中国への覇権移動はなし

今回の件で中国はかなり日本に対して圧力をかけており、本気度は伝わってくる。しかし考えてみれば、それはそれだけ中国が追い込まれているからでもある。何に追い込まれているのか、、それは民意にだ。中国の民は現政権に大きな不満を抱えている。経済発展から取り残された数多くの農民、10人にひとりが重度の障害を持つにいたったということは、家族や親類にひとりはそうした被害者がいるということになる。その原因は環境問題など利益優先の腐敗によるものだ。どうにもならない絶望的な腐敗と汚職。そうしたコネによって豊かになったものももちろん多いが、すでに土地暴落と株式暴落が待っている。さらに領土問題は何も日本との間に限ったものではない。少数民族との対立。ひとりっ子政策による無数の無国籍人間。戸籍のない数多くの人間をぼろぞうきんのように使い込んでコストを下げたやり方は、世界のあらゆる製造業を滅ぼした。中国のおかげで安い製品は世界に流れたが、自国の製造業が破壊されたことで差し引きプラスにならない。世界的には誰もが損している。また、異様に安い人件費は実は人間無視の戸籍のない人々の犠牲の上に成り立っている。おそらく奴隷以下の扱い、、、。それはもう許されるものではない。また、水問題をはじめとする、ダムの問題、河川の問題がある。不幸な状況が重なれば、数億の民が災害によって命を失うような他の国ではあまり考えられないような可能性もあり、おそらくそれも時間の問題である。日本でも相次ぐ核施設の問題が起こるが、表面だけを何事もないように装う中国では、おそらく決定的な核事故の可能性も高い。
 こうした状況から中国を見ると、今回の事件は中国が本気であることがわかる。共産政権は上記の問題で行き詰っている。国民の目を他のところに向け、ガス抜きをし、再び国家に従わせるためには、外敵をつくるということが必要になっている。そうしなければ、おそらくもう共産政権は持たないところに来ているのだと思う。なので、領土問題は一番国民の感情を刺激するので、そこを使う。アメリカとは裏で手を結ぶ。アメリカとしてはアジア人同士を戦わせることができればこれは最高なので、そのためにはどんな手でも結ぶ。大体、ともに日本に勝った戦勝国同士だ。日本よりも共産中国との絆は深い。日米同盟を確認した菅政権は強気かもしれないが、これで小競り合いから火ぶたが落とされたら、中国には無戸籍の億の民がおり、武器をもたせないで戦場に送りだすようなことだってするだろう。目的は大勢を日本によって殺させる。そうすれば世界に自分の犠牲をアピールできる。その上で、怖い論理が成り立つ。こちらは一億殺された、、、こちらも一億殺したっておかしくない。そのころ、アメリカは私は平和主義なので引きさがります。あとはお二人で、と武器を供給。そうした構図が長く続けば続くほどアメリカは両国を指図できるし、永遠に武器を売りつけることだって可能。怖いのは、こうした絵しか共産中国が行きつけない性質を持っているところだ。本当は違うやり方で、中国国民を助けることが大切だったのだが、共産中国の幹部の腐敗、及び、中国に進出した企業の人間性の低さにより、中国人民の日本企業に対する尊敬心が育てられなかった。中国社会に貢献したのは、企業よりも、もっと力のない個人的なものだった。環境汚染を解決し、病をいやし、人々を助けたのは、日本の企業ではなく日本の個人だったのだ。もし日本の企業がもっと中国民衆のために温かな社会貢献をしていたなら、それは共産中国以上の潜在的信頼を得たことだろう。確かに日本の政府も多額の金を中国に出したが、それは上層部の腐敗を招くことに使われてしまった。日本人の個人レベルでの社会貢献は幾多もあるが、大きな組織的なことではあまりなかった。あるにはあるが、民意にまで届かなかった。日本企業は金儲け哲学におかされて、世界に進出する道義的意味あいを考え、実行するものがなかったということである。それではこれからの時代はうまくいかない。しかしこうした状況があるので、今更、共産中国の本気度を変えることはできない。なので、中国の軍事的脅威、食べ物の安全性など、最大の注意が日本には必要だが、中国という国を世界がどう見るか、、、という観点に立つ必要もある。
