金星逆行開始

留で止まっていた金星がちょうど今頃から逆行を開始するころだと思う。水星の逆行はよくあるが、それに比べると金星の逆行は少ない。少ないと言っても20カ月にひと月程度と、めったに見られない天体現象というわけではない。私は金星逆行を出生図で持っているせいか、割と好きである。内気な愛情表現、シャイな性格、、、どこが、と言われそうだが、そうなのだ。逆境の味わいみたいなところが天体にはあって、ひとつも逆行している天体を持っていない人は何となくわかるものだ。アメリカ大統領にはほとんどの星が順行で逆行する星が少ないと言われるが、実際に調べたことはない。大統領は明るい芝居をする仕事でもあるから、どちらかというと陰の魅力である逆行はふさわしくないのだろう。私は全8惑星のうち、6個が逆行している逆行人種である。通常は3個程度の星が逆行していて、4個になると割に多いほうで、5個以上になるとかなり多い。天体が影響を与える際のタイムラグが大きくなるのが逆行だが、それが人生に思わぬ影響を与える。人の運勢を上からもしみることができたなら、たとえば、不運とは、道を進み進み曲がり曲がり、あとひとつの角を曲がったなら、求めるものに出会えるにも関わらず、最後の角を曲がらずに引き返してしまう、、、というケースが多いはずだ。角を7つも8つも我慢して曲がってきているのに、最後の角を曲がらずに引き返す。そこに幸運があったのに、、というケースが不運の方程式でもある。では、なぜそうしたことが起こるのか。7つないし8つの角を曲がっているときには、多少の期待がまだあるから人は角を曲がって進むのである。しかし、もう最後の最後にはあきらめとなり、この角を曲がることへの失望に耐えられない、、、と弱気になり思ってしまう。人情としては極めて自然なことだが、実はそこに宝があるということになる。開運とは、あきらめきった角を曲がるということでもあり、何の期待もないところまで行ったときにこそ開けるものがある、ということになる。この方程式を知っていれば、ああ、いま、自分はあきらめている、、、もう期待も何もなく、これ以上、傷つくことにはもう耐えられない、、、と、そう思った時がチャンスということになる。とくに惑星の逆行が多い人にはこれがあてはまる。私などは8個の惑星のうち6個も逆行しているので、通常の形での幸運とはあまり縁がなかった。だからこそわかるのだが、幸運はその姿を隠してやってきたり、その正体を知られずに近づいてくるものだと本当にそう思う。最後の角を曲がる、、、疲れ切り、あきらめ、失望し、体の力も入らない、、、そこに宝がある。逆に期待しているうちはダメだから簡単な、あんちょこな期待は決して抱かない。そう心を決めることで、これまで8個以上の角を曲がらないと出会えなかった宝に、割と早めに出会えるという幸運が訪れたりする。最初から期待などせずに角を曲がる習慣をつけると、人生で落ち込むことが少なくなる。落ち込みが激しい人やすぐに落ち込みやすい人は、通常を期待の中で生きているからだ。競馬なんかでも、期待せずにただ馬を眺めて淡々と馬券を買う、、期待したレースなどダメである。あっ、また知らないうちに競馬の話しなんか始めている、、、無意識の怖さである。
 明日から虹の瞑想法の収録で軽井沢へ。チューニングフォークも持っていきます。