結果に力なし、原因に力あり

人は結果を恐れます。しかし結果をもたらす原因がそこにはあったはずで、結果は原因が招いた最後の姿。

そこに力はもうないのです。原因の積み重ねには、ただ、けっこう時間がかかります。そこにタイムラグがあるため、悪事が一時的に栄えたりするのはよくあることです。

一時的どころか、新たな原因をずっと積み重ねていけば、悪事は不幸な出来事を小出しにしながら永らえることができます。

おそらく、因果律を恐れた悪人は、あえて悪事を働いて天の様子をうかがったと思われます。

しかし、天は人をだましても、殺しても、嘘をついても、決して罰しないという確証をどこかで得たのでしょう。

以来、嘘でも卑怯なことでも残酷なことでも、やった方が勝ち、、、という態度を身につけていき、我れ良しの世界が出来上がっていきました。

だましの世界と言ってもいいかもしれませんが、それは知優先の世界となります。

しかし、知は必ず、悪に行きつくと言われます。狭い範囲での正は必ずしも全体にとっての正になることはありません。そこで知のみに偏ると、知は全体にとっては悪に行きつくことになるのです。

現在の日本も世界も、一番力を持っている人は、表向きは正と判断され、法律によって守られています。しかしその法律が一部の利益に通じるものであって、全体の益を無視する形になっているため、多くの人が苦しんでいるわけです。

知には自分を顧みる力は極端にありませんから、こうした構図をどこまでも推し進めることになるでしょう。そして多少なりとも広い応用性が求められる事柄の前では、知はたちどころに弱点を表し、容易にだましの世界に入っていくことになります。

911の出来事を物理的に解明すれば、あれが内部爆発以外にあり得ないことが誰にでもわかるはずで、すでに知は悪ないし、狂気へと進んでしまったのが現代の特徴なのです。

飛行機がぶつかったために、ビル全体がパウダー化して崩れることを説明できる物理学は存在しません。

いま、私たちは劇画の世界にいるということもできるでしょう。911が劇画的手法なら、ボストンマラソン事件も劇画、、、知の行き着く先が見えてきたようです。

こうした事件や出来事は私たちに恐怖を抱かせるでしょうが、その原因を探れば、知がすでに悪と化し、狂気に行きついた最後の症状であることが理解できます。

個々の生活が苦しくなりつつある中で、その証拠に国内総生産も恐るべきスピードでマイナス化しつつあります。その上、また消費税をアップするというのは、本来ならばありえません。しかし、そのあり得ないことを起こすためには、よほどの無理をしなければならず、そのしわ寄せは必ず、施工者に舞い戻ります。

なぜそのような無茶をするのでしょう。知が悪と化したのが第一の原因ですが、どんなに大勢を犠牲にしてでも自分らの利益を守る、、、という死にもの狂いの欲がその本態なのかもしれません。

それは自分らの無知を刺激しますし、盗まねば自分らは生きていけないという原因の失望を深めます。近代が神経症の時代原理によって統治されているからというのが、私の考えですが、確かに神経症的自尊心と神経症的恐怖が時代原理の中心にあると思われます。

神経症的自尊心とは、自分らだけが豊かになっているだけではいけないのです。他の人が貧しくて、自分らだけが豊かでなければならない、、、という心理になります。

時代が進むことで、現代は誰もが豊かになりつつありました。とくに日本においては、バブルの崩壊を演出されなければ、、、また、為替レートによる損失の演出、さらに地震と原発被害がなければ、相当豊かな国になっていたことは間違いありません。

しかし、それだと、官僚などは面白くなかったのかもしれませんね。差がなくなってしまう。むしろ一般人が豊かになることをとうてい許せない、、、優秀な自分らよりも豊かになどさせるものか、、、との思いが、神経症的自尊心には必ず出てきます。

世界からしてみても、日本人という存在が、神経症的自尊心を著しく刺激するというのもうなずけます。

しかし、知は結果物を横取りすることですから、そこには創造性はありません。そのことを知っている力は、創造の原因つぶしに一生懸命になるでしょうが、原因をつぶせばやがて訪れる結果は貧しいものになってしまいます。

実際に良き原因つぶしを戦後いろいろな形で行っており、機械生産のような人間金太郎飴化にかなり成功しました。そのおかげで、日本は確かに力を失って来ています。みな同じ感性、同じような思考力の並列社会となり、力を失っているのですが、日本人劣化政策は物量的には確かに成功しました。

しかし、そうはいっても、多くの人が、何かおかしいと感じだしている現実があります。要するに、魂はそんなに簡単には金太郎飴化はできないのです。そこには、日本語が存在するためです。

日本語は母音を絡ませて存在してますので、イノチと直結する構造を持っています。本当に日本を乗っ取るためには、ですから日本語を禁止する以外に方法はないと思います。そんなことをしたら、すぐにばれてしまうでしょうが。

日本語でなくてももちろんイノチと直結する音はたくさんあります。音のみが思考を介さずにリアルとつながりますので、音を通さないで人間を根底から変革することは不可能です。

そのうち、母音は赤ちゃんが各ランゲージをしゃべる前に共通して話していた言語であり、脳のもっとも中枢に存在する情報として人間に与えられます。

そこから来る母音情報は風の音や海の音と同じく、地球生命体の言語といえます。これを壊すことは、神経症的欲求では無理なのです。ですので、地球はここまで結果を出した以上、原因に戻るしかなく、それは神経症の克服時代に入ることを告げています。

その基本は母音発生にあるといえます。多くの宗教の奥義は発声にありますが、だいたいは母音トーニングではないでしょうか。

どんな人も赤ちゃん時代に覚えた、最初の母音情報を消去することなどできませんし、神経症からの脱皮自体、それによらねば治せないはずです。

なので、母音を壊すことは不可能であり、行き詰った時代の逆転現象はここから起こらざるを得ません。

原因に生きるとは、音による思考、意識を拡大させることによって、広がりをみせるはずです。