 すると面白いものが見えてくる。今回の中国のやり方を見て、やはり中国は追い込まれている、、、と本音ではどの国も見ている。中国の強硬姿勢の中には、中国のあらゆる問題が隠されていることを、冷静な海外は見間違うことはない。日本は当事者なので、冷静に見られないと思うが、世界は違う。そんな中国に世界の金持ちは、富を移すことも、居を移すことも、安心してできないことは確かだ。大体、共産中国の幹部の子息などは海外に留学して戻らず、資産の分散を図るのに汲々としている。世界の金持ちや権力者がこの国に未来を託すとは思えない。はっきり言って、今回の件に限らず、中国に派遣を移すという世界戦略など、実は幻想だったのではと思う。ただそう思わせる必要はあったのだと思う。今回の事件の行く末も、アメリカと中国が手を結んでいることは間違いないが、それが世界のこれからの本筋の動向ではないと思われる。アメリカと欧州はこの事件以降、中国批判を強める傾向にあるが、アメリカの場合は日本に本気を出してもらう手前、いざという時はアメリカがついているからどしどしやりなさい、、、のポーズ。欧州はやや本気で中国批判、、、というところだろう。むしろ世界の中国を見る目は、中国のような国が世界をリードしたら大変なことになる。よくてお荷物をしょい込む、、、という確信に至ったはずだ。というか、最初から中国を中心に据える考えなどなかったのではないか。あったなら、もう少し中国内面がまとまるよう、安定し、お行儀よい発展ができるようリードしたはず。あえてミスリードを許し、その崩壊を待った、、、というのが正解なのではないか。となると、困った中国を助けてあげるのは日本しかない。というのも本当なのだよ。共産中国を助けるのではなく、中国人民をどうやって助け出すか。それができるのは日本しかない。また、面倒なのは、そうしない限り、いずれ中国は暴発する、、ということである。とにかく日本は何があっても中国とは戦わない、、、と腹で決めること。そうすれば、時間は日本に有利に運ぶので、その間に上海暴落があり、土地暴落がある。その時、最後の頼みの綱である金持ち層がなだれをうって共産中国を見限る。その最に、淡々と、それこそ粛々と、中国民衆を助け、救助し、命を保証し、最低限の生活を成り立たせる温かなノウハウとその実行を日本が持っているかどうかだ。それがなければ、数億の難民が押し寄せてくるかもしれない。結局、これからの地球の運営というのは、もっともひどい状況の人々を助け出すことができるかどうかにかかっているのだ。それができた人が国が次の本当の覇権を握ることになる。私はそれは日本にしかできないような気がするが、どうだろう。何も覇権を得るためではない。中国難民が何千万人も日本に押し寄せないためでもある。中国民衆がその地で、安全に、最低限でもいいから、家族と離れず、元気に生きていける道を探すことだ。日本の素晴らしい科学技術の粋を集め、さらに心やさしいボランティアを組織し、日本国民もそのために金も出し、力も出してあげる。対中国でそれが成功したなら、次はどの国だ、アフリカか、、と、日本のお助け舞台が本当にあらゆる国の貧困を助けに行く。結局、なぜ戦争が起こせるのか、、、なぜ悲惨なことをして人民を困らせ不幸にさせるのか、、、それは、食べていけない民がいることに起因している。それを利用し、踏みにじるところに戦争と大国家主義が存在したのだ。そうしたものに抵抗できる唯一の方法が、これだ。通常の人情により、世界の困窮した民を助けること。それ以外に日本がやるものはない。それ以外の道はないと言ってもいい。さあ、中国は困っているぞ。怖いことは怖いし、本気であることは本気だけど、とどめのとどめはやさしい言動でひっくり返るぞ。
 日本人も本当に誇りを持ちたいなら、物作りもいい、努力もいいが、そうした高度の技術と良き性質を、世界の困っている人をなくすために使うことだ。そうしたインフラを本気で作れば、いやでも日本に覇権というか、リーダーシップが訪れる。そのためにもちろんやるわけではない。そうしたものがリードしない限り、もう地球未来はないからだ。このために百兆も使えば、世界は変えられるぞ。疲弊した中国本土に無料の日本政府食堂が無数にでき、飢えた人々を助ける。困窮した民は日の丸を見て涙を流して喜んでくれる。そして戦いの無意味さ、人間の助け合いの喜びを知り、次の時代に踏み出すことになる。UHOを待つこともない、救世主を待つ必要もない、普通の日本人の人情が世界をリードする時代。その可能性は高いのだ。そこに皆も夢を託し、実行する力になるべき時ではないだろうか。ただし、今は蛇のように賢く、を忘れてはいけない。