若い人の悩み

日本の若い人が悩んでいる。どことなく共通していいる悩み方。自分って、、、自分のいやな面を注視して悩む。コンプレックス型の悩みが多い。しかしよく考えてほしいが、それは何もしなければ誰でもそうなるように神様が人を作ったともいえる。何も食べなければおなかがすくのは、そうやって神様が人間を作ったことと同じ。人は何にもならずにただ生きていけば、青年期頃には誰でも上記の悩みを持つにいたる。これは極めて個人的な悩みに見えておなかがすくのと同じことなのだ。おなかがすいているのに、わたしってなぜおなかがすくのか、、、と悩んでいても答えにはならない。何か食べる以外にない。私って、、、、の悩みは、何かになる、ことでほとんど消えてなくなる。あなたは何ですか。と尋ねられて、私はサラリーマンです。と、そうちゃんと答えられる人は、悩んでいない。自分は何だ、という答えをもっているからだ。本当はサラリーマンなんかいやだけど、仕方なくやっている、、、という人は、私はサラリーマンです。とは答えられない。人にはお役に着くときがある。お役につくことで実は自己存在の根源的な悩みから解放される。子供はなぜスーパーマンのマネをするのだろう。今はスーパーマンではないだろうが、ヒーローや運転手さんや警察官のマネをすぐにする。そう、何かになりたいのだ。何かになることが自分が生まれてきた意味だということを本能的に子供は知っている。しかし成長とともに社会がそれをかえって許さなくしている。すぐに叱る親、安全な生き方をそうでない生き方をすぐに分けたがる学校や社会、、、そして子供は安全策としての生き方がいいといつしか思い込む。安全も危険も実はない。いまどき、サラリーマンになれたからと言って安全だなどと思える人はいないのだから。問題は安全危険ではなく、自分は何になりたいのか、、、何になるのか、、、ということなのだ。そして自分はサラリーマンです。私は何何です、とはっきり言える人には、もう自分なんて、、、という悩みは消えてしまう。人間はそうなっている。要するに、社会的な動物なのだ。私は歌手です。私には歌しかありません。と言えれば、たとえそれで飯が食えなくてもその人は少なくとも悩んではない。悩みは具体的なことだけ。明日生きるお金をどうしよう、、、というのはあるかもしれぬが、歌を捨てられなければ元気も失わない。たとえそこまで行っても。ひるがえって見ると、若者に、自分は何です、、、といえるものがない。それまでは悩むのだ。神は人を大勢つくり、それらの自分の子供が何をして、神の多様性と表現をしてくれるのかが楽しみでしかたない。なのに何にもならないで、ただ自分って、、、、と悩んでいる。助けようがない。何かになることで人は社会にかかわれる、何かになることで人とも接することができる。日本人がすぐに自分ってと悩むのには、巧みなGHQの戦略があった。戦前は中学生でもゼロ戦に乗れた。操縦ができた。敵機を撃ち落とした者も多かった。なぜそんなことができたのかは、教育制度にあった。小学生の高学年ごろから方向が見えてくる。中学生になるともう進路は決まっている。文化方面か、機械方面か、工学方面、または家のあととりか、、、など、自分が何になるかがすぐに決まる。そういう教育制度だった。戦後は633制だから、一般教養ばかりで自分が何になっていくかは、大学に行ってもわからない。一応大学3年からは専門コースに入ることになるが、その専門というのも現実社会とのかかわりはあまりない。私は経済など一度も学んだことなどないが、どの経済学部の学生と話ても私の方が間違いなく経済について理解していると勝手だが思ってしまう。少なくともあれでは経済などで本気で食べていくことなど本人自身考えられないと思う。大体、経済が本当に好きなのかもわからないような学生ばかりと、私が知る範囲ではそう思ってしまう。何かになることを否定する教育制度をGHQはこしらえたのだと思うと、やはりすごい戦略だな、、、、と感じる。そして本当に日本には自分って何と悩む若者ばかりになってしまっている。答えは簡単。何かになりなさい。に尽きる。人間の悩みの大部分は、自分が何にもなっていないということにある。問題を起こす大人、不幸な人、元気がない人をよく観察してみなさい。みな、自分が何と言えない人のはずだ。社会の一員になれない、自分の表現がない、自分がわからない、、、何にもなってないから当たり前なんです。すごいものになどなる必要はない。怠け者でもいい、すけべでもいい。私は怠け者です。私は単なるスケベです。と自分が何かわかったら、実は人生の問題の多くは解決する。こうしたことは実は戦前のものはすべて悪いという風潮の中で失ってしまった。政治家も政治家になれず、教師も教師になれず、サラリーマンもサラリーマンになれない、、、自信を持って、当たり前の感覚で、自分は何です、、と言えるものがない。今の日本人の元気のなさの根底にこのことがある。