新しい潮流

日本にいると何も時代が変わったようには見えないけど、目を世界に向けるとこの数年で大きく変化している。私がなぜ今は投資の時代であるのかと言うと、潮流が変化したからだ。日銀総裁の金融資産が公開されたが、注目は村上ファンドの儲けなどより、資産の中身である。奥さんと二人合わせて3億5千万のうち、国債はわずか1000万円である。国債買いオペをすすめた日銀の総裁の資産に国債が占める割合がわずか3パーセント。このことがすべてを教えてくれている。では、世界では何が起きているのか、というと、ブリックスの4カ国の人口は30億を超える。現在の地球の人口が60億なので、半数以上はインド、中国、ブラジル、ロシアの4カ国にいるのだ。この4カ国が、年10パーセントの経済成長を遂げている。この流れは一二年で終えることはない。まだこれから長い期間をかけて、これらの国は発展していく。その際、何にもまして重要性が出てくるのは資源である。今後、世界的に資源の奪い合いが出てくる。これまでの先進国がリードした金融経済とはその構造がまったく変わってしまうのである。石油が真っ先に値上がりし、そこで潤ったオイルマネーが、投資先を探して他の商品、そして日本の株式に流入してくる。とくに日本の株式は、バブル前夜、ニューヨークが2500ドルだったときに、確か日本は2万5000円だった。その後、ニューヨークは1万ドルを越えた。日本の株式はその後、7000円台まで下がった。日本は約3分の一となり、アメリカは5倍まで伸びた。その差、15分の1である。何がどうあろうとも日米の株式の価格差が15倍もことなるのはおかしい。日本の株は欧米にくらべてあまりに安いレベルに今もある。資源で儲けた投資資金が、日本の株にながれないわけはない。今後もこの流れは続く。しかしここは官僚王国。これまでの既得権益が、あたらしい潮流によって力を失うことがとにかく恐い。ホリエモン事件、村上ファンド問題、日銀総裁の問題、と、立て続けに問題視し、国民の羨望と妬みをたくみに利用して相場を崩した。このまま資源相場が隆盛していくと、背景にこうした大きな流れが見え隠れしていて、本気で恐れたのと、とにかく国債を守ることが、彼らの前提だからである。せっかくのチャンスを彼らはあえてつぶしたと、私は見ている。とはいえ、人為的におさまるような小さな流れではない。地球の半数の人間が、豊かさを求めて、爆発しはじめているのだ。資源相場が盛り上がるのはまだこれからである。日本は一見、またもとの流れに戻ったようで、何事もないかのような問題意識だが、だまされないこと。この流れはもう変えられない。先進国がリードする経済ではなくて、実物経済、資源相場の時代が訪れる。大きな流れに乗ることで、私のような貧乏人にも小さな夢が出てくことになる。一番安全なのは国債、などと、なぜ本気でエコノミストがいうのか、私にはわからない。金の万人の日銀総裁の資産構成に、そのことがはっきりとあらわれている。しかし、次年度から日銀総裁の資産が公表されることになるらしいが、おそらく、国債の占める割合が劇的に増えているだろう。子供だましは止めて欲しい、まったく。写真は夏の私の昼寝場所。