やぎ座の冥王星

2024年まで冥王星はやぎ座にある。まだ10年以上と長い。冥王星は一応もっとも遠方にある惑星だから、地上や人間に与える影響がもっとも潜在的で根本的なこととなる。やぎ座はビジネスを表す星座であり、はじめ、やぎ座の冥王星はビジネスの勝利からスタートする。確かにその通り。世界的な大企業は銀行団をバックに国家以上の存在となった。それが文字通り具体的な形をあらわすのはこれからである。アメリカ、日本、ヨーロッパ、イギリス、、どの国も財政難によりパンク状態。銀行も最終的につぶれるのだろうが、デリバティブで得たプラスはどこかに隠し、マイナス分は国家に面倒を見させ、最後はつぶす。プラス分は企業強化に使い、世界的な企業は国家以上のものとなる。すでにほとんどそうなっているはず。となると、企業城下町ではないが、企業支配地球時代となる。企業城下町の話しはこれまでにも色々と聞いたことがある。ひとつの企業がその地域のほとんどの人を雇い、直接雇われてない場合でも何らかの形で関係している市や町がある。現在は知らないが、昔、浜松に公演会で行ったおり、当時グランドピアノ購入を考えていた私は、軽い気持ちで、ヤマハと河合と、どちらのグランドピアノがいいのかしら、、、と公演会後に酒席で尋ねた。すると近くにいた10人ぐらいの人の顔が瞬間的に曇り、何も言えないムードが広がった。理由がわからなかったが、あとでトイレで二人きりになった際、10人のうちの一人が教えてくれた。なんらかの関係者ばかりなので、どちらがいいとは言えない、、、と。企業城下町ならではのことである。その程度のことならまだいいかもしれないが、もっと悲惨だったのは、豊田市の話。やはりほとんどの人が豊田関係。日曜の遊びかたやすごし方まで、自由に決められないケースが多くなるという話しを聞いたことがある。やりたくもないスポーツを小学校時代から会社の上司がリーダーなのでやらざるを得ない、やらないと言うと親に叱られる、、、と。子供グループの活動にまで会社の上司が関係してくる、、、確かにそれじゃいやになると思う。ただその程度ならまだ、日本的で家庭的な形、、ともいえるかもしれないが、国家にすら勝った企業地球になったら、一体何が起こるか。これは考えただけでも恐ろしいものがある。企業家は、ことに最終的に勝利した企業家は、まず、人間的に温かいだろうか、冷たいだろうか。答えは一つ。極めて冷たい。だから騙し、すかし、なんでもありで勝ってきた。戦争だって起こす。利益追求のみが目標なので、人情や和などの価値はない。民衆はどう扱われるか。これも簡単。家畜。すでに日本の企業でも社員は家畜同様であり、契約社員は家畜ではないか、と考える人もいるくらいだが、そんな生易しいものではない。すでに実権は終わっている。どうやれば人を最大に管理し、従えることができるのか、、、ナチス、ソ連、北朝鮮において、こうした実権は終え、膨大な人間家畜化のノウハウは集積されている。資本主義と自由主義で富を増大させ、何回も羊狩りを行って莫大な富を築く。最終的に面倒なので大きな賭けをやらせて勝った部分は隠し、負けた部分だけは国に肩代わりさせて、最終的には国民に押し付ける。これでもう勝負あった。その後はもう、資本主義も民主主義もへったくれもない。残った人間は家畜にするのが一番もうかる。実はやぎ座の冥王星の目指す方向は最初はここからスタートする。やぎ座に冥王星が入ったのが2008年だが、確かにそこらへんからこの方向は始まっている。なんでも形になるまでには数年かかるだろうが、リーマンショック以降、本気で何かが変わってはいないだろうか。あのとき以来、数日ですべての店の売上が落ち、会社の業績も落ちた。考えてみればすごい衝撃だった。余裕のない個人はリーマン以降、どんどん落ちている。仕方なくすがった派遣社員の境遇の問題は、ご存知のごとくとなった。しかし日本ではまだよい方で、世界でも同時に同様のことが進んでいる。今回の中東も民意の形をとっていることは確かだが、この結果を横取りしようとする力がすでに働いているはず。王位や王権が持っていた石油や資源や財は、はたしてどこに移行していくのかを、よく見ておかなくてはならない。