時代の冷たさ

人は生きていくのがつらいとどうしても自分だけを守りだす。人情酷薄な世界ではとくにそれが激しい。いま、周囲を見回しても、どこも冷たい機構が個人の前に立ちはだかる。会社でも一昔前は、課長、係長クラスは多くがどちらかといえば、人情派が多かった。また社長や会長クラスになれば、ほとんどが人情優先の考え方をしたものだ。しかし今は違う。すべてが効率だから、効率競争に生き残って利益体質を作り出した人が出世している。彼らには人情という価値感はあまりない。どちらかというと冷たい。上がそうだから下も自分を守るためにどうしてもそうなってしまう。人の善意だけを信用して自分を守る能力がなかったり、それを放棄していると、本当にひどい状況に追いやられてしまう。現代でもっとも必要なのが、自分を守る能力だというのは、あながちうそではないと思う。企業努力とは、従業員を追い詰め、これでもか、という具合に効率的な仕事をさせ、一切の無駄をはぶいた上で出来た余力である。企業が儲かれば儲かるほど、だから個人は苦しくなっていく構造が出来上がる。これで景気がほんとうによくなるのかは難しい。個人はギリギリの生活、状況に追いやられているのだから。官僚的な人物やそういう体質の人が今はどこでも上に立っている。だから私は一度このシステムはやはり壊れると思う。頭がいい人は頭がいい、もっと悪い知恵にしてやられる、だから日本の企業はやっぱり外資にやられると思う。かれらは日本的経営にまで口を出して飲み込みやすい形に企業を変えた。戦争でどうにもならない官僚軍人層をなくし、今度は企業に名を変えた官僚企業人が完全敗北することになるだろう。それからはじめて日本的なものが開けていく、というのが私の歴史観だが、本当にそういう方向に進んでいる気がする。いまの日本はソ連や東欧のかつての共産圏以上に社会主義国家体制、が進んでいる。そして国民は披露困憊、想像力を失っている。ただひとり、お荷物世代の団塊の世代が元気だが、ここが人情の最終のとりででもある。この世代は面倒な人は多いが、人情を内包しているので、潜在的なエネルギーを失っていない。官僚システムの完成は同時に急速な崩壊を生むので、なぜならそれ自体にはエネルギーを生む構造が無いためだ。だから急速に崩壊する。そのあと、エネルギーが残っているのは、あぶれた若者と困った団塊の世代が共同して作り出す新ビジョンだろう。困り者が次の生き方を示すのはうってつけ。もう確かにこれ以上、疲れる、消耗する生き方を強制する国家や企業には、退いてもらう以外にない。儲けて儲けてそれしか考えずにきて、結局最後には莫大な借金で終えた、ホテルニュージャパンの運命と、似ているものが上に君臨している。だからそんなに先は長くない。とはいえ、崩壊は一時的に低位層をまきこむ大波乱になるだろう。今の時代になじまない心理的にあぶれた若者、そしてやけに元気でうるさくて下からも上からも嫌われ、けっきょく本当の官僚にはなれなかった団塊の世代の人よ、何か新しい生き方を色々と示しておくれ。と、、、。あ、私も困り者の団塊の世代だった。
 お知らせですが、一ヶ月でわかる奇跡のローズ若返りキット、ですが、数が少なく、すでに限定数に達してしまいました。ありがとうございます。次回の新月を待ちますのでキットは工場の製造予定もあって、次回の発売は3月中旬になります。予約は受付ますが、どうぞご了承ください。