ディープインパクトに禁止薬物

残念だがあり得る事態だと思う。まず、日本の危機管理意識の低さが招いた事態だと思う。フランスの薬物使用制限は厳しく、最初から分かっていたこと。ディープは何ヶ月もフランスにいたわけで、体内残留期間が非常に短い薬物だったので、まちがいなくフランスで投与されたものだ。日本では禁止薬物に含まれていないため、なんら問題はないが、フランスではあらゆる薬物使用が認められていないので、今回問題となった。ではなぜフランスで投与が許されたのか。獣医が投与しない限りは無理なのだから、禁止薬物だとわかっていて投与されたことになる。それが問題になることをしらない日本の関係者に問題があるのは事実だが、してやられた、、という疑惑も当然成り立つ。日本の新幹線の最高スピードがフランス新幹線と同じというのもおかしな話だが、なぜかというと、日本の新幹線はフランスに遠慮しているのだ。本当はもっとあげられる。しかし遠慮してそれをしない。ディープの問題も根は同じ気がする。凱旋門賞はヨーロッパ以外の馬はまだ勝っていない。私は最初から今回もまず無理だと思っていた。もちろん世界一強いのはまちがいなくディープだし、アメリカの軽い馬場ならあの相手でも5馬身は離して勝っていたと今でも思う。なぜ、フランスなどに行ったのかが、私には疑問だった。北海道の馬力レースにサラブレッドが出場するようなものだったのだから。あきらかにレース選択のミスだと思う。スピードと関係のない重たい馬場でディープのあの脚が使えるはずがない。それを単勝1倍にしたとは、あまりに無責任。必ず、反対勢力の神経をさかなでしただろう。すくなくとも、禁止薬物が検出されることはわかっていても、日本側がそういうのだから、投与しておけ、、、ということは起こりえるムードだったのだと思う。単に強いから勝てる、、、と考える日本人。また、今回の決定的なミスはいかにも日本のどうしようもない一面を現している。それはシンジケートを早急にこしらえ、引退に追い込んだことだ。薬物陽性が出るわずか数日前に急遽そうなったことにおかしなものを感じる。薬物使用疑惑はおそらく関係者にはもっと先に伝わっているだろうから、その発覚の前にシンジケートを組んでしまい、引退させる、、日本人のダメ体質そのものが出ている。欠陥マンションを発覚前に売りつける構造とどこか似ていないか。私は凱旋門賞に行くこと、そして日本人が異常な人気にしてしまうこと、、これら一連の流れに不信を感じてきたのはこれまでの日記にも書いてきた。そしてまさにそうしたものが、こうした事件を招いたと感じるのだ。とにかくディープがかわいそうである。バカな人に囲まれて結局汚名を着せられてしまう。今回使用の薬物は喘息予防のもので競争能力を左右するものとは異なる。あの重い芝で、早め先頭の競馬をして、3.5キロも軽い3歳馬に差されて負けたディープは私にとっては驚きの強さだった。間違いなしに世界一強い馬なのだ。それを周囲の大人になりきれない日本人がよってたかってケチをつけてしまった、、、そういう話に思える。今週は三冠最後の菊花賞がある。ディープに続いてメイショウサムソンが三冠を取れるかどうか。私はいける読む。皐月賞も本命にし、ダービーも本命にし、そしてこの菊花賞でもやはり本命に考える。私はメイショウサムソンは非常に強い馬だと思っていて、この馬の個性なら、フランスに行って、周囲の意地悪、悪意にも負けずにそういうものを蹴散らして勝てる馬だと思っている。その理由は皐月賞に勝ったときの牧場関係者の話である。まず、インタビュアーが勝利の喜びを牧場関係者に聞き、なにか英雄的なエピソードを尋ねようとしたのだが、牧場関係者は、えっあの馬が、、、という意外な反応だった。まさかあの馬がクラシックを勝つなんて、、、という感じなのだ。とうぜん、強かった、、、的なエピソードなど出てこない。ただ何かあるでしょ、、、的なインタビュアーのムードを察してか、あんなに丈夫な馬はほかに見たことはないけど、、、という話が出てきたのだ。私はそのひと言でこの馬は決して裏切らないぞ、、と思った。最後のレースまで買い続けた方がいい馬だ、との確信を得た。普通、強い馬と言うのは、必ず欠点を隠しているものなのだ。早いスピードで500キロもの動物が走るのだから、とにかく体、特に脚に物凄い負担がかかる。早い馬ほど問題を抱えるものなのだ。ディープにも今回のことで吸器系の問題があったことが伺える。そして反対に、とくに丈夫な馬は普通は走らないもの。だから牧場関係者も、丈夫ということをあまり協調材料にしなかった。大体、丈夫=走らない馬なのだから、無理もない。しかしサムソンは走った。こういう馬こそ、実はとんでもない可能性があるのだ。50戦不敗の名馬キンツェムのようだが、日本にはこの手のタイプはあまりいない。わたしが本気でこの馬を追いかけても大丈夫と思ったのにはそういう理由があった。ディープが凱旋門賞を勝ち、サムソンが三冠馬になり、有馬記念で両者がぶつかった場合、サムソンの単勝はおそらく10倍以上ついたはずで、それが今年度の私の最大の勝負馬券の予定だった。これまではディープ一辺倒で、今世最強の馬と言われていたディープ。確かにそうかもしれないが、私は密かにもしかしたらメイショウサムソンのほうがいずれ上になるのではないだろうか、、、との考えがあった。ディープのことは悪くは言いたくないが、ディープは国民的期待をされ、それにつぶされた面がある。サムソンはあまり期待されないし、されてもそういうものに振り回されない個性が感じられる。菊花賞はメイショウサムソンでいく。天皇賞もジャパンカップも有馬記念も春の天皇賞もすべて私はメイショウサムソンでいくつもりです。一度負けるとすぐに人気が落ちるタイプですから、いずれ単勝10倍以上の穴にありつけるはずで、こういう馬は引退するまで追い続けたほうがいいと思っている。