トヨタ危機

トヨタの社長が現在のトヨタの状況を、救世主を待つ状況と説明した。恥も外聞もない正直なメッセージで心打つものがある。さすがは創業者の魂を持っていることが伝わる。トヨタをダメにしたのは、創業者ではなく番頭格の人物である。奥田はとくにトヨタをダメにする路線を強行に歩んだ。低金利の罠を読めず、拡大投資路線を歩んでしまった。国際企業になったというおごりから、民意と遠ざかり、若者に見捨てられた。魅力的な車がつくれなくなった。私は10年ほど前からトヨタの車に乗ると気持ち悪いものを感じて不快だった。そのことは何度かこのhpでも語ったのでもう言わないが、トヨタはダメになると確信した。おそらくトヨタが壊滅的なところまで大変になると読んだのは、私が最初ではないだろうか。そんなことはどうでもいいが、それは時代読みの直観であった。問題は技術でもセンスでもなく、体質なのだ。あの奥田の体質に私は国を滅ぼす軍人と同じものを感じた。最後は創業者に投げてしまって逃げ出した。トヨタは新生GMにアメリカ市場を奪われ、賠償金を奪われ、追い出されることになるのだろう。創業者はもうトヨタの本質的な危機をよく理解していることが昨日の会見でわかったが、こうなると私はやはり気の毒に思う。トヨタのことをさんざん悪く言ってきたが、ここは踏ん張って再生を果たしてもらいたい。価値観、人生観、そこからの反省がなされているのだから、トヨタの再生はあるだろう。戦争特需のような形での再生を拒み、人間性の新たな理解による再生でないと、またいつか来た道になるだろう。このようなトヨタ的な変化がこれからいろいろな企業で起きてくる。再生の柱に創業者社長が就いたわけだが、それができるのは、確かに創業者的な力だろう。結局、目先の金儲けや知的損得に長けた人がよい時代をつくることなどこれまでも、またこれからも決してないのだ。最後は人間の魂が経済すらも動かしていく。