不用とされるアメリカ国民

これまでにも何度か言ったが、アメリカ国民に危機がせまっていると思う。ついに世銀総裁がドルだけが通貨じゃない、、、と言いだした。世界経済は誰もが承知のように、これまではアメリカ国民の借金づけにより莫大な消費を起こし、その需要に支えられる形で、どの国の経済も潤った面がある。
 しかしサブプライム以降、この構図が劇的にくずれ、アメリカ国民には借金をして物を買う余裕が突然なくなった。身の丈にあった暮らしをするしかなくなったのだが、それでもこれまでの負債が消えるわけではない。こうなってくると、大多数のお金をもたないアメリカ国民は突然のお荷物となる運命にある。情け容赦ない政策が実行された場合、アメリカ国民におそいかかる不孝は相当なものになると思う。その時が迫っている。
 ロンポール議員を中心に、現在、議会とFRBとが熾烈な争いを繰り広げているが、下院では反FRBが大勢を占め、本当に時代の変化を感じているが、上院ではまだわからない。おそらく上院ではロンポールのFRB情報開示案は通らないかもしれないが、先日、200万人デモがあったように、対立の抗争は極めて本質的なところに来た感がある。凄いことである。かねてから言うように、アメリカは大混乱の末に、古き良きアメリカ、大草原の家に戻っていけるか、もしくは、強制収容所列島になるかの、まさに境目にきている。天王山近しの雰囲気があるが、意外にこうした展開の進展には時間がかかるのだと思う。FRBの情報開示がどこまで進むかだが、進んだらおしまいなわけで、ついに議会と民衆は本当の本物の敵と対峙するクライマックスの絵が始まろうとしている。ただ、何であれ、アメリカ国民はこれからどうやって生きていくのか、、弱い部分から危機は迫りつつある。キリギリスの生き方を悪くいうことは簡単だが、同じ人類としての同朋の危機を、何としても救ってあげたいと祈る時である。