金本位制で何がどう変わるか

メディアの一貫していた姿勢に、トランプとプーチンを悪く言うことしていしています。これはかなり一貫していたように思います。

彼らの行おうとしていることが、メディアをいただく層にとって非常にまずいからです。中央銀行を支配する勢力は、通貨発行による力を背景にしていますので、彼らの時代は拝金主義がはびこります。拝金主義が強くなればそれは宗教と同等の力を持つに至り、現代がまさにそうなっています。

しかし、中央銀行が発行する通貨は実質紙切れであり、国家の信用の元に存在します。しかし、中央銀行は実際には国家ではなく、その国家の通貨を発行する権利を持つ個人的な株式会社なのです。一株式会社がその国家の通貨を発行する、、、無から価値ある通貨を生み出す、、、こんな有利なことは他にありません。なので、彼らは非常に大きな力を得ることになり、そこに暮らす国民も国家さえも金の力の前に奴隷状態にすることが成功しました。国家の信用を都合よく自分の通貨発行に応用したわけです。

これが金本位制以降の通貨の歴史であり、国家が金の力に負けて落ちぶれて行った原因でもありました。こうしたことに危機を感じた国家の重鎮はもちろんいました。有名なところではケネディ大統領やトランプ大統領であり、そしてプーチン大統領などでした。

また、資源を有する国家は資源発掘のためのインフラ整備に莫大な資金が必要になりますので、結果的に通貨の支配を受け、みすみす価値あるものを持ちつつも、結局は金の力の前に資源を持つ国も貧しくなるという状況が長く続いていました。すべての価格を決定する権利が現金を生み出す勢力にありましたので、資源国は長年悔しい思いをしてきたわけです。資源をだしに使って結局は金融力で常に儲けてきたのが金融勢力でした。

しかし、そこに不思議な異変が起きます。それはリーマンショックにみられる欲による金融デリヴァティブの崩壊です。金融力を持つ勢力はどれも負けず嫌いのエリートです。欲も深く、最大の効率による投資で圧倒するという習性があります。

拡大しすぎたデリヴァティブが崩壊することで、持っていた以上の損失を被ることになります。金を生みだすエリートにそんな失敗が起こるわけがないではないか、、、と常識的には考えられますが、常識ではない倍率の賭けを行えば、もともとあった金額を失うことは簡単です。実際、この世に存在しないようなレベルの倍率の投資が破綻したら、いくら持っている場合でもクラッシュは起こりえます。

たとえば、売って値段を下げて儲けようとする金融勢力でも、何かのきっかけでスクイーズという状況になれば現物を持っていない限りすべてを失います。内容が専門的になるため、詳しくは語りませんが、プーチンはこのことを考えているはずです。金融勢力を一掃する鍵が、現物を持っている国なら可能である点に気づき、それを実行しようとしているのが、今回の金本位制の復帰なのです。

通貨の価値を、中央銀行が信用によって発行するものから、中央銀行が発行する紙切れなど、本当は価値がないとの主張でもあります。

もともと、通貨とはゴールドのことでしたので、今度もまた、無責任に大量発行できる紙の通貨から資源の価値を信用とする通貨に切り替えたいとの闘いが金本位制になります。

すでにいったんゼロになってしまったルーブルはわずか一週間ほどでほぼ元の価格帯に戻っています。ロシアの考える主張が、メディアのいうことと違い、本当であるとの国際的評価の表れでもあります。私は実はこの勝負はロシアの勝ちに終えると思っています。その結果、単なる紙切れのドルや各国通貨はこの二年の間にかなりの通貨安になっていくと思います。

ブリックス諸国、および、インド、アフリカ諸国は、こうしたプーチンの通貨政策に理解を示しています。ドルについてもトランプ氏は、現民主党政権と共に廃貨同然にすることを考えていると思います。プーチンとトランプは今回の行動を理解しあい、いったいとなって動くときが来るはずです。それは通貨政策を必ず伴いますので、これまでのドルを廃貨同様にし、おそらく新たなドルを金や資源にリンクさせることで、プーチンの金融政策と同様の形をとるでしょう。

いみじくもトランプは金の購入をすすめていた言動があったように、プーチンロシアも同様の形をとっています。今回のロシア金本位制復活は、一部の人があり得ないとしきりに言っていますが、これは行われると思いますし、すでにそうした状況にあると言ってもいいかもしれません。いずれにしても、人間を紙切れ通貨で縛ってきた勢力が消えていく流れが起きている視i点は忘れてはいけないと思います。

このことにより、私たちの世界の価値観も大きく変化していくことになります。働くことなく富を誇っていた勢力からは、ベイルインという、富を上を削り下部に流すことで社会矛盾を解消する流れになっていきます。今、こうしたことが、金本位制の復活に伴って起きてくることがうかがえるわけです。これまでの金融支配勢力がトランプ氏とプーチン氏のことを感情的に悪く印象付けする理由もおわかりいただけたことでしょう。