熱が上がりだしたアメリカ

アメリカの長期金利が現在4・6パーセントになっている。この期に及んでの長期金利上昇は結構あぶないことである。いや、本気で危ないのだ。経済が回転しているとき、また金融がうまくいっているときの金利上昇は通貨の値段とも言える価値があるが、今回の金利上昇は最終の上昇を伺わせるものがある。昨年秋の株価暴落時、資産の逃避先として選ばれたのがアメリカ国債であり、信じられないような国債バブルを形成した。そのこと自体、極めておかしなことではあったが、通貨の行先はそれ以外になかったので仕方なかったのかもしれないが、かなり政策的な誘導があったと思う。とにかく株がダメ、金融商品がダメ、という際に国債だけは守る、、というスタンスは機能した。しかしここにきて、最後の砦であるアメリカ長期国債の金利上昇は、アメリカ通貨に対する信用の急激な低下であり、最終現象ともいえる。金利の上昇は価格の低下となるが、すでに昨年末から25パーセント程度の価格低下となる。金利が15パーセントに至ると国債価格はゼロと同じになるわけで、こうした事態は歯止めが効かなくなると一夜にして起こりうる。もうそこまで行っているということである。権力ある者や独裁者の最後は大体高熱の熱病というケースが多い。藤原道長も平清盛もそうだった。ここに来てのアメリカ長期国債の金利上昇は死に至る病である。お金を刷ることはやめられない、、と言ってファイナンスしてくれる国は日本と中国しかない、、それもこのところどうだかわからなくなっている、、、日本と中国がよしんばお付き合いしたとしても、金利上昇を止められない、、、もう打つ手はないはずだ。一か八かの戦争という手もあるだろうが、それさえもう手遅れだと思う。おそらくアメリカが戦争を起こしたら、その時点で今回は金利が急上昇し、武器をかざしたままアメリカは死んでしまうかもしれない。昨日の党首討論を見ても、軍配は鳩山に上がっていると思う。麻生は私は悪い人だとは決して思わないが、あの態度は誤解される。しかも麻生にはやはり正論がなかった。国を運営する能力は自民党しかないに決まっている、、、というおごった考えが麻生には見える。しかしそれを言ったらおしまいだということがわかっていない。自民党に任せた結果、こんな状態になったのだから。自民党上層部はもう利口とはいえなくなっている。すでに機能していないのかもしれない。最後の死に至る病の熱が出てきたアメリカに追随する勢力は今の日本でも空中分解し出しているのかもしれない。今後アメリカが奇策をつかって再興するにしても、これまでのアメリカを運営してきた勢力とは異なる者たちだろうし、これまでの世界支配体制は機能していないと思う。ただ注意してほしいのは、では急激なドル安や、ドルの崩壊が起こるのか、、、という点。私はそうではないと思う。国債が暴落したら当然ドルはインフレにより紙屑となるが、その直前までは反対にドル高になる可能性があると思う。レバレッジで破綻した補てんのために天文学的なドルの需要があるのだから、ドルは必ようなのだ。火事を消すまでは。しかしインチキ決算のお許しを得たために、破綻した部分を闇に隠すことができた金融機関、企業は、手元に補てんする必要のないドルが余り、それをつかって一時的な投資に回し、株高やアメリカ経済回復の幻想的印象を与えたのがこの数か月。しかし隠したブラックボックスは大きすぎ、ほころびが出てくるたびにドルをつぎ込まなくては隠せない状況はずっと続く。ずっと続くがそれが大きすぎてわずか数か月でどこもかしこも、、、、という現実が隠せなくなっている。それが金利上昇と、ドル需要ひっ迫でドル高を生む。すべてが壊れるのは、そのあとのことで、まだドル高はあるはずだ。個人だって個人破産する直前までは返済し続けなくてはならないので、お金はいくらあっても足りず、高金利でも借りるだろう。破産前日までそうするはずだ。目安としては、長期金利が8パーセントまでは死に物狂いでごまかすだろうが、それ以上はもう無理だと思うので、8パーセントが見えてきた時点でアメリカはジエンドとならざるを得ないのではないか。それは一夜にしてやってくる。人も国もそれは同じ。突然熱が上がりだし、今夜が山です、、、となる。それがいつ来るかはわからないが、長期金利が6.5パーセントを超えたあたりから山に入り、8パーセントをつける前までのある日、あるときとなると思う。8を超えると8・1、、8・2、、、ということはなく、あっという間に崩壊する。私が心配しているのはやはり皆既日食である。7月22日の皆既日食はかに座の29度で起こる。実はその前の新月もかに座なのだ。新月は年に13回起こり、1星座のみで二回の新月となるが、それが今年はかに座となる。このかに座はマンダンアストロジーによるとアメリカを指す。アメリカを意味する星座で今年二回の新月が起こり、二回目が皆既日食となる。それも29度というクリティカルディグリーで、危険と思われる度数で起こる。皆既日食は占星術的には非常に重要な現象だ。月が太陽を隠すのだから、太陽の力が大きくそがれる。それでなくても、太陽は現在黒点が現れない状況が続いており、その力が弱っている。それはこれまで地上に君臨してきたボスの力が弱まり、転覆したり消失していくことを示す。かに座皆既日食はまさに支配者アメリカの退場を占星術的には意味している。これに先立ち、冥王星の格下げ問題が二年ほど前にあった。私はこれを重要なサインと読み、金融と核によって立つアメリカの衰退と意味づけた。その後正しくサブプライム問題が起こり、心配したとおりの結果となった。そして今回のかに座29度における皆既日食はとどめとなる力がある。アメリカが世界を支配する時代ははっきりと終えていくのだ。ただし奇策をつかった一時的な復権も可能性としてはあるが、ただそれもどうだろうか。あるとしたらこれまでかき集めたゴールドを使った新ドルの復権となるが、本当にアメリカにゴールドはまだあるのだろうか。すでにデルバンコ一族などにゴールドは売却されてしまっていて、アメリカの金庫にもスイスの金庫にももしかしたらIMFの金庫にももうゴールドはないのではないだろうか。あったとしたら、アメリカはとっくに金本位制に復帰してドルの復権を行っているはずだ。かに座29度の皆既日食が意味するものは、万策尽き果てた大国の没落を意味すると思わざるを得ない。時代はいやでも変わるだろう。