ドルのハードランディング
現在、ドルは非常に強くなっている。円に対してだけは安くなったが、他の通貨に対しては、金融危機以来、一貫して強く、その強さは驚くべきほどだった。これは何も不思議な話しではなく、ドル資産が崩壊した過程において、その穴を埋めるために最も必要な通貨がドルなのだからどうしてもドルが買われ、強くなることははじめから私が言っていたと思う。その通りとなったが、そのドルに危機が近づいている、というのが私の考えだ。アメリカの長期国債を誰が買うのか疑問だったので、次のステージはアメリカ国債の格下げとそれに伴う長期金利の急上昇、国債の崩壊だが、それはFRBの国債買い取りという禁じてが効いて、とりあえずこの数か月にわたってアメリカ国債は守られた。守られたどころか、とんでもない国債バブルとなった。まさにすっ天井である。もっとも危険な国の、金融破たんを起こしている国の国債が最も買われ、最高値をつけたのだ。恐ろしいことである。何が恐ろしいかといって、その後の崩壊の巨大さが連想できることだ。あがいてあがいて大きな失墜を招く方向へ金融は進んでいる。今朝のビジネスサテライトなどを見ても、解説者はなんだかのんきなことを言って一年後には景気が戻る的なことを言っているが、何を根拠にしているのか私にはわからない。日本のバブルの崩壊と対策をアメリカの現在と対比させてアメリカの対応が早いので回復も早いというのが根拠のようだが、まるで馬鹿ではないかと私が思ったのは、日本で起きた出来事とアメリカで起きている出来事のレベルというか大きさがまったく違うことが念頭にない。それともわざと言っているのだろうか。本気で言っているとしたら悪いけど馬鹿である。責任ある立場なのだからもう少し自分の頭で真剣に考えてもらいたい。国民を一時安心させてその結果、すべてを失っていた、、、という状況になったらどう弁解するのか。事態はそうした可能性を含んでいるのではないか。これから起こることの可能性を冷静に受け止め、その上での覚悟ができてからの、楽天的態度は必要だが、聞きたくないものから耳をふさぐ的な楽観的態度は危険だと思う。この後に及んでアメリカ国債が買われる理由はまったくない。なのに最高値をつけたのは、FRBが買い取ることに対する少なくともデフォルトは起こらない、、、という一時の安信感がなせるわざだった。が、それは長くは続かない。夫の借金を妻が支払い続けるようなもので、一家の状況には何の変化もない。なので一旦崩れ出したら極端なことが起こる。問題はその時期なのだ。どこまで無理が続けられるか、、、だが、危ない国債であることは本当は誰もが知っている。しかし自分から大量に売りだしたら値が崩れる。FRBが買い取ってくれるうちに売っておきたい気持ちが誰にでもある。要するに本当はみなが売りたいのだ。一度その動きが出たらもうおしまいである。これまでの金融の歴史を見ても、とにかく世界の金融システムを壊さないように、、、との細心の注意で、問題が起きても処理してきたが、9月からの金融危機で一貫しているアメリカの対応に、私は不審を抱いているのでこれはおかしいと思っている。リーマンをつぶしたあたりから、アメリカは一貫して、対応は確かに早かったが、それはいずれすぐに大きなさらに大きな破壊を確実にもたらすやり方で一貫して対応している。そのことが非常に気になる。日本の時のように、ごまかしごまかし、、実態を知らせずに、、、とやってない。それがいいとも言えるが、あまりに凄すぎるやりかたなのだ。金融の不良債権はすべてFRBが買い取る、、、それで銀行は救われるかもしれないが、巨額買取に見合う金などないので、FRBはレバレッジが効いたままの額面での買い取りを行っているわけで、FRB自体が最後の賭けをしている構図。それも目いっぱい、筒いっぱいの勝負というが、相場の世界では絶対にやってはいけない、絶対に生き残れない相場の張り方が筒いっぱい。それをやっている。ということは、FRBをつぶすやり方をアメリカは選択したことになる。だからあの人たち、本当はつぶしたいのでは、、、、と私は思い、この事態は大変なことになる、と言っている。こんなことで私も実はあまり騒ぎたくない。万が一、それなりに時代が平穏に進み、何事もなく行ったら私自身の信用にも関わるからだが、やはり言わざるを得ない。世界は現行のシステムを変更するさい、ソフトに進めるのではなく、ハードに行う道を選んだのだと思う。そうなるように手が打たれている。
現在は急速なデフレが世界をおおいつつあるが、国債に問題が起きれば突然のインフレに逆転する。こうしたことがおそらく1年以内に起こるのではないか。昨日は遅くとも2年以内と思ったが、もうそんなには待てないだろう。すでにアメリカ国債の最高値は過ぎている。あとは落ちるばかりだろう。FRBの筒いっぱいの勝負とは平均50倍ほどのレバレッジが効いていると思う。さらに2パーセント値下がりしたら元本を失う取引きだ。勝てるわけがない。だからわざとそうしていると私は思う。わざとやろうとしている限り、それは必ず起こる、、、と思うのだ。おりしも、星を見ると、土星と天王星の衝。これが9月15日。その前後に起こるのが、皆既日食。これは夏至に起こる。ここらへんが崩壊へのスタートだろうか。同時にそのころ、木星が海王星を通過する。海王星は通貨の星である。お金は要するに海王星であり、それは幻想で実態のないものと星占いでは考えるがまさにそのとおりとなるだろう。木星は膨張の星、木星と海王星の合はまさに通貨膨張、インフレーションそのものである。いま、ものすごい勢いで進んでいるデフレは最後の通貨の信用が通貨の不足から一時的に起きたもので、皆既日食、木星と海王星の合により、通貨が瓦解していく。と読まざるを得ない。これも多くの占星術師の失笑を買うかもしれないが、私は誰が何と言おうと正しい判断だと思っている。ではアメリカはこうした混乱を起こして次に何をしようとしているかだ。混乱が起こることは軍隊が本国に帰還したことからわかるが、次の通貨についてである。言われているのが、アメロという通貨。これはメキシコ、アメリカ、カナダに共通する通貨構想であるらしい。カナダなど巻き込まれて迷惑至極だと思うが、これをやるという話しもあるかも。また、絶対にないといわれるが、金による通貨安定策がとられる可能性もあるだろう。軍隊を使うか、ゴールドを使うしか道はない。ゴールドはアメリカにはもうないという話しがあり、そうだとしたらもう少し出番は後になるかもしれない。しかしゴールドに関して言えば、すでに世界のゴールドを買占めたというデルバンコ一族が番頭のリップスという翁を使ってもう数年も前に勝利宣言をしている。これからゴールドの裏付けのないインチキ通貨が問題を起こし、世界は波乱となり最後にゴールドを価値基準とする本物の通貨が出てくる、、、と言っている。私はこれはいずれそうなると思う。いずれにせよ、今年は通貨大混乱の時代がやってくる。そのスタートはアメリカ国債の格下げ、そして長期金利の上昇。ドルとリンクしようとしている円はもっとほかの独自の道を歩むべきだと思う。その意味で、ドルと円をリンクすることしか考えない自民党も民主党もすぐにダメになる。円の本当の強みは、優秀でまじめ、性格のよい日本人を平価とするこれからの通貨だという点である。石油や軍事や金が保障する通貨と、善意の人間性が保障する通貨と、どちらが本当に強いか、いずれわかる時代がやってくる。それまで日本は高度な文化的喜びがうずまく美しい自然と美しい人情のある国を作ることが大切なのだ。