにあるのと、彼ら自身の不安と復讐心がなせる態度なのです。
勉強ができる人にも立派な人は多いので一概には言えないのは当然ですが、トランプ就任に怒る人には、自分は利口で他の人よりも優秀だという思いと、自分の強みを使って社会や人に復讐しようとする出世欲が共通していると思います。
弱い層でクリントン女史を応援したのは、補償や福祉面からの信頼をクリントン女史に向けた人達からのものだと思います。
トランプ氏は確かに性格に問題があるかもしれませんし、おかしな面もあると思いますが、世界に先制攻撃をしかけて混乱と不幸を起こし、それによって自分たちの地位を保とうとするクリントン女史勢力よりは、ずっとましだ、、、との思いがあったと思います。
とくに退役軍人は戦争の裏を知りすぎています。アメリカのために戦場に行ったものの、そこで繰り広げられているまさかのインチキを見て、彼らの多くは、これは何なんだ、、、ふざけるな、、、
きれいごとを言いながら、俺たちの命をもてあそんで金儲けしようとしたのか、、、の怒りは計り知れない大きさとなっていたのです。
大手マスコミの情報に乗せられ、戦場におもむき、それがまっかな嘘だと分かったときには、もうどうにもならない、、、こうした悲劇は、新聞やテレビには絶対に載らないものの、体験した者同士の間で、知らぬ間にイノチの連帯を形づくっていったのです。
金持ちの息子は戦争に行かない、、、俺たちプア白人は戦争に駆り立てられ、使命感をもって戦場に行ったが、思いもよらぬ現実を見て、支配層の嘘を知る、、、こうした歴史がこの二十年以上にわたってアメリカ白人の胸中にあったのです。
マスコミの美談仕立ての戦争と現実のおぞましさのギャップに対する軍人の怒りは、ついに逆転し、クリントン女史の敗北につながっていったのです。
昨日のトランプ氏の就任演説では、彼ははっきりと、これまでは、エリートが良くなっても多くの人は悪くなった、、、という内容を語り、それを変えると宣言したのです。これはオバマチェンジではなく、本当の変更、本物のチェンジの宣言だったわけです。
これからのアメリカの方針の変更は具体的にどう出るのでしょう。一番はっきりしているのは、アメリカが海外からもう物を買わなくなる、、、ということだと思います。
金融のマジックによってアメリカはこれまで基軸通貨の強みを生かして、世界中から物を買いあさりました。
海外に出たドルはアメリカ国債などで還流させれば、いくらでもこうした構図が図れると考えたのです。
そして盛り上がったアメリカの貿易収支の赤字。トランプ氏はもうこれを止めて、アメリカ国内で物を作り、それを世界にも売る、、、という方式に変更する、、
なので、トヨタのメキシコ工場建設を叩き、国内につくるのは良い、、と言ったわけです。
アメリカの道は壊れ、橋も壊れ、かつての工場は廃墟となり、人々は職を追われてしまった、、、これを変える。
ドル高で海外に工場を作っても儲かるのは企業だけ。これを止めて、国内に工場を作り、職を増やすとトランプは言います。
かつて、誇りをもって働いた多くの白人が貧しくなってしまった、、、さらに貧しいヒスパニックや黒人にはそれなりの補償があるが、プア白人にはそれがない。
貧しい人に金を出すより、職を与える方が正当だとトランプは言うわけです。
トランプ氏はアメリカはもう海外から物を買いたくない、、、というのですから、グローバル化はおしまいになります。
これは主にアジア、とくに中国とアメリカの関係をギクシャクさせます。
中国の元安傾向は、アメリカとの関係を読んだものであった可能性が高いです。
今後、アメリカは中国から物を買わなくなる、、、すると中国はアメリカ国債を買わないし、売却に動く、、、
中国もない袖は振れませんから、近い将来にこうしたことは起きてくるでしょう。
中国とアメリカの経済関係はクリントン女史の政策とはまったく逆になりますので、緊迫するはずです。
結果はどうなるのか、、、トランプはアメリカ国債を中国が売りに出ることを当然読んでいますので、それなりの覚悟がすでにあると思います。
