プロとアマの立場

今の時代はプロよりもアマの方が上、ということが結構多い。プロは仕事に追われるのであまり学ぶ時間がない、、という面と、アマチュアの純粋な関心からの追及には及ばない、という面があると思う。私の専門は占星術だが確かに実践的なものは経験を積んできているので年代とともに腕はアップしてると思うけど、勉強に費やす時間は思うようにはとれない。競馬なんかでも専門家よりもずっと詳しく、それはいついつ、どのレースでどうでした、、、などということは、プロよりもアマチュアの方が知っている場合が多い。以前、大川慶次郎氏と会話する機会が何度かあったが、氏はそうしたアマチュア的知識の集積をちょっぴりゆがんだものという印象で見ていたように私には感じられた。大川氏は心から競馬を愛し、馬を見る目にも独特のものがあったので、知識一辺倒の若者に違和感を覚えたのかもしれない。私も専門以外に色々なことに関心を持っているが、その中に金、ゴールドに関したものがある。これは完全にアマチュアであるが、ゴールドと世界の関係についてはアマチュアとしてかなりの年月、研究をしてきた。最近は著名な専門家が金価格暴落説を唱えることが多い。理由は今まで考えられてきたよりもずっと多くの金塊が存在しているので、それが市場に知られると値は大きく下落する、という内容。あくまで私はアマチュアなので詳しいことはわからないが、本当にそうだろうか。金が知られているよりもずっと多かった、、、というのは本当のことだと私も思うし、以前からそう思ってきた。しかしゴールドはその絶対量が少なかったから、実は膨張する通貨のかわりというか、保障するものとなりえなかったのではないだろうか。もっとゴールドがこの世にあったなら、それはあらゆる価値の中心的尺度になり得ると思う。量が多いからその価値が減価されるというのなら、貨幣こそそうであるし、株式などもそうなる。分割分割と続けていく株式は会社価値に見合う形でその量を増やしたという以上に、株数が増えたからこそメジャー株となって人気化した、、、という面があったと思うのだが。ゴールドも同様で、これまでの50メートルプール二杯分、と言われた時代にはどうしても中心になりえなかったのは、その量が少なかったからである。あと、もうひとつ、なぜ通貨はその量を膨大に増やしているのにその価値が減価しないのか、、、その理由は、経済規模が成長している、、、という以上に、実は、通貨が独占されており、一部にしこり固まっているからだ。要するに金持ちのところに集まりすぎて、それが動かない。なので流通する通貨は少ない。だから減価は起こらない。というわけで、この論理はゴールドにはさらにあたはまる。すでに流通しているゴールドは非常に少なく、コメックスにおいて売り玉を清算できない、現受けされたらゴールドはもうない、、、というところに来ていると思う。実物ゴールドがもっと出てきてくれなくては、ゴールド市場そのものが成り立たないという事態が実は迫っているのだ。その矢先にこうした大量ゴールド説が出てきた。なんだか、、、という感じがする。評論家はだから金価格が下がる、というが、私はならばそれは逆ではないだろうか、、、と素人考えではそう思わざるを得ない。まあ、私なんかよりもずっと頭のよい、ずっと自信がある方たちがそうおっしゃるのだから、あるいはそうなのかもしれないが、だって、、、、という気持ちがどうしてもある。だって、ゴールドは増えたほうがかえって通貨の代わりになる絵が早急につくれるでしょ、、、、。これで金中心の金融ができるじゃない、、、という点。あと、もうひとつ、金価格を意識的に抑える策略がなされる、、、というのだが、それはもうこれまでずっとやってきたのではないかと。鉱山のゴールドローンから始まって、この二十年以上にわたって価格は抑えられてきた。先物で自由に大量の売りを建てれば、価格は抑えられる。そのためにコメックスを作ったのでしょ。しかも大暴落する、というけど、現在の金価格がなぜ驚くような高値なのか、私にはわからない。オイルを見ても、同類であるプラチナやパラジウムをみても、さらにシルバー価格を見ても、比較でいえば現在のゴールド以上に値を上げているときが何度もあった。最近ややゴールドが上がっているからと言って、ほかのコモディティと比べて上がってもいない価格が大暴落とはどういう意味か。私はアマチュアだが金価格を毎日関心を持って30年以上も見続けている。アマチュアだからこそわかるおかしいな、、、、という気持ちがあり、専門家はその点を無視しているというか、理解してないのではないかと感じる。ゴールドに関して言えば、まだ高騰したことなどない、というのが私のアマチュアとしての考えだ。パラジウム相場など、数年前にはとんでもない値上がり、値下がりを繰り返している。ゴールド大暴落とは本当にプロの人は相場をわかっているのだろうか、、、と、アマチュアだからこそ無責任に言える気持ち。二年前の秋にも日本円で3300円のゴールドがなんと2100円まで暴落している。なので、そういうのなら、現在がちょうど3300円だから、2100円以上さらに下がらなければ大暴落ともいえないわけで、二年前もそれは調整で終えたわけだ。だからまず、今、大暴落という以上、2000円を下回らなければ、まず大暴落と言えない、ということもわかって言っているのだろうか。金価格というのは、それで儲けるとか損するとかいうのと違い、実は極めて重要な指標である。すべての経済の最終目標は実はゴールドの最終争奪戦にあると言ってもいい。戦利品の最大のものはいつの時代もゴールドだったように。そこを見ていればかなり多くのものが見えてくる。またそれにまつわる見方によって、その人の経済や金融に対する本当の知識というか見識の深さがわかってくる。金価格とはそういうものだと思う。ただ一言付け加えますが、大暴落説を唱える方を批判しているのとは違います。むしろこれまでとてもためになることをおっしゃっている方に多い気がします。もしかしたら基本的には同じ立場に立っているということかもしれませんが、こちらはアマチュア、それらの方々はプロという立ち位置の違いによるものなのかもしれません。