2001年12月29日(土)晴れ
美しい満月です。冬の月は本当にきれい。私の暮らす山では、上弦の月を過ぎると、あたりは月明かりではっきりと影が映ります。夜中にトイレに起きるとき、まどから青い月光が降り注ぎ、部屋の中は不思議な世界となります。それだけで田舎に住む理由になるほど幻想的な世界。夜の世界と、昼の世界は、かくも違うものかと、月明かりの晩はいつも感じます。私は精神的な話が好きですが、その一方でお金や野心に関したことも大好き。これまでに、精神的な世界にどっぷりつかって、お金なんか、的態度をとる人から本当に苦労させられたことが多いです。お金にしか関心がない人もつまらないですが、反対に、精神的なことしか関心がないように振舞う人に、どうもまともな人を見たことがありません。もちろん、人はみんないいのですが、やはり弱い気がします。一時流行したニューエイジ的な人には、本当にいい人もいますが、弱い人が多いですね。私も弱い人間なので、社会的欲求がある程度満たされなくては、どうしてもイヤなんです。自分では勝手に、太陽と月、昼と夜とに、位置ずけてそのことを考えます。要するに、現世的な生き方が、昼、精神的な生き方が夜、という感じです。お金や地位や出世を強く願うので、反対の極にあたる精神性が楽しいという感じ。極と極との幅がどんどん広がることが楽しいのです。もし一方に偏ったとしたら私は自分の純粋性を保つ自信はありません。昼動かずして、夜を楽しめはしないということです。美しい月は、昼の精一杯の活動の極にあるから美しいわけで、もしも昼を嫌い、夜にのみ美を見出そうとしたら、月明かりは、きっと不気味なものになっていくことでしょう。