金相場のゆくえ

私の仕事は多岐にわたります。占星術、人生相談、心のアドバイス、和歌と披講、コンテンツづくり、近未来予測に関したこと、、などだが、なんだかまだある気がするけど、長年ウオッチしているものに金相場がある。私の経済と金融の理解の根幹にあるのは、金利でもマネー供給量でも景気でもなく、マネーと金の関係である。実体の伴わない約束としての印刷物マネーと、実物のそれ自体価値あるものとしてのゴールドとの関係が、すべての基本にあるという考えだ。さらに言えば、金融も経済もその最終の目標は、本当はゴールドを手に入れることが目標ではないか、という疑いを持っている。今では確信となっている。30年ほどゴールドをウオッチしてきてそう思う。
 最近しきりにゴールド暴落説が説かれている。大量のゴールドが隠されている、、、しまわれている、、、金鉱床が見つかる、、、連銀が世紀の売り圧力をかける、、、などなど。どれも本当かもしれないし、ウソもあるかもしれない。ただこうした内容は本当に底が浅いのが気になる。個人的には金相場の上げ下げには関心はないが、ゴールドの位置づけと今後のゴールドの位置づけが私は気になってしかたない。
 まず、暴落説であるが、何が暴落なのか、よくわからない。暴落するには、暴騰していなければならない。現在の金価格がなぜ暴騰の域にあるのだろう。この説明が誰もしていない。他のメタルや食糧、石油に比べて、ゴールドは決して上がってなどない。なぜか、連銀が売り圧力をかけているからだ。連銀が世紀の売り圧力をかけるなどはこれから行われることではなく、すでにとっくにやり続けていること。目新しいことではない。だからゴールドは暴騰できずにいた。これだけ紙幣が異常レベルに増えたというのに、ゴールドは暴騰しなかった。その理由は連銀の売り圧力政策にあった。現在、ゴールド価格は調整中だが、これは連銀が会計ルールを変更したことと関係していると思う。ルールを変えない限り、連銀は危なかった。これによってとりあえず連銀の存続が決まったので、ゴールドは一時敗退し、マネーを刷りまくり、株式市場に向かわせる政策が機能する、という期待から株式は買われ、ゴールドは売られる、ということに他ならない。
連銀関係がゴールドに売り圧力をかけなければ、金価格はおそらくすでに一万ドルに行っていたと思う。その前に連銀がつぶれていただろうが。
銀行と通貨は一体であり、それとゴールドのみが戦っている。この構図が基本中の基本にある。経済を読み解くのも、金融を読み解くのも、すべての基本はここにある。だからニクソンショックも起きたわけで、ニクソンショックがあったから、ゴールドが退位して、単なる金属になった、というのは間違い。それはディスインフォメーションにすぎない。今でもこの戦いは続いているわけで、次の時代の勝者は、いづれ紙幣をつぶして、実態の構図を作るに決まっている。便宜の紙幣は散々使われ、もうその役を終えようとしている。
 新たな金鉱床の話や、それこそ山下財宝の話しまで出して、莫大な金が新規に現れ、そのため、ゴールドが価値を失う、、、という話しもおかしな話である。ゴールドがなぜ紙幣に一時的に負けたのかは、その量が少なすぎるためだった。ゴールドは量が増えた方が有利である。より通貨性がはっきりしてくるからだ。大量のゴールドがあったので暴落するという話しは、では、紙幣はどのくらい増えたんですか、、、という問いにどうこたえるつもりだろうか。紙幣の増えた量に比して、ゴールド価格は上昇もしていないし、ゴールドの量が増えた時点で紙幣からゴールドに通貨が変更しやすくなるだけ。泰蔵されたゴールドのことをうんぬんするのは、泰蔵された紙幣について語らないことと同じ。とにかく、ゴールド暴落説を唱える内容は、感情的であり、それを後生大事に持っている人を馬鹿にするようなにおいがあり、あまり理性的なものを感じない。そのことも気になる。だからと言って私は金を買った方がいいとは決して思わないが、金が狙われていることは事実である。このままの世を続けるには、金価格が上がっては困るのである。紙幣経済を続ける、要するにだましの時代を続けたい勢力があるわけだ。しかしそれも上同士の争いに本当は負けつつあるのではないか。本当の勝者はすでにゴールドをほぼひとり占めしているのではないか。
とにかく、これからの時代の流れを知りたいなら、ゴールドをウオッチしていくことが大事だ。ただし、買わない方がいいとは思う。連銀がルールを変えたので、確かにしばらくは売られることになるだろう。こうしたインチキ紙幣にあふれた世がまだ続くと思っている人は、とくにゴールドなどには手を出さない方がいい。もう時代はゴールドでも紙幣でもなく、自分の未来を築くものにこそ、エネルギーを注いでいくこと。なんであれ、時代は必ず変わります。