子供と大人
大人になるのは子供の部分を捨てることとは違う。子供の部分を残しつつさらに大人になっていけばいいのだ。永遠に自分の子供部分と別れる必要はない。大人になることは子供の部分を捨てるのだとしたら私は永遠に大人になんかなりたくない。子供の部分を捨てないとは、いつでも子供に戻れることだ。実はこれは意外に使えるのだ。単純に遊ぶ楽しさ、子供のように遊ぶ楽しさ、、これはとても貴重。さらに、大人の価値感を離れて、子供に戻り、たわいもない時間を楽しめる。あと凄いのは、本当に困難に直面したとき、基本の対処は大人にならなければならないが、それでもどうにもならないときには、かえって子供に戻ってしまうのが有効なのだ。突然、わーっ、、、とか言って騒ぎ出せば、大体の揉め事から逃げられたりする、、、あまりにくだらない方法かもしれないが、凄く有効だと思う。また面白い。いい大人がいきなりワーッと言って意味不明の行動に出たりしたら誰からも攻められずにまずい状況から脱出できるだろう。子供がどうにもならなくなると泣いたり、叫んだり、意味不明の行動に出ることは多いが、これを大人がやったらとにかく面白い。虫など、狭いところに閉じ込められるととにかく暴れて逃げ場を探す。まずい状況から逃れるための生物の基本の態度がそれなのだと思う。大人になってからも使えばいい。きっと新鮮だし魅力にすら映るかもしれない。しょっちゅうやってたらおかしいけど。要するに、大人になることは子供を捨てるのではないのでつまらないことでも損なことでもない。巾が広がるということだ。選択肢が増えるのだ。だから大人にならなければ損だと思う。しかし子供を捨てて大人になった人はどうだろう。まじめかもしれないが、苦しいと思う。楽しい部分を捨ててきているのだから。無理して捨てているから、実は大人のふりをしているだけで、成長してないとも言える。また、捨てたくないものを無理に捨てたと思っても心の部分では納得がいかないのでかえってそれにこだわり、大人になりきれない。子供が大人のふりをして生きている集団が意外に日本人だったりする。はじめの一歩、、からもう一度、子供心を取り戻し、子供を捨てずに大人になっていく、、、そうした意識でいることが面白いと思う。そして時折、わーっとか言っていやなものから逃げたりしてみよう。すっきりしてその後さらに大人に磨きがかかるのではないだろうか。