集合無意識の変化

個人的にわりと信頼している医者のブログに、面白い話しがあった。病院にあるお客様の声を反映するアンケートの結果は、これまでは大体が、1-2割のクレームに対し、8-9割はお礼や感謝であったという。しかし今年の1月の内容はすべてがクレームであったと。病院のサービスが変わったわけでも具体的な問題が発生したのでもないのに、アンケートが急変したのを見て、この医者は、人々の集合無意識が変化したと思ったのだ。これは本当だと思う。急速に人の意識が変わっている。私も昨日のブログなど、かなりハイテンションであり、無意識に私自身もこうした波にのまれていたのかもしれない。危ない危ない。ここはあえて冷静になる必要がある。その昔、大戦前にユングはドイツ人の集合意識の中に怒りが急速に増大し、その吐け口を求めていることを知り、戦争が近いことを知る。今回が戦争をさすかどうかはわからないが、何かが起こることはあり得る。昨日心配したAIGの破たんについては、会社を3分割ないし4分割し、一社に負債をかぶせて他を生かす処理を考えているという情報が入った。債務の切り離しによる時間稼ぎは可能かもしれない。しかしやはり時間稼ぎに過ぎないが、うまくいけば2日の破たんは回避できるだろう。今度は問題は市場がそうしたやりくりをどう評価するか、ということになる。数週間は納得しても、数か月、数年ももつはずはない。多少なりとも無理が出たら、即、我れ先の逃げが始まるのがお金の世界の特徴だからである。アメリカの悲劇は、GMもAIGもそうだが、破綻処理によって莫大な利益を生む者たちによって物事が進行している点だ。だからいずれは必ず破綻する、、と思って間違いない。救済策も提案もすべて破綻を隠すためのポーズだと思ってよい。破綻で儲けようとしている人の手にかかっているのだから、もう運命はきまっているのだ。本当に悲劇なのは労働者である。GMにかかわるこれから出るであろう200万人の失業者は見捨てられている。
 しかし先ほどのユングの話しに戻るが、今の日本人の中に急速に芽生えだした集合無意識は何なのだろうか。ヒスてリックな守りと攻撃性、そしてパニック的暴発性が見てとれるが、あなたの周囲にもそうした状況は起きていないだろうか。車の運転など、自暴自棄と思われるような場面にこの数日私は遭遇したが、偶然かもしれないし、もしくはそうした状況が蔓延しだしているのだろうか。会議などの席上では、すべてのヒトが守りに入って何も決まらない、、、なんてことが起きているような気がする。生活感覚でこうした変化をとらえていき、今、何が起きつつあるのかを、判断する一助にしていくことがよいと思う。