ゆっくり考える

まだ今だからこそできるという意味でゆっくりとインフルエンザについて考えてみようとおもいます。今日はしつこく4回も更新してますがお許しを。仕事は忙しいのですが書けるときに書いておいた方がいいと思います。

まず、今回の豚インフルエンザの全容は連休中、もしくは遅くても5月中にある程度はわかるでしょう。大事なポイントは二点あると思います。

ひとつはフェーズ4へWHOがランクを切り上げた場合。

もうひとつは日本で感染者が出た場合の二点。

まず、フェーズ4になった場合に何が起こるかをお話ししましょう。カナダが国境を閉ざす、、、ということを言っていますので、状況が悪化してもしなくても、各国は自国防衛にために国境を閉ざすことが考えられます。メキシコ国境をなぜ閉ざさないかはわかりませんが高度の政治的判断があるためでしょう。しかしメキシコ国境をオープンにしておいたことは結果的に世界への感染拡大に影響したということになり、今度は各国の国境は早めに閉ざす、、という方向に行くと思います。

となると、貿易もストップすることになるので、日本ではイコール食糧危機が迫ります。これは国内で感染が広がる広がらないにかかわらず起きる可能性があります。まず、この点をしっかり認識しておいた方がよいと思います。食糧の問題のほかに、外需は一切途絶えますので、経済問題にとどめが打たれるような影響が出てくるでしょう。株価も当然下がります。円も安くなると思いますが、ドルも安くなるので、動向ははっきりとはわかりません。

次に国内に感染者が出た場合です。一人出たらおそらく弱毒性のインフルですので、周囲に感染者が相当数いると思ってよいでしょう。病院はかなりリスキーな場所となりますので、痛みを我慢できない、、、というような場合を除いて病院行きは慎重にならざるを得ません。また政府やマスコミは国内感染者が出ても危機の実体を小さくアナウンスすると思うので、あまり信用しない方がいいかもしれません。人が集まるところには出かけないことは基本的な注意点です。

次に、不幸にもインフルにかかったか、その兆候が出た場合はどうすればよいでしょうか。病院に行く前に、電話で相談することです。初期段階でしたら対応してくれると思います。バンデミックとなると電話は当然かかりません。早めの対処として、尋ねておくこともよいかもしれません。

今回のインフルは鳥インフルと異なる、どちらかというとスペイン風邪に近いインフルと考えられているようです。

スペイン風邪の当時の推移を知っておくことも重要です。

スペイン風邪は1918年から1920年の3年間の間に二度の来襲がありました。当時の世界人口は六億人といわれますが、日本の場合でお話しすると、日本の人口は約5500万人だったということです。今の半分以下ですね。
一回目の来襲は1918年の夏から翌年の夏にかけて。このとき、インフルエンザにかかった人数は、なんと2100万人。恐ろしい数です。全人口の38パーセントがかかりました。
しかし、かかった2100万人のうち、死んだ人は25万人で、かかった人の死亡率は1,19パーセントでした。
特徴は、20代と30代の人の死亡率が高い点です。普通は免疫力の弱い子供や老人がやられるものですが、なぜか若い人に死亡率が高いという特徴があり、今回も同様に考えられています。
 しかし第1回目の来襲は、インフルにかかった人は圧倒的に多かったのですが、死亡率は1,19パーセント、国民全体から見ると0,45パーセントでした。今回のかかった人の死亡率が10パーセントですので、スペイン風邪よりもかなり強いのかもしれません。ただしこれもまだ推移をみていかなくてはわかりません。

次の第二回目の来襲は、1919年から20年の夏にかけて起こりました。このとき、病気にかかった人は激減し、240万人でした。1回目は2100万人もかかりましたが、2回目は240万人。この理由はよくわかりませんが、一度かかった人にはある種の免疫ができたのかもしれません。また初回からかからなかった人には、かかりにくい体質上などの理由があったのでしょう。なんであれ、2回目の羅患率はかなり低かったのです。しかし、病状は非常に重く、1回目の流行の時よりもずっと激烈なものでした。菌自体が変化を起こして毒性を強めていたことが考えられます。そのため、かかった人は240万人でしたが、亡くなった人は12万人もおり、かかった人の死亡率は5パーセントにもなりました。今回の死亡率に近い形ではないでしょうか。今回のインフルは初回からスペイン風邪の2回目流行と同程度かその上を行くレベルにあると思います。

ここでまとめですが、今回の流行は、第1回目が今回とすると、かなり大勢の方がかかるかもしれないということ。死亡率も低いとはいえ、5パーセント以上というスタートですので、スペイン風邪よりも怖いことは確かです。ただしもしかかったとしても死ぬと思う必要はなく、安心して治療してください。

問題は2回目の来襲です。菌が毒性を高めていると思います。前回のスペイン風邪では、第1回の死亡率が2回目では4倍以上となりました。今回もそうなるとすると、今回が5パーセントとすると4倍の20パーセントとなります。豚インフルにかかると20パーセントは生きられない、、となるとこれは大変な問題です。2回目の来襲に対してはやはりワクチンによる防御が重要な要となりますので、政府の対応により悲惨さの度合が大きく異なってくると思います。

一番よいのは、どちらの流行にもかからないことですが。次に良いのは、妙な話しですが、第1回目にかかり、完治してある程度の免疫性を持っている、、、そんなケースとなるかもしれません。

現在、各国の上層部では仲間割れが起きているというのは前回のブログでも触れましたが、中には人口削減を考えるような狂気の上位もいるかもしれません。そういう立場の人にインフル問題を処理させるとこれは大事になりますが、善意の上位者がこの問題に立ち向かえば、そんなには恐れる必要もないともいえます。初回の流行はなんとか人類的にはやり過ごせるでしょうが、問題は第二波、三波と来襲した際には、政府の対応いかんに大きくかかっているということになります。本当に国民の命を守ろうとしてくれる人を上位者にするしかありません。目先の一時の損得などではなく、私たちの命を守ってくれる人を選挙では選ぶことが大事になってくると思います。
次回はかかった際の注意点と予防法について書きます。