立春から春分へ

立春と同時に海王星がうお座に入る。占星術上の約束で、発見されるまではその星の影響は潜在的にしか現れない。

 これは本当で、天王星が発見された同時期には、それまでの歴史ではありえないような事柄が立て続けに起きた。たとえば、革命、、、電気、、、地動説など。これらの考えは、これまでの土星を限界とする占星術体系からは捕えられない事柄であった。

世界も教会を中心にして、ゆるぎない世界観を形成しており、その考えが覆ることなど夢にも思っていなかった。
 
 物理の法則も目に見えるものの集合でしかなく、目に見えないものがこの世に存在するという考えはなかった。
 
 しかし、そこに地動説が説得力を持って現れ、革命というこれまでの教会や王権が中心となる権力構造を脅かす事態が生じ、
 
 電気という目には見えないが確かな力を発見する。

こうした事柄を説明する占星術の星はなかった。しかし、こうした事象に対応するようにして、天王星が発見されるのである。

そして、革命、電気、予想不可能な出来事などは、天王星という星が背負うことになっていく。肉眼の目では見えない世界が、天王星発見によって開けてくることになったわけだ。

次に発見されたのは、海王星である。海王星が発見された時代は、天王星以降急速に発展した機械化、合理化、オートメ化、まだ幼稚とは言え、個人としての意識の存在が発展する。

それに従って、これまでとは異なる心の中の世界観が人間の中に出てくる。

 工場で働く女工さんの中に、これまでと異なるむなしさ、、、犠牲でしか果たせない労務のつらさ、、合理化の裏で犠牲にされていく人間心理、、、そして時代をいち早く捕える天才たちは、人間性が疎外されていく新たな時代を絵画や文章で表現する。

 そうした者たちの中に、実際に目に見える世界ではなく、それよりも心の中にある心象が世界を形成しているのではないか、、、という直感が芽生えてくる。

印象派などもそうした一派のひとつであっただろう。目に見える世界と個が持つ心の世界、、そこに現れたのが、フロイトであった。人は無意識によって支配されている、、、、主にリビドーという強い性的なエネルギーが無意識の中で人を動かし、運命と呼ばれるようなものさえ作り上げていく、、、という、新たな人間観が出てくる。

これらの新たな認識は発見された海王星と結び付けられて理解されるようになっていく。

次に発見されたのは、冥王星であった。目に見えないが確かに存在する三つめの、もっとも遠くにある惑星として発見される。

それは比較的最近であり、わずか80年ほど前のことだ。この時、科学は進歩し、ついに核をつくるに及ぶ。その破壊力のすさまじさは、広島と長崎の実験とも思える残虐性によって実証され、それを遂行したアメリカの御威光としてその後の世界支配構造を構築した。

 このように、冥王星は、核、そして絶対的な力、そしてこの世的な支配力という、大きな権威的な力を暗示する星となっていく。

 ただ、この星はアメリカの学会の上によって、無理やり惑星に祭り上げられたが、近年、あまりに小さい、、、ということを根拠に、小惑星に格下げされる。私はそのことを重視し、これでアメリカの力は急速に衰えること、さらに、核の脅威が民間レベルにまで落ちてくるという未来をただひとり述べたが、確かにアメリカは以降衰退を始め、民間レベルでの核問題は福島の悲劇によってからくも実証されてしまった。

 福島は大変な悲劇であるが、逆に言うと、これは人間の手によって克服できる問題との位置づけとなるはずだ。また、そうしなければならない。

ざっと見てきて、このように、惑星発見と時代とは見事にリンクしている。土星以降のトランスサタニアンと言われる惑星の運行は、これからの時代を読み解く重大なカギともなる。

そのひとつ、海王星が本来のうお座にもどってくる。戻るというか、発見後初めて、ホームグランドの土を踏むことになるわけだ。

このことについては、何度か書くこととなると思うので、本日はごく一部にとどめたい。

海王星うお座インの中心的テーマは、インチキな科学性、、、インチキな宗教性、、、インチキな人間性、、、インチキな政治、、、という末法の時代に生きる我々が、心の中にうるおいのある世界をつくり、それをいとおしむ生き方を、自動的に、時代防御的に作り出すメカニズムが急速に無意識的に働きだすことを示す。

外部を取り巻く無慈悲とインチキに対応するかのように、私たちは犯されることのない、心の中のロマンに気づいていく。それは単なる幻想ではなく、宇宙のリズムとつながる入り口になっていくところが、これまでのインチキロマンとは異なる点なのだ。

これから急速に私たちは、外はウソにまみれていても、自分の心の中の世界はウソを入れない、、、また、誰にも犯されない心の世界の中に、本当のものとつながるポイントとパワーが眠っていたことに気づいていく。

外向きばかりで、自分の点数稼ぎ、、、自分の地位づくり、、、人気取り、、、、そうしたものが、急速に力を落としていく。政治もその一つであるし、宣伝もマスコミもそれらの中にある。

この動きは急速である。

立春から春分、、、心の中に描いたイメージが大きな存在となっていく。

写真の本は、sayaさんという私の友人というか、お世話になっている方がお出しになった星占いの本。

 これまでの星占いの本も素敵なものが多いですが、sayaさんの御本は、まさに海王星的な点がみごとでした。読み進むうちに、占星術の知識ではない、占星術のロマンの部分が心にしみこんでいく、、、

占星術は5000年の歴史を刻む人類文化ですから、含まれるエッセンスには無意識的なものが多く、それらは解説や説明からは伝わらない。ロマンとしてそうしたものが伝わって行く、、、、その意味で、どうしても海王星うお座イングレスと同時に御紹介したいと思っておりました。
「わたしという星になる 12星座のノート」saya
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