デマ情報

プルトニウムが出た、、、ということを一週間前に言ったとしたら、デマと言われただろう。政府も必死にデマに惑わされないで、と宣伝していた。しかし結果的に何がデマだったかは、皮肉なことになっている。3号炉がプルサーマルであることを正式にも言わないのは、悪質と言われても仕方ない。歴史の判断は今の政府や東電の対応を厳しく責めるものとなるだろう。結局は人間なのだ。どういう人間をリーダーとするか、どういう人間を責任ある立場に立たせるかで、人々の運命は決まってくる。そして最悪の人たちが上に立ったときに、悲劇が起こる。歴史とはそういうものだ。現在の事態が最悪どういうことになるのか、のシュミレーションをマスコミは一切伝えてこなかった。事実を見据えなくて案心もないわけだが、ここまで来た以上、もう腹をくくって、最悪の事態に対する対応はもちろん、最悪を見据えて対応する必要がある。では最悪はどんな事態か。原発で言うなら、3号炉がプルサーマルであり、その炉内で溶融が始まり、原子炉の底が抜け、マグマ化して地下のコンクリート根を溶かしながら進み、大地に入り、水脈に当たって大爆発。一トンを超えるプルトニウムが飛散する、、という事態だろう。その場合、どの程度の距離にプルトニウムが飛び散るのかのシュミレーションが必要になる。風向きの可能性も当然シュミレーションに入れる。そこで作られた地図を元に安全対策を立てなければならない。それにはまず現状がどこまで進んでいるかの正直な判断が何より大切になる。すでに底が抜けてコンクリートを溶かしだしている可能性はないのだろうか。原子炉が一部割れていたり、もれている、ということは認めているわけだが、底部が抜けている場合でも圧力はそんなに抜けないということはないか。圧力があるから原子炉は壊れていない、とは言えないのではないだろうか。
楽観的な推理はこの際、何の意味もなさない。最悪の場合、水脈にあたって水蒸気爆発を起こすまでどのくらいの時間がかかるのだろうか。そこらへんのシュミレーションも欲しい。
 たださすがにここまで来ると、管も廃炉を認めざるを得ない。日本においては、もう金輪際原発など国民が許すはずはない。これで日本のエネルギー政策が大転換することは日本人にとっては非常に大きな成果だ。エネルギーは個別な小さな装置から得られるのが理想で、どこから、大量のエネルギーが送られて来る方式はもう時代にあっていない。私は昔から電柱がなぜか嫌いだった。電柱があるうちは悪い時代だと、出口鬼三郎は言っていたが、私もそう思う。今回のおかげで電柱はなくなる時代が見えてきた。異様に大きくなった戦前の軍隊を無力化するために戦争が果たしたものは大きかったが、それと似たことが今起きている。悲劇であるには違いないが、日本のエネルギーが変化し、太陽やほかのものに変わっていくことは、産業を変え、経済を変え、生活を変え、人の意識を変える、実は非常に大きなことなのだ。東電の体質は私は昔から嫌いだったが、こうしたものに代表される事柄が日本から消えていく。それは日本人にとって大吉兆である。悪いことばかりではない。というかこれは超えていかなければならない山なのだ。きっとよい方法が見つかる。今のどうしようもないリーダーシップが逃げたあとは、きっとよい知恵が集まる。
 ただ海に広がった汚染がいずれ高濃度にまで発展したとしたら、北半球を汚染し、日本政府はこれまでに発表のうそがあったとわかった時点で、世界からの損害請求の対象にされる。もちろん日本人が支払うことになるのだが、けっこう大変なことかもしれない。場合によっては海外に日本支配を譲らざるを得ない事態だって推測される。そう考えると、もう日本はこれまでの日本を再生させるのではなく、新たな価値観、新たな方式による新しい日本を作らざるを得なくなる。ここに実は本当の可能性がある。明治から続いたこれまでの日本の体質を完全にお疲れ様、という形で追い出し、清い、誠実な、お互い様の新たな意識で新たな日本を築く。最大のチャンスが見えてきた。善意の結集、知恵の結集、面白い時代が必ずやってくる。
 今、仕事に不安を抱えている人は多いと思う。個人営業のお店などは、ほとんどどこもダメだと思う。小さな会社は収入の見込みがほとんど立たなくなるのではないだろうか。東日本の小企業が壊滅する可能性だってあるかもしれない。西日本にとってはビジネス的にチャンスになる可能性もあるが、東は大変だ。これをがまんし、助け合い、二重にも三重にもセーフティネットを構築し、なんとか乗り切ること。とりあえず乗り切ったら、なんとそこには思いもつかなかった可能性が見えていることだろう。それは歴史始まって以来の新たな地球未来のカギとなることだ。新しい世界と人類は壊された東日本から始まる可能性が高くなった。