通貨対ゴールドの戦い

一時期かなり下げていたゴールド価格が多少持ち直してきている。これは凄いことで、インドなどではゴールドの購入は一時期9割も下がったが、今でもかなり低い水準にある。大消費国インドが金を買わなくなったにも関わらず金価格は上昇傾向にある。これは通貨対ゴールドの戦いが始まったことを示している。通貨を守りたい勢力、おもに各国の中央銀行や世界中のバンクがそうである。ゴールドが上昇するということは通貨への不信と同じなので、通貨を守りたい人はどうしてもゴールド価格を低く抑えたい。金融危機が始まったとき、ゴールド価格は急上昇し、1030ドルまで行った。しかしこれをまずいと思った中央銀行はバンクに中央銀行にあるゴールドを貸し出し、これをコメックス市場で売却というか、レバレッジをかけた売り契約をあいつがせた。中央銀行が私企業であるバンクに金を貸し出していいものかどうかもわからないが、この操作により、レバレッジで膨れ上がった大量の売り圧力が金価格を抑え込んだ。しかし金融恐慌の深刻さを感じ取った世界の金持ち連中は自分の資産を守るために、ゴールドを買う。その戦いがこの数か月続いていた。その結果、840ドルあたりを攻防戦として、売りと買いが対峙し、恐慌の深刻化とともに買い優勢になるに及んだ。となるとゴールドマンサックスなどは中央銀行から借りだした金塊にレバレッジをかけて売ってしまっているため、もしも金価格が上昇すると大量の買い戻しをいずれ迫られることになる。そうでなくても証拠金を追加せねばならなくなるから,キャッシュが必要に。しかしそうでなくてもキャッシュ不足の状態で出るわけもない。もしも金価格が1100ドルあたりを超えるようになったとしたら、もうおしまいなのではないだろうか。通貨は最後は金との争いになる。このままではおそらく1200ドルを超えるようなあたりからは勝敗は見えてくるので、レバレッジをかけて金を売っていたバンクはすべてやられるかもしれない。凄いことである。もちろんそうなると通貨制度自体の問題が急展開してくるので、何としてもそうはさせないという力が働き、その際には何でも起こすかもしれない。金価格が1200ドルあたり、、、これは私の推測で根拠はないが、だいたいそのあたりだと思うが、それを堺にして金融の崩壊の第2ステージが開いてくるだろう。凄いレバレッジをかけて売り向かったので、大きな国際的なバンクはすべてやれるかもしれない。もちろん、IMFなど、またドイツなどの中央銀行が総力をあげて金売りを仕掛けるだろうが、気になることがある。それはすでに中央銀行にはもうゴールドがない、という考えだ。すでにゴールドローンはじめ国は国で財政難の折、所持していた金を貸し出し、現金化している可能性があるというのだ。中央銀行のゴールド貸し出しに限界があるとすると、ゴールドマンをはじめとするバンクも、国に担がれた形で敗北していくことになるのだろうか。何の情報もないところからの推測なので当たるとは言えないが、大まかな動きは上記した通りになっていると思う。私たちとしては、金価格が1200ドルを超えていくようなら、きっと金融は崩壊し、場合によっては大国の国家破産という生涯に見られないような事態を目撃することになるかもしれない。金融と経済の最終戦争は通貨と金との争いにある。この視点を忘れないでおくと、今後の世の中の動きがわりとみえてくるかもしれない。数年前にすでに世界中の金は私たちが買い占めている、、、という勝利宣言を出した一族がいる。デルバンコ一族の番当にあたるリップス翁の言葉だが、この半年の金融崩壊など正確にこれまでの動きを語っていた。となると次のこの世の王様はデルバンコ一族ということになるのだろうか。日本はまたしてもやられるのか。しかしそれも私は長くは続かないと思う。次の本当の価値は人間性、人情、感性、芸術性、、、などを平価とする円がいずれ必ず出てくる。円は戦争に負け、ビジネスに勝ちながらも結果としては負け、金融で負け、、、、そして最後の最後に日本人の善意と良識と温かさとを平価として復活する。このことを最初に述べたのは決して私などではない。馬野周二博士である。いろいろな歴史観が日本でも出ており、みな偉そうに自分の意見のように現況を解説し、予測しているが、それらはすべて馬野博士がもう25年以上も前に予測していたことである。馬野氏はソ連の崩壊、それに続くアメリカの崩壊を予知し、これまでの流れを正確に当ててきた。あまりに的確であるため、表の舞台からは追放されて今はどの出版社も相手にしていないようだが、本当の天才であった。私は数十年前から大ファンだったが、偶然の偶然が重なり、何度かお会いしたこともある。私は経済に関してはまったくの門外漢だが、これまでの数年の未来予測に大きなぶれがないのは、基本に馬野氏の歴史観があるためでもある。博士の口癖は、「こういう真実を語ることは、もう一生喰っていける、、、という人がやらなければダメだ。」であった。自分が喰うために語っているアナリストの言うことは確かにいつかぶれてくる。おもしろいものである。
と言って、余裕もない私がなぜぶれないかは、さらにその基本に占星術の理解があるからだろう。占星術的には今は、各方面でのバイアスが解消して夢散する時代に入った。もっとも大きなバイアスがお金の思いこみである。思いこみによって維持されていた通貨制度のバイアスが取れていく。次は権力のバイアスが、国家のバイアスが、、こうしてありのままの事実が見えてくる。こうして時代はアイノウの、アクエアリスエイジに入っていく。