テレビ出演
テレビ出演の依頼が仕事柄けっこうある。しかし基本的に私の場合はお断りしている。理由は局側の意に従わねばならなくなるケースが多いからだ。もっと有名な人なら局側が姿勢を変えてくれるケースもあるだろうが、多くは局の威光に左右される。もうそういう時代ではないような気がしている。小さくても自分の個性とアピールをしっかり持ち、分かる人だけにわかってもらう、、、という基本姿勢が大切だろう。しかし占い王選手権のような番組の依頼もあり、面白そうだったが、生意気に優勝する自信はありますが止めます、、、と余計なことを言って負け惜しみに受け取られたかもしれない。私が出たいテレビ番組は人生相談のテレビ版で、たとえば日本人の悩み50、、というようなケースを毎週ひとつづつ取り上げ、複数の専門家がその悩みを分析し、どう対処していくかを追っていくような番組だ。心理学者 加藤諦三教授はこの問題の奥に、幼少期の母親との関係の軋轢と病理を予見し、そこから質問が始められた。一方、マドモアゼル・愛は相談者の声にどうしてもウソが混じっている気がしてならなかった、、、というように、色々な先生や専門家がそれぞれのアプローチをはじめて番組は進行していく。それを見ているうちに、視聴者は段々と人間の心の構造が理解され、自分自身が成長していき、50の相談が終える一年後にはもうかなりの心の達人に変化しており、自分の人生が豊かになってきていることに気付く、、、そういう番組なら出たいと思う。誰か、作ってくれないかしら。必ず人気になると思う。アメリカでは長いこと、実際に人生相談がテレビで一番の人気だったときがあるのだから。現在、ニッポン放送でやっているテレフォン人生相談はラジオでは長いこと人気ナンバー1の番組だし、テレビでも同様の可能性はあると思う。ただテレビだとどうしても人気俳優とか人気のある芸能人がキャストに優先されてしまうだろう。そうなるとどうしても本質から外れてしまう。人気が重視される仕事では、目的が芸能人の人気を高めることに集約されてしまい、公の目的が二義的になってしまう。
しかし漫画世界ではもう専門的な分野の漫画の人気が高い。テレビもうわっつらの人気を追うだけでなく、何か専門的な面白さを追求した方が本当はスポンサーに喜ばれる時代になっているのに、人間が変わってないのでそのことが分からないのだろう。局側の人間の古さ、企業側の人間の古さ、、人が変わらなければ日本は変わらない、そうした構造が末端までいきわたっている。いま、登校拒否で家にうずくまり、未来を描けないでいる大勢の人たち、、、社会のずるさに適応できずに能力が認められずに冷や飯を食わされている人たち、、、そうした人の多くがはつらつとして働ける時代が来ない限りこの社会は変化しない。人間の交代、今、虐げられている人たちの中にこそ本当は凄い時代変革の力が眠っているのだと思う。