続 金星意識
先日の金星意識についてご質問が多かったので今回は続金星意識とさせていただきます。
占星術的な話しなので、関心がない方はスルーしてください。ただ、心理面ともかかわりますので、その面に関心がある人は読んでくださったら嬉しいです。
金星は美と調和を表す星です。美と調和は、基本的に自分と異なるものとの関係となります。何かと自分が調和するには、自分以外の存在が必要になりますので、わかりやすいと思います。
自分ひとりでは調和という概念は出てきません。そのため、占星術では、美と調和の金星が支配する星座としててんびん座を第七番目としました。
てんびん座はおひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、そして七番目として、てんびん座が来るわけです。
一番目から6番目までの星座は、個人的な世界と直接関係する星座で、七番目の星座からは、自分と外界との関係、すなわち社会的関係がメインとなります。その第一番目がてんびん座なのです。
人は成長していく中で、自分の周辺の事柄から、だんだんと対外的な、社会的な関係を持つようになります。このプロセスには大きな段差があり、大勢の人はここでつまずきます。
社会的な関係を無事に通過し、そこで成長を遂げるためには、第七番目の星座と関係する事柄を取り込まなくてはならないのです。
それは、本来の自分にはないものと規定されています。七番目とは、自分にないものを外から借用なり、持ってきてかろうじて取り繕うところから始める必要があるのです。
社会性を身に着けるとはまさにこのことを意味します。新入生ははじめは先輩や会社の方針にしたがい、それに必要な要素を外界から取り込むことから始めます。
なぜ、新しい制服が必要なのか、なぜ、新規にスーツを作り、腕時計を新調し、敬語を覚えるのでしょうか。
それはこれまでと違う社会に自分を出すために必要な要素だからです。
本来の自分だけでは通せない、、、そこには違和感と頼りなさ、勝手の違いがあったと思います。
社会性を身に着けるとは、こうした違和感に固執せず、自分を飾り、表明して、ルールの世界に飛び込むことなのです。
なぜ、そんな苦しい作業が必要かというと、特定の異性との永遠性のある関係を結ぶためにそうしたことが必要となるからです。
たとえば結婚は、本来の自分のやり方だけでは通用しない世界であり、人が結婚や社会に出るということは、本来の自分流のやり方はとりあえず抑え、かわりに自分にないものをむしろ持ってくる、、、まねてみる、、、ということから始まるのです。
しかし自分に固執している人にはそれがなかなかできません。社会生活に対する苦手意識が強い人、もしくは結婚生活に難がある人は、自分にないものをまねたり、真似してでもとりあえず振る舞おうとする態度が不足していることになります。
それは金星意識の傷が原因となっているのです。
金星意識は異性を意識しだすことから芽生えてきます。それは若者同士の間で繰り広げられる、一種の異性獲得の競争でもあります。
この競争は自分以外の者との調和が目的ですから、金星意識は自分にないものへ、エネルギーを注ぐ形を取ります。
思春期になると、外界への関心が高まり、あれが欲しい、あれを作りたい、ああしたい、これをやりたい、、という欲求が急速に高まるのは、外界を取り込みたい、、、すなわち、自分以外のものに目を向けたくなるわけで、その分、家にはいたくなくなったり、家族への関心が急速に薄れてきます。
しかし、外界の取り入れに失敗すると、人は通過してきたところの幼少の月の意識に縋り付きます。
月意識は自分を守る最後の砦となっていますので、金星の傷つきは月による自己防衛を起こさせるのです。
思春期で外界に関心が広がり、趣味へ本格的な関心を持つ時代であるにも関わらず、家に戻りたい、家族が一番、母とべったり、、、という形で金星意識を遠ざけることで自己防衛する人も多くなるわけです。
それは遠回しに言うなら、異性を獲得することへの恐怖と弱気、弁解です。金星意識は必ず、外界への働きかけとなりますから、能動性を備えています。
具体的な能動性が欠如した場合、金星意識は育ちません。先日のブログで、赤いリボンを髪につける、、、ということで金星意識のお披露目の出発を語りましたが、能動的になれない場合、人は赤いリボンを髪につけることを恐れるのです。