はたして、国民の富に還元されていくかどうか。資本主義と民主主義社会においては、マスコミ指導の統治策のノウハウの集積はすでに終えた。そして先進国においては、すでにこのやり方は見破られつつある。これからは中東など、まだ民主的なやり方の嘘を見抜けないところで使用するのが効果的。なので、中東の動乱のあと、民衆的な顔をしたやり方での大イスラム作りとなると思う。反対にこれまでの民主的な先進国においては、けっこう怖い統治法、すなわちナチス、ソ連、北朝鮮で集積した方法による統治がチェンジして行われる可能性がある。とくに借金で首のまわらないアメリカ国民はその運命から逃れられない可能性が高い。彼らは自衛の誇り高い国民でもあるだろうから、死を賭しての抵抗に出るだろうから、悲惨なことが起こるかもしれない。この争いは民衆と国家の争いではなく、本当は民衆と企業の争いである。軍隊はすべて傭兵。これも当然のこととして、アメリカの軍人はアメリカ人を殺せない。なので、国同士での兵隊交換。こうしたことは国家ではできず、企業マインドでしか行えない。企業城下町は国家以上に民衆に冷淡になれるということを忘れてはいけない。こうした動きと流れはいつまで続くかわからないが、冥王星は実は根底から覆す星でもある。はじめはうまくいくだろう企業城下町地球化は、あるところから制限され、ある時点から逆転の力学が働きだす。最後の2年ないし3年というところだと思うので、具体的に言うと2020年を過ぎたあたりからだろうか。まあ、これは私にはわからない。意外ともっと早いのかもしれない。いずれにせよ、冥王星がみずがめ座に入る2025年以降は地球城下町は消失している。しかし今からまだ10年は地球は企業家が勝った形で独占されていくのだろう。あまり考えたくもないことだが、可能性は高い。どんな企業城下町に住んでいる人でも、その企業と直接関係ない形で収入を得ている人もいることはいる。ラーメン屋さんをやっている人は、自分の町の企業を悪く言ったら商売はできないが、腹に隠していればそれなりには生きていけるように、直で組織につながらない生き方は、自由な面を多少は残せるかもしれない。さらに言えば、どんな企業城下町にいても、それ以外のところから収入を得ていれば、自分が住んでいる企業城下町からの圧政は受けないで済む。私は一人で暮らす人には、アパート代や食費をシェアしあう3万円生活を進めているわけだが、家族に対しては、家業の創造である。どこにも属すことなく、一家全員で自分の家の家業を持つことは、これからの時代を比較的自由に生きるひとつの有力な方法になると思う。父が働き、その働きに家族全員がおんぶする、、というのは、これからの時代は幻想に近くなる。むしろ、家業を作り、みんなが協力して家を支えることができたら、現代の問題の多くが解決されることにもつながる。父ひとりが月35万円の収入を上げることは、今では難しい。しかし人を雇わずに家族全員が力を合わせて家業を行えば、工夫次第でなんとかやっていけるかもしれない。すぐに家業で35万円を得ることは無理だとしても、10万円でも達成できればやる気やノウハウが蓄積されて未来につながる連帯感が出てくる。それまではみんなでバイトをしたり働きに出ることもあるだろうが、そちらを伸ばすのではなく、家業の方を伸ばすように努力していけば、やがてもう外で働かなくても大丈夫、という段階がやってくる。その時、不思議なことに家まで、家族まで、なんだか楽しくやっていけるようになっている。家族とは血がつながっている家族はもちろん、現代では血がつながっていない、考えや夢や価値感をともにする者通しでもまったく同じに考えてよい。広い意味での家業を起こす。会社を興して資本家が富を蓄積するやり方ではなく、家業を起こして、そこにいるすべての者が生きていける、、、という方向。地球城下町の過酷な未来に対抗するこうしたやり方は、必ず私たちを守ってくれる、ひとつの道となることだろう。頭のよい人は私が言うようなことよりももっともっと素晴らしいアイデアを持つと思うし、色々と実験してみればいい。日本ではこうした地球城下町とは異なる、色々な方法がきっと出てくると思う。