ここまで来たら、揺れ戻し
かなりひどい状況になっています。今の時代、今の社会を見て、何も感じない方はそう多くはないと思います。勝ち組を自称されるような立場の方でも、仕事が忙しすぎるとか、体調が心配であるとか、それなり不安がありはしないでしょうか。まして一般の私たちには、先がみえない、出費一方で貯金がたまらないという不安。さらに言えば、将来どころか日々を送るのが精一杯という人も多いのです。
今、色々なものが大きな転換点に立っています。日本でもっとも大きな企業はトヨタですが、そのトヨタの社長が、終身雇用はもう守れない、、、という発表。日本一の大企業トヨタについて考えてみましょう。一体、トヨタに何が起こっているのか。
利益はこれまでで最高という具合ですから、儲かっていないわけではなく極めて商売順調なトヨタ。しかし、先を見越すと、うかうかしていられない極めて深刻な状況が垣間見えてくるのです。
自動車が変わる、自動車文明が変わる転換点に今、私たちは立っています。具体的に言うと、自動車は今後自動運転の方向に進むでしょう。自動運転になると自動車は所有物というよりも利用物としての性格を帯びるようになります。そうなれば、車庫もいらない、台数もそう多くはいらなくなります。なぜなら、車が利用物になれば、現在は知っている車の10分の1の台数があれば十分になるからです。
通常、車は所有の10分の1が、実際に稼働していると言われます。利用経済が本格化すれば、車の台数もそれで済むわけです。私は20年前から所有から利用へ時代が大きく変わると語ってきましたが、まさにそれが見えてきたわけです。車も家もそうなることでしょう。
車が自動運転になれば、電車などに乗るのと同じ感覚になりますので、利用価値が増大し、マイ電車が欲しいと私たちが思わないように、車に対する所有欲自体も薄れていくでしょう。
どの自動車メーカーも次に来る自動運転にシフトし始めています。自動車自体もエンジン車から電気自動車に変わるスピードが急速化しており、これまでのエンジン車を作ってきた巨大な工場や生産体系が大きく変わることになります。
電気自動車はエンジン自動車に比べて部品の総数が著しく少なく、どこでも誰でも簡単に作れます。小さな町工場が電気自動車工場に早変わりするのは、比較的簡単にできるのです。
トヨタに話しを戻しますと、こうした未来を読んでいけば、方針の変換に伴い、リストラや工場の縮小が今後の方向にならざるを得ません。終身雇用についての発言はこうした流れの一貫でもあります。またトヨタや大企業につながる中小企業群、町工場との関係もいずれ断ち切られることでしょう。これまでにも町工場などは大企業の冷たいコストダウン要請の前で、非常に苦しんできました。仕事打ち切りともなれば、誰がもう親方企業に遠慮することなどあるか、、、と、自分らで簡単にできる電気自動車を作った方が面白い、、、ということになっていくでしょう。
形勢逆転は本当に短期間で簡単に起こる時があるのです。私はこれまでいじめられっぱなしだった小企業や町工場が、実質的に大企業よりも立場が上にくる時代がやってくると思います。
冷たかった人達や冷たかった政治、冷たかった企業は、こうして衰退していくことになるのです。時代原理が変わるからです。日本の政権はこのことをまだ本当には理解していません。時代錯誤のやり方にこだわりますが、それは自分らの利益しか目に入っていないためです。なので、今でも民衆をいじめます。自分らの利益を守るために。本当なら、今やるべきことは、民衆を助け、貧困にあえぐ層と一般大衆層に優しい政策を施すことなのに。それが分かっていないのです。分かろうとしないのです。
なのでダメになると思います。トヨタはその点はもちろん分かっているでしょうが、あまりに図体が大きすぎて、電気自動車と車利用時代にシフトを切り替えることはできないと思うのです。生き残る方法は分化して1000社ほどに分ける以外にない気がします。しかしそれにしても、すでに町工場はそうした体制にあるわけですので、彼らに勝つことはそれでもできないでしょう。
時代が変わるとき本当に劇的なことが起こります。自動車が自動運転、利用する車に変わっていくという前提の話しとなりましたが、実はそれさえも、本当かどうかはわかりません。自動運転よりももっと簡単で楽な運輸方法がおそらくあるはずです。
人体を例に輸送を考えると、道は血管になります。血管の中には小さな赤血球や白血球など、小さな物質が流れていると思って良いでしょう。
これを交通機関になぞらえれて考えれば、道はチューブとなり、そこにパチンコ玉のような小さな車を流せば、東京から北海道までおそらく数分で行けるぐらいのことはできると思います。パチンコ玉はどんなにぶつかり合っても傷がつかないように、チューブ道を走るパチンコカーも無傷です。外がどんな状況になってもショックを吸収し、上下が安定するカプセル二重構造にすれば、まったく揺れることもなく、数分で札幌です。しかも停滞なし、整備さえ進めば、ドアツウドアです。
このアイデアは今から15年ほど前にトヨタが未来の自動車という論文を募集した際に原稿用紙にたった二枚でしたが、提案したものです。佳作になって5万円をもらった記憶があります。式に呼ばれるようなこともなかったので、おそらく本社とは違う、どこかの部門が行ったものだったのかもしれませんが、本当に
そういう車が出現しないとも限りません。
電気自動車がこれからの車、、、今の時点ではそうかもしれませんが、おそらくもっと違ったものに、あっという間になっていくでしょう。車も企業も政治もすべてが変わる時を迎えています。その根幹にあるのは、命重視の変革にならざるを得ないのです。
これまでは逆の政策でした。命を削らせ、人々の健康を奪い、不安に落とし入れ、羨望を掻き立てる、、、そうした不安と羨望、嫉妬によって、消費活動や医療活動を維持して来たのがこれまでの歴史でした。そしてそれがいくところまで行き、ついに行き詰ったのですから、大きく揺れ戻し、今度は命を重視する方向での経済や、すべての活動になっていく以外にありません。
そうなれば、上に立つ人も変わり、やり方も変わり、価値観も変わり、生き方も変わります。
これまでの不幸本位制は本当にひどいものでした。どうすれば人が健康になり、健康長寿を達成できるのかなど、すでにわかっているはずなのです。しかし、それだと企業経営は儲からない。不幸本位で病人が多い方が儲かる、、、多少命を長らえさせてその分金を使わせる、、、不安に落とし入れられた人は、そうならないようにと、健康器具や保険など防衛のためにお金を使う、、、、高い買い物である家を買わせれば、一生を経済の奴隷にすることができる、、、学歴がないと上に行けないシステムを作れば、誰もが大学に行こうとして教育はビッグビジネスになる、、、、医者や製薬会社は病人が多い方が当然儲かる、、、本音では健康にさせたくない、、、効かない薬なら飲ませても安心、、、効く薬や健康維持の本当の方法が知れ渡ると困る、、、、
こうしたことが事実とは思いませんが、実際に行われていることは事実ではないでしょうか。科学が発展しても医学が発展しても、病人は減らない。働いても働いても一向に楽にならない、、、そうなるようにわざとやっているとしか思えない。
なので、大企業はこれから潰れていくことになるのです。今すぐ、不幸本位制から抜けて、人を幸福に健康にすることで儲かるシステムに変更した企業は大発展するでしょう。
こんな大逆転の大きな変化はめったに見れないものです。私たちは不幸な時代に生まれてもいますが、こんなに可能性のある豊かな方向転換に立ち会える、稀有な時代に生まれ落ち、共に生きている仲間同士でもあるのです。
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