多忙な春

会社の決算が終えたと思った矢先に今度は確定申告や原稿の締め切り、打ち合わせ、新規企画、といかにも春らしい多忙さ。本当に色気のないことである。ニューヨークの相場もかなり不安定になっており、もう二度とかつての高みに戻ることはないのではないかしら。ニューヨーク株式市場のことだけど。結局今起きていることは、私には資本主義ゲームのジエンドに思える。お金の勝者にすべてが行ってしまって、もうこれ以上儲けようにも儲けるものがない、、、という状態。トランプゲームでもそうだが、一人が全員のチップを集めてしまったら、もうゲームができない。負けた人にたくさんチップを貸し付けてゲームをしてきたが、もう返すあてもないほど借りが溜まってしまっている状態。資本主義の繁栄もこれと同じで未来の富を先に借りてきて事業を起こしたり、ビルを建てたりするわけだ。そしてお金もちは非常にお金持ちになったのはいいが、もう巻き上げるものがなくなってしまった状態。企業にしても利益優先できているため、色々なモラルの問題が起きている。お金を儲けるためだけの経済活動に行き過ぎたため、仕事にプライドもないし長期的な展望にたっての社会参加という観点もない。儲けのためだけにシステムが構築されてゲームの終了。結局人の欲得の総決算としての崩壊が始まるわけでこれは行き着くところまでいくはず。これまでの景気のサイクルとかは違う次元のことがおきている。まだ何かで儲けようとか、お金を何かで増やそうというような時代ではなくなったのだ。私はこの数年、一貫して投資をしなくては自分を守れない、、、と言ってきたが、とくに資源に投資するのが有利だといってきた。これはおおまかには的中したと思う。しかしもうその時代は急速に過ぎ去りつつある。金融のあらゆるファンドはもちろん、株も土地も債券も通貨も資源までこれからは危険域に入る。しかもこの危険は一時的にものとはどうしても思えない。いよいよ来るべきときがきたのではないだろうかと思う。これから数年かけて株も債券も資源も、上がりそうに見えてどんどん下がっていく。上げては下げ、上げては下げていき、気がついてみるとその価値が数分の一になっている、、、というかつての日本のバブルの崩壊に似た現象が世界で起こるのではないか。当然、日本の政治家にはそうしたことへの対応策などない。アメリカ覇権の下部組織である自民党も民主党も、また共産党ですら同じ窯の飯を食った仲と言ったらおこられるだろうけど、政党政治を全員で支えあってきた、そうした構図が壊れる。自民の次は民主とかいうものとは違うと思う。一時的にはそうなっても、私はあらゆるものが変化していくと思う。そういう大規模な変化の始まりとしての混乱との認識はまだ国民の中には少ない。大体の国はすでに張子のトラと同じ状況にある。命がないものが壊れるのは早い。ソ連を見ても東ドイツを見てもそれは実感できるのではないだろうか。ある日突然なのだ。その点、個人の日常の営みは強い。企業や団体の営みはもろくても、個の日常の営みこそには永遠性がある。そのウエイトが高い人は元気でいられようが、エネルギーの向かう方向がお金、権威、出世、仕事一途、、、そして日常の営みのウエイトが少ない人はひとたまりもない。私も仕事一途にやりすぎてきたきらいがある。本気で生きかたをもっと変えよう。