それをするのは、月の内気さであり、母の干渉がベースにあります。個の金星意識に敵対するのは、母であり、姉妹であり、同性なのです。
何、お前のそのおしゃれ、、、何かおかしい、、、という姉の言葉は実は本心ではなくて、姉の金星競争心であることを知れば、私たちは同性の干渉を避けていくことができます。
しかし、月意識の強い人は、すぐに自分を引っ込めてしまいます。
悪く言われたくない、、リボンをつけているところを見られたくない、、、
本当にかわいいものだとおもいますが、そうした小さな、女としての目いっぱいで行った外界の取り込みを邪魔し、傷ついた金星意識の復讐を行う存在がまた、女性(同性)でもあるのです。母である場合も多いのです。
ひそかに思い切って買ってきたかわいいスカートを、姉がけなす、、母が笑う、、、そうやって金星意識をひっこめてしまい、月に戻ってしまった女性が多いと思うのです。
しかし、それは私たちが間違っていたわけではなく、傷ついている女性の無意識の、復讐の対象にされてしまっただけなのです。なので、私たちはそれに負けてはいけません。
金星意識がきちんと育っている人は、誰かが思い切って、赤いリボンを髪につけて人前に出てきたとき、「わーっ、○○ちゃん、カワイイ!」と、ちゃんと育てる発言に終始するのです。それは金星意識が復讐心なく育っている証拠です。
金星意識が復讐心なくそだっていれば、外界の取り込みはスムースに行われますから、個々での恋愛上での問題はあるかもしれませんが、異性そのものの取り込み、すなわち、深い関係性は保持できる人となるのです。
ないものを取り入れるから調和がスタートします。私たちの社会性は、本当に小さな、真似事から始まるのですが、やる方にしてみれば、そこには、生きるか死ぬかの大きな決断がかかっているのです。
その儀式をちゃんと終えられたかどうか、、、
赤いリボンをカワイイと迎えてくれた人が周囲にいれば、それは簡単だったのでしょうが、金星意識が傷ついた人たちに囲まれていたなら、おそらく挫折することが多かったわけで、その結果、自分の傷ついた金星意識を無視し、月意識に閉じこもったまま、大人になった後も生きている女性がいます。
金星意識の取り込みの原則を理解することで、もう一度、赤いリボンからやり直せば、大丈夫です。その際には、やさしく成長した女性がそばにいると楽でしょう。
人前に出るとき、「せめて、口紅くらいつけろ」と怒る男性がいます。それはたしなみや見かけの重要性を言っているのではなく、金星意識が人をなだめ、やさしくし、自分とも調和する気持ちを向けてくれていると、そう感じられるからなのです。
いっしょに出歩く際に、口紅ひとつつけないで、、、の男性の言い分は、要するに、「君は僕と調和したくないんだね」に思えてしまうからなのです。
傷ついた金星意識を修復し、幼稚でもいいので、カワイイと思われる金星意識を表明することによって、実は女性は男性との末永い協力関係を築けるのです。
男性ももちろん同じです。わかりやすいので女性を例にして話しを進めただけです。男性にも年頃になればおしゃれ意識が出て、異性獲得の競争が始まるのですから。
その際に、5万円のスーツが1万円のスーツに勝てるとは限りません。大事なことは、特別にデートのために、スーツを無理してでも購入したその姿勢が金星意識の表明であるという点なのです。
思わぬ偶然が重なって、初のデートに、、、、
その後、会った彼女の口には、これまでなかった口紅が、、、
そして男性は彼女の思いを知り、その関係を深めたくなるのです。
その際に、口紅が似合っていたか、どうかは、本当は大した問題ではなかったのです。
金星意識を取り込もうとしていることが、自分を受け入れようとしてくれていると、男性は感じたのです。
しかし、口紅をつけてもうまく運ばなかった恋もきっと多かったことでしょう。
女性は悩みます。そして自分の安口紅とは違う、ちゃんとした化粧品できれいにしている女性が恋人を得たとすれば、私たちはつい、自分の金星意識を簡単に捨ててしまうかもしれません、、、、
そんな苦い思い出は誰にでもきっとあると思うのです。そこらへんを一度、思い出して、不要な悩みやこだわりを捨ててしまうと、恋愛や性の問題はかなり楽にとらえられるようになっていくと思います。
難しそうな顔をして不正を行う政治家も、何だか偉そうに振る舞う企業家も、どこそかの知事も、結局は金星意識が傷ついてそのままいっちゃったのね、、、の感が伝わってくるものです。