次の仕事を探す時
これまでシステムとして動いていたものが急速に劣化しています。どんな大きなシステムも同様です。
ことに仕事は我々の生計を支える大切なものですから、だれでも慎重にそれを選び、安定した仕事に就けば本人も家族も安心します。
そうした安定の象徴が国家公務員であり、銀行員であり、大企業への就職でした。
長く続く不況の中で、中小企業は安定性を欠き、そこに働く人は将来が見通せない状況にあります。
反対に大企業の業績はこのところアップしているようですが、壮絶なリストラを終えたことと、政府が大企業を露骨に助ける政策のおかげです。決して、大企業の実力のおかげではありません。
あっという間に膨らんでいる貿易赤字がその証拠でもあり、いつしか日本はかつてのアメリカと同じ病気にかかってしまいました。
大企業に勤める正社員は今のところは恩恵を受けていますが、中小を含む一般企業に勤める非正規労働者は保障もなく、じりじりと低賃金を強要されてきています。
ユニクロの社長がいみじくも言った、年収100万円などという血迷いごとが本当にそうなっていきそうな雲行きすらある、本当にひどい時代です。
今は非正規労働者にとっては年収200万円は当たり前となり、ユニクロ社長が言うような100万円が冗談ではなかったのかも、、、という気味悪さを感じます。
しかしそうなると、いくら政府が大企業を助けても、民衆の購買力が構造的に落ちてきますから、内需が伸びるわけがない。
内需が伸びないのは今に始まったことでもないのですが、貿易もダメとなった今、一体、日本はどうやってこれから食べていけばいいのでしょう。
私は誰もが、次の仕事を探す時代に入ったと思っています。年収200万円の人も、大企業に勤める年収1000万円の人も、さらに上の年収2000万円以上のクラスでも、また反対に100万円台の人も、そんなに変わらない時代がこれからやってきます。
むしろ、年収200万円以下の人の方が回転が早く、貧乏への耐性ができているため、有利かもしれない、、、そういう時代がもしかしたらやってきます。
あれほど円安になったというのに、貿易で大幅な赤字が出ている、、、はっきり言って、もうおしまいじゃないですか。これまでの常識と国家をイメージするのは、もうおしまいで、厳しい現実が見えてくるでしょう。
それは消費税アップに従ってはっきりしてくる近未来の姿です。
こうした状況をどう乗り越えていくのか、、私たち一人ひとりに革命が必要だと思うのです。
それが次の仕事を探す、、、という言葉で表現できると思うのです。
現在、安定している人にとっては、あまり意味がない言葉かもしれませんが、銀行がつぶれる前日まで、銀行はつぶれっこない風に装います。
大企業も同じです。国家も同じなのです。なので、それに気付くことはなく、突然、仕事がなくなるような厳しい現実が襲ってきてわかるようになります。
その意味で、会社が小さかろうが、大きかろうが、条件は同じ。年収2000万だろうが100万だろうが、突然襲う厳しい現実を前にしたら、そんなに変わりはないと思うのです。
驚かす意味で言っているのではなく、得意な貿易がダメ、、それは企業に力がなくなったから。また、人に新たな魅力あるものを作り出す力がなくなったからで、根本がダメになりつつある。
景気がいいとか悪いという問題以前に、金太郎あめ的なやり方で、命を失ったわけですから、よくなる理由がないとも言える。
しかし、日本人は個は優秀ですから、そこから突破する可能性が高いと思うのです。
次の仕事を探すとは、、次の会社を探しても同じ。次の会社は今の会社よりも悪い方が多いかもしれない。
このままでは体を壊す、、、そういう場合はすぐにでも他の会社を探した方がいいでしょうが、ここで言う次の仕事を探す、、、とは、これまでのシステムの中になかった仕事を探す、、、ということに尽きます。
奪い合い、、効率、、、早さ、、、潤沢な資金力、、、知名度、、、こうした従来的な価値を売りにしている企業の、どこに行っても同じ運命が待っていると思います。
次の仕事を探すのは、そうしたものとは違う仕事、、、ということ。
どこかに就職、、、と考えるだけで、従来の考えに陥ってしまうと思うのです。次の仕事、、、というからには、まだ今は今の仕事があるのですから、時間的な余裕はまだあるわけです。
その余裕がある間に、次の仕事を考えるのが良い気がします。次の就職ではなくて、余裕があるうちに次の仕事を探す、、、その姿勢です。
その姿勢が多くのものをもたらしてくれると思うのです。時代が変わる際に、これから訪れる時代を予見することはできますが、断定することはできません。
なので、安定した考えとは言えませんが、安定した企業もこれからなくなるのですから、安定、、、なんて言い出した途端、古い世界の考えから抜け出せなくなります。
次の仕事とは、、、やりたいことであり、面白いことであり、夢中になれることであり、そこに命があることとなります。
一生懸命やれば、、、まじめにやれば、、、苦しくても努力していれば、、、という人生観は本当は自己保身の匂いもします。
次の仕事は、そうした態度とは多少違うものだと思うのです。
もっと無邪気で、もっとシンプルで、もっとやさしくて、もっと人に喜んでもらえて、、、そしてお金が入る。
と言って、お金儲けのためにやったら失敗すると思うのです。お金儲けを考えてやったことはきっとこれからは失敗します。
そんなきれいごとを言うな、、、と思われる方もいるでしょうが、もうずるいことをしても儲からない時代に入っています。だから、悪人が苦しみ出しているわけです。
NHKのような集金システムがいいか悪いかはわかりませんが、時代に合ってないことだけはわかります。
白票が15パーセントも出るような選挙があるなんて信じられませんが、選挙の良し悪しはわかりませんが、時代にもう合っていないことはわかります。
お金のために民衆に毒の食事を作ったり、福島の悲劇とは別に、復興資金で金儲けしているような政策が、良いか悪いかは知りませんが、時代に合っていないことはわかります。
そして時代に合っていないものは、必ず滅んでいくのです。それがどんなに大きくても、またどんなにしっかりしたものに見えようとも。
こうしてソ連も終えていきましたし、東ドイツも終えました。平家も終え、ナチスも終え、無敵艦隊も終え、戦艦大和も終え、きっと自民党も、年収100万円も2000万円も終えていきます。
次の仕事を考えることで、自分の生き方が整理されてきます。自分の弱みも、強味もきっとわかります。
どんなにぼーっとして生きてきたか、、、ということも、意識的に生きることがどんなに重要かということもきっと感じるようになると思います。