女楽のご案内

明日、10日の午後6時半から、紀尾井町小ホールにて女楽という公演があります。その一部に私も登場し、和歌の披講をやります。歌うのは二首。ひとつは君が代。もうひとつは日本最古の和歌といわれる、八雲立つ、というスサノオの和歌。君が代は一回。八雲立つは節を変えて3回披講します。私は発声という役で、最初の一章節を一人で歌い出します。そのあと、講頌という役の人が発声のあとを受けて歌いだします。発声も講頌と共に歌います。君が代、スサノオ、、、というと、何もしらないで単に拒否反応を示す人が大勢います。君が代自体は古くからの歌で、私はそれを歌う人、そして聞く人に、無条件に幸運をもたらす力があると思っている。和歌には呪力があり、その配列に沿う歌には、とくに強い呪力がある。私自身、カラカラに乾いた春の松林で火事を起こしたことがあった。そのときふっとおもいついたのが、火難よけの歌であったが、とっさに迫りくる火に向かって一心に歌ったところ、松林の火事は私の敷地内で止まり、延焼を奇跡的に免れたことがある。それは和歌の力であることを私は個人的に信じている。というのも、その同じ歌で、その歌を密かに守ってきたという御当主は、大火の際に屋根に上り、江戸時代に二回も大火を止めたことがあるという。時がたって平成の御世で、そのことを私自身が体験したのである。和歌の形式に宿る言の力は尋常ではない。今でも宮中歌会始めは皇室行事の重要な柱の一つであるが、それは年の始めに天皇が歌を歌い、新たな年に力と活気を与えることが目標なのである。日本は和歌によって昔は政治も政策も行われていたと言ってもよいだろう。そして君が代は、あなた様が永遠にめでたく存続するようにとの願い歌に他ならない。そしてあなたが右であろうが左であろうが、そんなことは関係なく、その言葉を歌うことにより、和歌の呪力は発揮されるのである。心をこめて君が代を歌うことで大きな幸運が宿るというのは、そのためなのだ。君が代に反対するのもいいが、歌わなくては損だよ、、という気持ちである。なので、明日は心をこめて君が代を歌い、その次は八雲立つという、日本最古の和歌を歌う。こちらも当然意味深いものがある。人間の営みが守られて幸福に続くようにとの、パラダイスを招く呪力がそこに込められている。太陽黒点が消滅したことは昨日述べたが、太陽は太陽系に入ってくる有害な粒子を防御している。太陽は太陽系を物理的に守ってもいる。そしてさらに地球は両極に地場をもつことで有害な宇宙線をアースして無害化し、地球を方時も忘れずに守っている。人間の営みはこうした構造によって守れれている。ただしこれらは物理的な防衛であり、もうひとつ、霊的な防衛という観点もある。人間が幸運に無事に過ごせるには、それを邪魔する邪悪な霊的な力から守られる必要があると昔の人は考えた。日本最古の和歌にはまさにそのことが語られている。苦労して放浪した末にヤマタノオロチを退治して立派な神となったスサノオは、出雲の国を気にいり、そこで結婚して家庭を守るために、日本で最初の和歌を作ったのだ。八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣つくるその八重垣を、、、という歌だが、その意味は雲が幾重にも湧きたつ清められた国で、自分は愛妻を得て、妻が安心して暮らせるように、幾重にも守りに守る、、、という歌。この歌があるので、家庭がうまく守られ、続いていく、、その願いをスサノオは歌に込めて呪力とした。呪力は歌われるうちは永遠に続くので、今でも効果はあるに決まっている。結婚して、普通に、安心して、継続して暮らしたい人は、この歌を歌わなくては損だ。聞かなくては損だ。スサノオはじめ、昔の日本人の願いには、ただ何となく、、、というようなあいまいさはない。具体的で、実際に力になるものを本当に残したのである。ただ多くのヒトがそのことに気づかず、まして利用しようとしてないだけ。実際に歌うことで呪力としての効果が出るこうした文化を日本人は和歌の中に閉じ込めてきたのである。