暦を征するもの

歴代の権力者の中でも小粒もいれば大粒も。その目安としてもっとも信頼できるものがあるとしたら、それは暦を征したかどうか。

天皇は自分の時代を昭和とか平成とか名づけられるのですから、かなり上位ランクですし、徳川も一時代を築いたわけで、自分の名前が時代そのものなので、これもかなり上位ランクでしょう。

時代とは時の流れそのもの。すなわち、本当の権力者は時を征したものであり、自分の暦を持てた人が本物の上位者と言えます。

上位者だから何だということはないのですが、暦を作ることで、時代に対する強制力を発揮できるのです。

大体は、どんなに権力者であろうとも、天の運行をはずした形での暦づくりなどもってのほかであり、王様と言えども、天にお伺いを立てた上で、その存在が許される、、、という立場でした。

王権神授説がヨーロッパにあるように、エジプトでもヨーロッパでも、権力者と言えども、天に唾することはできなかったので、暦も天体の運行が基準となるものとして用いられたわけです。

そうした蒔く時も刈る時も天体の運行による暦によって決められていたのに、今使われている現代の暦はそれとは異なる地点にあります。

一般に現代の暦は太陽暦と言われますが、確かに太陽の運行に従って一年は進行はするものの、起点が春分でも立春でも夏至でも秋分でも冬至でもなく、それらの日は年によってかわったりします。

要するに、そんなことは無視。一月一日から始まる、、、それだけでよい。というのが現代の暦。平均律にそっくりです。

一月一日スタートにおける天体との因果関係は見事なほどありません。冬至がおおよそ10日ほど前で、冬至はやぎ座の0度。それから約9日から10日なので、大体、やぎ座の9度くらいが毎年の元旦になります。

やぎ座の9度とか10度、、そこにはそのデグリー自体が持つ意味はもちろんありますが、何か大きな恒星があるわけでも、黄道上の重要な地点である、春分や立春とも一切関係ない。

それを新年とし、新春というわけですが、どう考えても、新春というには無理があります。冬至から10日で春はおかしいです。

本当の正月である旧正月を祝いとする習慣や願い、思いをそこに無理やり当てはめているだけで、天体の運行上は、特別な意味はない地点。

しかし、まさに暦を征した者が本当に時代を支配する原則は生きているのです。

この、現代私たちが使っている暦によって、私たちは、ついに天体の運行や自然と切り離されていったのですから、人工的な暦通りの結果に確かになったのです。

恐るべし、暦。意味のない日付に意味を持たせ、自然界と人間活動を見事に切り離した。自然と人間を切り離せば、あとは頭がよいとか、優秀な一部の人間によって、他の全体の人間を支配することができる。

本当にその通りになりました。平均律と同じ発想です。平均律はまったく意味のない周波数をA440Hzとして、あとは一オクターブを、まったく平均に12に分割する。

なので、その音自体には意味などない。ある音域を算数的に分割した音があるだけ。なので、ドレミファソラシドをただ聞いていても、感動はしない。音自体はどうでもいい。その組み合わせによる変化を人間業として捉える。

森に行けば、木はどこにでもいっぱいある。その木をどう使うかは、人間技となる。よい家を建てる大工もいれば大した腕前ではな大工もいる。

要するに、音よりも、木自体よりも、それを扱う人が重要視されていく。平均律ではそれ自体の音が問題ではなく、音の組み合わせの腕前が重視される構造となる。

なので、クラッシクの練習は本当に大変だと思う。自身をサイボーグ化させていかねばならない部分が少なからずある。

それに対して、音自体が自然界と関係する、たとえば古代の音階の私が扱っているソルフェジオなどは、作曲しようとすれば、どんな音でも思いに沿って叩けば、すべてが音楽になっていく。

良い音楽、悪い音楽はなく、どれもその時々を示したり、叩き出す本人を映し出す音楽となってしまう。

プロもアマも関係なくなっていく。しかし平均律ではそうはいかない。一部の優れた天才的な人のみしか扱えない。音自体の魅力ではないのだから、当然そうなる。

さて、暦に話しを戻すと、それと同様の構造をしている。現代の暦は人為的な暦であって、人を自然から切り離すために考案されたものだと思う。

一部の頭の良い人たちが、きっとそうしようと、それによって人と時代を支配しようと考えたのでしょう。

それは見事にうまく進みました。おかげさまで今のようになったのですが、このままでは苦しい、、、という面があまりに強くなってきた。

自然界から切り離された生命は孤独であり、生命力の補給にも限界が出てくる。現代人の苦悩は人間が自然界から、自然のリズムから切り離されて活動を強制されている点にあるのです。