ゴールドマンサックス出身のブレーンが多いのは、金融の裏を知り尽くした人がブレーンとなることで、来る中国やアジア諸国との金融の衝突に備えての面が大きいはず。
クリントン女史と同じことをやるためでは決してありません。知り尽くしている人を雇ったのです。
これまでの方向を反対に変えるのですから、相当な覚悟がトランプ氏にはあるはずで、目は世界ではなく、アメリカに向きます。なので、アメリカファーストとなります。昨晩も何度も言っていました。
また、冷戦の再開となるはずですから、実際の戦火は起こさない、という方針も固いです。冷戦の再開というと一見不穏に聞こえると思いますが、戦火を起こさない冷戦ということで、イラク進行や、シリア攻撃もない、実際の火ぶたは無しという意味での冷戦ですから、悪くないわけです。
トランプ以前の大統領はすべて、実際の戦争を起こし、それを必要とする政策でしたので、冷戦は良い提案といえます。プーチンも同様のことを述べています。ロシアからは火を起こさない、、という考えで、これまでのアメリカの先制攻撃のやり方を暗に批判しているわけです。
なので、世界は静かになるはずです。マスコミはそれが気にいらないのでしょうか。
困ったものですが、日本でも籾井会長が先日最後の挨拶をした際、しろどもどろだった、、ということです。
かつて、亡くなった大臣が海外でしろどもどろの会見をしたことがありましたが、こうしたことは本来、ありえません。大人なんですから。子供でさえ、インフルエンザの時でももう少しまともに対応します。
籾井会長に何も言わせたくない、、、との疑惑は当然湧いてきます。
しかし何であれ、NHKの籾井会長がしろどもどろになり、飛ぶ鳥跡を濁して終えたのです。
日本も確実に変化を見せてきています。もっとも最強の潰れることなどありえない、、、日本を操作できる、あの電通に捜査が入り、最強企業の東電があの始末です。
トランプが大統領になったから世界が変わるというのは、確定打ではあるものの、変化は密かに確実に、本当は起きていたのです。
日本最強の企業がなんでおかしくなったのでしょうか。東電が、電通が、それは偶然ではありえません。
一言でいえば、時代が変わり出したからです。日本も世界も。その流れの中にプーチンがおり、イギリスのEU離脱があり、トランプ大統領があるのです。
現政権は最後の抵抗にも見えますが、最後の抵抗勢力のあぶり出しとして利用されていたのかもしれません。
薩長から始まった近代の流れが、薩長の代表者で閉じようとしているかのように私には見えてしまいます。
具体的な変化については、また、次の機会に書かせていただきたいと思いますが、沖縄の基地移転問題も、あっけない幕切れになるかもしれませんね。
それを察知した基地と政府の意地で、わざわざ複雑になっているだけなのかもしれません。TPPもトランプ氏はあっさりしたものです。「あれはやらないよ」と、たった一言です。
こうなってしまうと、いちいち複雑な顔をして絡まないと、立場がない人が、面倒な問題面をして立場の正当性を演出しようとするだけ。
沖縄基地問題も、TPPも、本当はもうその起点が存在していない可能性すらあるのです。
星でいうと、これは冥王星がやぎ座で天王星と90度を形成していた時が天王山だったと思います。
TPPがうまくいくことは、実は世界新秩序が完成することで、薄皮一枚で地球株式会社の勝利を人類は阻んだのです。
クリントン女史は初代地球株式会社の最高地位につく立場だったわけで、やぎ座冥王星の企業が国家を飲み込む事態は、薄皮一枚で世界の良心が勝利し、命をつないだことになります。
本当に今回のアメリカ大統領選挙は天下分け目の戦いだったのです。
ただトランプ氏が勝ったからと言って、世界が良くなるのかはまだ未定です。少なくとも、人類の永遠の企業奴隷化は何とかしのぐことが出来たと言えるだけ。
今後の混乱は確実です。中国とアメリカの金融経済の共倒れが今後どのような影響を世界や私たちに与えるのか、、、慎重に見ていかなければなりませんね。
ではまた、続報を書かせていただきます。