GMはどうなる
GMが破散処理に入るらしい。6月1日までが最終期限とか。オバマは当初ビッグ3の破たんは阻止すると公約でも言ってきたと思うが、その後の動きを見ると破綻してもしかたないという方向に巧みに持って行っている印象があった。そしてとうとう6月1日までに破産処理に入るという最後通告がなされたようだ。これは以前からも言ってきたように余波はあまりに大きい。ビッグ3に限らず、中国やインド、ブラジル、ロシアなどをのぞいた先進国での車の需要はもう少ない、との判断が基本にあり、トヨタはじめ日本の車業界にとっても、決して嬉しい話しではない。これから車の需要が伸びる国々にしても、保護主義的な動きに当然なるだろうから、海外の車が売れる余地は少なく、売れてもそのほとんどが現地生産のものとなる。そうした大きな未来を見据えた決断でもある。要するにもう車などは土台古い価値観に支えられている商品であるということ。体重60キロの人間一人を運ぶのに鉄の塊2トンも動かすこと自体がおかしい。しかも生身の人間と高速移動する鉄2トンが同じ場所にいることなど、普通に考えたらありえないことである。ありえないことを当り前のように行ってきたのだから、何十万人もの人が交通事故でなくなった。本とうは馬鹿にした話しなのだ。そういうことがだんだんと見えてくる。とくにそのバカさ加減をスタイルからして感じさせたのがアメ車であり、時代に取り残されてしまった。私は日本の車も似たような運命を有していると思っている。こうした根底の問題は、GM消滅とともに浮き彫りにやがてなっていくはずだ。問題は近未来における雇用の大量消失と、破綻にともなうCDSのゆくえ。雇用の大量消失は政治の不安定化、および消費者心理の著しい衰退、社会の不安定化を急速に高める。また、CDSの爆発が少なからずあり、それに伴う保険支払いにより、金融機関は持ちこたえられないところが突然現れる。こうしたことをわかった上での決断ということは、もう時代があとに戻らないことの証明であり、どんなにドン感なマスコミや人でもさすがにこれはおかしいと思いだすだろう。それがもうあと少しで起きてくる。この夏には景気がかなり回復してきて、先々の望みが見えてくる、、、という意見が最近非常に多いが、そんなことはないと思う。あらゆる権威と権力機構がそうした絵を表面的に作りだそうとするだろうが、実態のひどさは誰の目にもわかってくるのがこの夏以降のことである。これからどうやって生きていけばいいか、、、という節実な問題が当たり前のように起きてくる時代は、何かにすがって自分を押し隠していればいい、、という対応では対処できないので、本当の自分、本当の自分の考え、実力、その他が出てくる。ある意味、面白い時代になるはずで、これをきっかけに良くしていけばよいだけだ。しかし上にいる人はずるいと思う。これからどんなことになるかはもう彼らこそ本当は知っているにも関わらず、外には大丈夫、、というサインを送り、その間に沈んでいく船からどれだけ財宝を持ちだせるか、、、だけを考えて行動している。金融のトップも、保険のトップも、官僚上層部も、各種意味のない財団法人の上も、関心があることはいかにしてうまく逃げるかではないのか。だから最後まで安心、大丈夫と言い続ける。マスコミも同罪でそれに同調し国民に真実を隠す。政府や大企業が好景気と言い続けているうちから民衆はすでに疲弊していたのだ。この世を動かして来たのは、嘘と悪意がその柱にあったことは事実である。もちろん政治家にしろ官僚にしろ通常の企業人にしろ、大多数は善意の人だが、嘘と悪意を本当には見抜けずに流されてきたと思う。そこには弱さからくる自己保身があり、私たちはそれをうまく使われた。今回の動乱は簡単には収まらず、今後長い長い不況がスタートすると思う。それはこれまでの不況と異なり、社会と世界のパラダイムを根底から覆すだろう。どんなに小さな場においても、そこにかかわるその人の考えや生き方が問われることになっていく。個の対処に失敗するとこれから続く波乱に翻弄されると感じる。自分は何者か、自分は何が好きか、、自分はどう生きたいか、、、結局、こうした根源的な問いに対する真剣さ、まじめさを持っていることが、結局は自分を助けることにつながると思う。何かに頼って、、何かに隠れて、、、と思っているとだんだんと不利になり、自分自身の手ごたえを失っていくだろう。