不思議な戦い
国や世界経済を動かすような力ある存在の上の方で歯列な争いが繰り広げられていることは、これまでにも語ってきた。要するに次に時代の原動力をどうするか、、、の争いである。米ソがあい争うように見せて世界を支配していた構図がくずれ、その次には、テロとの戦いという名目での支配となったが、それもあまりにずさんなやり方だったために10年ももたずにほころびが出てきて、やみくもに戦いの延長を求める上位と、そうではなく他の興隆してきた色々な国をからめた新たな世界構造に立脚しようとする上位で、戦いが繰り広げられている、、と考えればわかりやすくなる。日本の政治もその流れからもちろんはずれない。だからいつも揺れ動いている。あきらかに竹中、小泉ラインはテロとの戦いという旧一派との関連の上で力を得た人だから、彼らがどうなるかが一種のリトマス試験紙とするとわかりやすい。つい最近まで小泉は威張っていたようだがここに来て急速に逃げ腰ムード。上位も一進一退なのかしら。つい先週はオバマの飛行機が空軍によって撃墜されそうになるなど、ドラマ以上のスリリングで劇的な状況だと思う。豚インフル時期とも一致してたし。昨日発表されたストレステスト。なんだか中年のおじさんの健康チェックみたいだが、銀行の体力や状態のチェックらしい。バンカメは3兆円以上の資本投下が必要で、10行合わせて17兆円を投下しなければならないとか。もちろん控えめな数字である。これで3月の決算がいかにインチキななんでもありだったかがわかるが、しかし表面上は波風をたてずにうまくやっている。一行もつぶさずに、足りないお金は政府がすべて出す。政府にももちろんお金はないが、印刷して出す。要するにインフレでチャラにする舵取りに変ったと以前から語った通りになっている。本気でインフレ策を取り始めた。先の決算では、値がつかないような不良債権は時価ではなくて買った時の値段でもいい、、、そのほか、隠しているマイナスも出さなくていい、、という許可が出たのだから、どんなところでも大丈夫。しかもお金は政府が無尽蔵に貸してくれる、、、というか命令である。その金を損失に補てんしてたらいくらあっても足りないのだが、損失を隠していい上に政府からはお金が来る。となると市場にまた出すしかない。要するに、損失にふたをして、無尽蔵に刷りまくったドルや円で再びバブルをつくれ、、、という命令が出たのと同じなのだ。だからこれがうまくいけば、しばらくは株価も上昇するかもしれない。しかしそれでも無理だとは思うが。とにかく金を無尽蔵に貸し出して、その金は借金返済に使うな、、、と政府が命令しているのだから、金融機関はそれに従う。経済が正常な場合は資産インフレで収まるだろうが、今の状況では通貨のインチキ性自体に問題が進むことはさけられなくなるので、ハイパーインフレの可能性が出てくる。5月に入って急速にこうした傾向がでてきたのも不思議だが、まさに木星と海王星の合が示す通貨膨張そのものを地で行きはじめている。ここまではそうした政策が本当にうまくいっているように一見見える。しかしこうした異常を感知して変化を見せているものが一つだけある。アメリカ国債の金利の上昇だ。知らぬまに10年物で3パーセント、30年物で4パーセントを大きく超えだした。金利とは、通貨の熱そのもの。この通貨を持つ以上、これだけは金利がつかなくては持てない、、、という数字が金利。安定期では通貨の価値ともなるが、異常事態が隠されて上での金利上昇はそく通貨の危険度を表わす。すべてがうまくいくように見せて、結局はだまされないのが金利。通貨膨張策しか打つ手はないのだから、金利は上昇しインフレは避けられない。気がついた者から逃げ出すが、火が付いたらおしまい。ソ連ではそれが起こった。アメリカも同じ運命をたどることになるのだと思う。