ショパンのラカンパネラ

今夜というか2日の夜は豊田祐子さんのラカンパネラ他を聞いてきた。豊田祐子さんはご自身の音楽を世界に発信しているピアニストで演奏のたびに工夫が見られる。ウイーンフィルのコンサートマスターとの競演も素晴らしかったが、今回のソロは楽しかった。月光の曲の第一楽章から始まり、途中で与作になり、いくつかの曲がアレンジされた形で最後はまた月光の曲で終わるという面白い曲目もあった。豊田祐子さんとの思い出でいちばん懐かしいのは、もう10年ほど前に信州の私のアトリエにいらしてくださり、歌の伴奏をしていただいたことがある。確か賛美歌を歌ったと思う。きょうはなぜか音楽づいている一日だった。車を運転しながらラジオを聴いたらちょうどパイプオルガンの話をしていた。めったに聞ける話ではない。パイプオルガンは一番大きな楽器でもある。ミッションスクールで長年過ごした私は毎日のようにパイプオルガンを聴いて育った。初めて会堂にパイプオルガンが入った日から、十年以上の年月を通して聴いたが、音がどんどん変わっていくのに驚いた。パイプオルガンは会堂が楽器になってしまう。音が足からも聞こえてくr。あの自分たちをとりまく音の一体感は一朝にしてはできない。会堂がオルガンと日一日ごとに和解していきながら育っていく。最初は会堂とオルガンの張り合いであったのに、数年すると和合してオルガンと会堂が一対の楽器になってしまう。会堂にいる人は楽器の中でこれまた音と一体になる。もともと宗教は観念や概念ではなく、こうした肉体的な体験がともなったものだったのだろう。根底には音があったはずだ。体験の重要性は何にもまして大きい。知識優先は体験を軽んじる方向へいく。現代人の不幸は体感が育っていない空虚感でもある。明日はお雛様。歌ぐらいは歌いましょう。関係ないが先日、投資を進めたとたんに世界同時株安状態が続いている。あまりにタイミングが悪かったが、しかし本当は下がっているときに買うのがよい。上下動は繰り返すことはこれからもあるが、それでもやはり投資の時代に入っていくと思う。その昔、日経平均は何十円というところから始まっている。ニューヨークのダウも同じで何十ドルから始まっている。それが、数万円にもなり、一万ドルを越えている。お金でもっていたらどうなっただろう。国が発行する通貨よりも企業努力による企業の発展のほうが可能性が高いということだ。投資は一見危険に見えるが、その本質は防衛でもある。お金をいくら貯めても、安心は買えない時代になっていくと思う。とはいえ、相場は激しく上下するし、大きく損をすることも多い。なくなっても支障のないお金を投資にまわすのが基本だ。企業に投資するのがいやな人は、自分自身への投資が大切になる。本当はそれが一番確実かもしれないね。自分への投資には色々あるが、とくに有意義そうなのは、日本文化の実践ではないだろうか。これから国際化が進むと語学ができるのは確かに有利だとは思うが、もっと大切なのは何をコミュニケートするかだ。ただ英語が上手でも何の意味もない、伝える内容がお粗末だとしたら。要するに中身の時代なのだ。自国の文化に対する憧憬と実践ができることは重要ではないか。英語が出来ない人でも、折り紙ひとつで何百人の外国の友人を作れる。何に投資するかには自分なりの思い、考えが必要だ。