GM破たん以後
ついにというか計画通りというべきかGMが破綻。破綻計画をすすめた有力債権者にはたっぷり保険金がおりるのでこれで一安心だろう。だから株もあがっている。どこまでも一部上位者のための経済だったかがよくわかる。しかしこれは作られた手打ちであって、大変なのはこれから。双頭作戦が彼らの基本の戦術だ。今回はよい方のものをすべて先出し。景気先行きの楽観ムードを盛り上げて次はどこで落として売りで儲けるか、、、ということにすぎない。犠牲になるのは彼らの乗り物として捨てられるアメリカや国家である。すべての負債の部分を彼らはアメリカ国家に持たせることに成功。双頭作戦の儲けの部分は自分らで温存し、一方の負債の部分を国にもたせる。そして国が財政負担に耐え切れなくなった時に、助け手としてあらわれさらに自分らに有利なように国のシステムを変えていく。通貨発行権もこうして手に入れてきた。今回はそうした集大成としてアメリカ国家破産、解体、分裂まで視野に入ってくるファイナルシーンとなる流れ。GMの負債は16兆円は、おそらく桁がやがて違ってくるだろう。GMがここまでもっていたのはそれが自動車会社ではなく金融会社として機能していたからだ。ご存じのように問題の金融化商品の損金は会計制度のインチキ的猶予が与えられたことで今回の負債の表面には出ていない。実態を表にだしたら普通のアメリカ国民のたった一人でもGM国有化に賛成するものなどいなかったはず。実態を隠して政府はGMを一時国有化することになったのだろう。金融商品の負債は16兆円の中にはほとんど含まれていないだろう。地獄はこれからである。それまでお祭りムードを盛り上げ、大丈夫大丈夫、よかったよかったという乗りで保険金を受け取ってしまえば債権者はよいのだ。保険金とは破綻した際に受け取れるCDSである。CDS破たんはまだ今回の金融危機には当然織り込まれていない。なぜならAIGを国が救うことで市場には安心感がある。しかしそれは国家が救える範囲のものに限る。これからやってくる展開は政府が救ったはいいが、政府にもそうしたものを担保する何もない、、、ということがはっきりしてくる段階に入る。その前にお祭りモードを高め、あわよくば市場に人を誘い入れ、第二段の売りが準備されつつあるわけで、準備が整い次第、要するにしこたま売り玉をこしらえてから、今度は政府が大変だ、、、と騒ぎだす。何せマスコミも一体だからシナリオは完璧。資金も十分どころか、世界の金をほとんど奪ったのだから一時的な好況だって演出できる。そしてついに最終ステージが始まることになるのだろう。GM破たんはどんなにお祭り騒ぎでごまかしてもごまかしきれないから、これは最後のスイッチの一つとなる。まず、負債総額の決定に至ると、16兆円の桁が違ってくること。次にAIGにはそうした負債を支払う能力がないという段階。次に政府がAIGを放さざるを得ない、、、という段階。ここに至ってCDS崩壊が世界を襲う。それに戦争を絡めたり、天災を演出したり、ネット崩壊を演出したりと、おそらく色々あるのだと思う。そして世界はブロック化していく。半島の南北の境界をなぜ残したのか、、イスラエルの開国をなぜ支援したのか、、さらに世界中にある原発をなぜ作ったのか、、要するにいざというときに注目を集め、大きな危機を演出する切り札を近代国家を作った者たちは同時に用意した。行き詰ったときはそれを使えばいい。さらに彼らがいま自信満々なのは、ネット社会の普及と大いに関係する。いざとなったらネットを破壊すれば誰の責任でもなく金融も経済も御破算にすることができる。世界的に蔓延するウイルス騒ぎなどで、もう何十年にもわたってPR済み。ウイルスがネットを崩壊してもおかしくないことになるだろう。しかしそうなると次の絵は世界を強制収容所化していく以外になくなる。しかしそれは時代に逆行した形となるので、無理がある。となるとやはりアジアを支配できる形での次の発展段階に歴史は至ることになるのではないだろうか。いま、世界強制収容所化かアジア中心新世界体制かが、競いあっているということになるわけだ。その観点から見ていくと世の中に起きていることの意味と理由が見えてくると思う。私的には当然世界は後者の、アジアを中心とする新世界体制に移行していくと思うし、またそうなるのが自然と思う。しかしまだその形が決まっていない。中国が中心軸となるのか、日中なのか、それともアジア各国がゆるやかな連携を模索するのか、突然モンゴルなどが軸になっていくのか、インドネシア、マレーシア 台湾、オセアニアそして日本などの海上連合ができていくのか、、、まだまだこれからの話しだが、私は個人的には日本が中心になっていく時代がやはり自然と訪れると思っている。ただしそれは日本が世界平和だけを求め、そのために尽力し、負けて負けて負けて負け続けたあとのことである。国内ではずるい日本人からやさしい日本人が中心力となっていく変化が今後訪れる。阿部、福田、麻生、そして今度は鳩山か誰かはわからないが、この流れは批判をうけていたものの、昔に比べ、、、やさしい人が日本のリーダーになってきている。確かに安部、福田、麻生、鳩山には力は感じない。力量もない、リーダーシップもない。だからぼろくそに言われかねないが、いつの間にかやさしいタイプの人間しか上には立てなくなってきている。これは実は凄い進歩なのだ。知らないうちに日本は新たな時代のエッセンスを無意識に嗅ぎ取り出していると言えよう。