その元となるのが、一月一日から始まる今の暦。本当にうまいやり方です。

中国や東南アジア、台湾などでは、まだまだ旧正月を祝い、自然との連携を本能的に捨ててない文化になっていますが、日本はほぼ捨てきってしまっている。

ただし文化自体の中に自然が色濃く残っているので、日本人はまだ自然と離れずに多少はいられるのでしょうが、そろそろ限界が見えてきたような、、、

今更暦を変えましょうと言っても、誰も聞いてくれないでしょうし、あとは自分の中で自分の暦を作るしかないわけです。

20年ほど前に俵万智さんが衝撃的にデビューしたのですが、サラダ記念日など、あれは自分の暦を取り戻すことで命の手ごたえを得るという面があったと思う。

なので、現代のカレンダーで疲れ切った人々に受け入れられたのでしょう。

今回お届けする立春レポートは失った暦感覚を取り戻そうという試みの一つでもあります。立春はみずがめ座の15度という本当の意味での太陽暦で、天体の運行に即しています。

結局、現代人は自分の時間を奪われてしまったのです。オフィス街での昼食風景は、次の仕事のためのものであって、食事を楽しむ自分時間の中でのスケジュールではありません。、

朝はもちろん、朝食抜きで仕事時間に合わせる人も多いでしょう。夕食でさえ、残業の合間にちょこっと食べる、、、というような人も多いはず。

トイレの中でも大忙し、、、トイレなど意味ない時間になってしまう。人の作った時間で生きていると。

自分の時間でトイレにいけない、、、何か悪いことをするかのようにトイレに行かねばならない、、、自分時間でないから。人の作った時間で生きているから。

それが習慣になってしまうと、自由時間がたとえできても、もう自分の時間になれない。何をしても手ごたえがない、、、何をしていいかがわからない、、、

自分の時間を奪われてしまった現代人。その元は、暦から来ているのです。

自分の時間を取り戻すにはどうしたらいいのか、、、
俵万智さん的な世界を持つことも大事でしょうし、自然と直につながる面を強めることも大事でしょうし、歳時記などを見て、自然界と人間との長い付き合いを知ることも大事でしょう。

都会でも、何月何日には、影があのビルのあそこまでかかる、、、というような自然界の分析ができるだけでも私たちは自然とつながることができます。

時間だけを聞いて、今が何月何日である、、、と、もしわかるようになれれば、それは素晴らしいことですし、雲の状態を見て、あさってから強風がやってくるなどと、観天望気に詳しくなるのも面白いことでしょう。

植物は自然界と大体はつながっていますから、植物を栽培するのももちろん自然とつながる方法の一つでしょう。

自分をうしなってしまい、本調子にない人が多い現代。暦を取り戻すことです。自分の時間を取り戻して、これまでとやっていることは同じでも、それが自分の時間で行われているのか、人の時間の中でやらされているのかを、きちんと分析し、対応した方がいい。

人の決めた時間でトイレに行き、食事し、寝ているのは、実は奴隷ということなのです。

私も真面目なのでつい奴隷体質になる時があるので、これは注意深く見ていなければならない。

それだけ巧みに暦は浸透し、現代を形づくっています。しかし、自然界からしかエネルギーはやってきません。

そろそろ私たちの人為的な暦も限界に達しています。コマーシャルを打っても売れない、、、宣伝してもダメ、、、あるルートにのりさえすればいいはずなのに、ダメ、、、という人為構造が限界となりつつある。

間違いなく個の時代が始まるのです。どんな個も支えてくれるのは自然です。自然と直結した自分の暦を作りましょう。自分の時間で生きる習慣に変えましょう。

会社にいかされているのではないのです。あなたが会社を選んで行ってるのです。

仕事をやらされているのでは危険です。貴方がやる仕事以外もう必要ありません。やらされながら三年も無理したら、殺されてしまうかもしれません、

平均律音階を自由に扱うことはできなくても、自分の音楽を作ることはできます。風の音と自分の声を合わせて歌を歌ってみてください。子供がソバにいたら、きっと喜んでくれます。

今年は時間を取り戻す観点から、立春、春分、夏至などを重視して行きたいと思います。

立春レポートのご案内のつもりがまた長くなってしまい、申し訳ありません。ともかく、立春に私が易占をしまして、その模様などを動画に収めブログにアップする、、そしてその解説をメルマガにしてお送りする、、、そんな形を今のところ考えております。

愛先生が易占、、、というと驚かれる方も多いと思いますが、自分流で結構長く、30年以上の経験があるのです。ただし自分流ですが、384卦ほとんど頭に入っています。今は亡き紅亜里先生の影響で覚えたものです。

占星術師は意外と易占の好きな人が多いです。もちろん占星術からも立春についてコメントさせていだきます。

ただ、また12星座ごとにわけると長編になってしまうので、春分図から見た今年については前回の2014年を占う、、、を基本にしていただき、あとはもう少し、個別な視点から今年の特徴を見ていきたいと思っています。今しばらくお待ちください。
立春レポートのお届けは、立春に易占をして、その模様をまず動画アップし、その後、文章を起こしてからの配信となりますので、時期的に言いますと、2月10日くらいの配信になると思います。春の訪れを感じるタイミングで立春レポートをお送りする予定です。

微細な振動の訪れ528Hzで自分時間へシフト