ついに都落ち

オフィスの引っ越し準備で超大変。ついに都落ちとなりますが、みなさん南房総においでの際にはぜひともお立ちよりください。あらかじめメールなどいただけたら大歓迎いたします。ヒルズの自宅&アトリエは山の奥の方でちょっと不便ですが、オフィスの方は駅前なので便利です。海へおいでの際にはぜひともいらしてください。
 物に取り囲まれた暮らしだったことが引っ越しのたびによくわかる。今度こそ思い切って整理するつもり。不要なものはとにかく捨てる、と決めましょう。引っ越し準備に疲れて近所を散歩したが、狛江の古民家に初めて行ってみた。土間と囲炉裏と内庭、外庭、ふたつの畳部屋。日本の家は何もおかないことが前提になった美。日本の古民家は本当に素晴らしい。そういうのを見ると、本当に現代人は騙されたな、、、と思う。不要なものをさんざん購入し、ついにはガラクタの中で暮らすはめに陥った。色々なものを作り、それを売ればそれによって大きな利益を上げる人は出てくるが、そのために現代人はワーカホリック寸前まで働き、時間的にも金銭的にも余裕はなくなり、疲れている。キッチン用品を先にしまったため、数日分のお茶などの用意として、湯呑2個、箸を一個、どんぶり1個、皿一枚、包丁1本、布巾とタオル一枚づつ。それだけを出しておいた。すると使用するたびに気持ちがよい。楽しい。それまでは幾多の皿の山の中から一枚を使い、幾多の湯呑の中から一個をとりだし、、、と、気づかぬ間に疲れていたことを知る。物をもたないシンプルな生活が人に与える影響はきっと思っている以上のものがあると思う。消費文明はガラクタを買わせるために人をワーカホリックまで働かせる、きわめて色気のないシステムであることがわかる。生まれ変わるとは、不要な物から自分自身が事由となり、自分に必要なものを自分の目で判断していけることがベースにあると思う。欲求をかきたてられて購入していく流れに、現代人はもう飽きが来ている。世界中から色々な物を買いあさっていたアメリカにはもう購買力はなくなったが、かえってアメリカ人はそれによって自由になれるかもしれない。経済は実は発展しない方が人は幸せになることを、早く本物の経済学者に唱えてもらいたい。