アメリカの雲行き

アメリカ経済の雲行きがなんだか怪しい。中間選挙前のこの時期は普通は何があっても景気対策である。ところが出てくる指標が経済の鈍化を示している。また景気よりもインフレのほうが危険、などと高官が言い出している。これは普通なら考えられないことだ。うそをついても好景気を演出し、中間選挙に備えるはずなのに。ということは、アメリカは景気よりも通過の防衛に走っていると考えられる。本当に危ないのではないか。考えてみれば、日本はまだバブルを体験してそれが破綻したが、アメリカもヨーロッパの実はバブル状態がずっと続いているのだ。前にも言ったが日経平均株価が25000円のとき、アメリカの株価は2500ドルだった。それが日本は7千円台まで暴落し、アメリカは11000ドルまで高くなった。日本が3分の1以下になり、アメリカは4倍以上になった。あわせるとその乖離は12倍。ヨーロッパも同じだから、先進国でバブルが破裂したのはまだ日本だけなのだ。世界経済はリスクの時代に入ったかもしれない。私はかねてから投資を進めているが、今は気をつけたほうがいい時期だ。アメリカの株価に異変が生じる可能性がある。そうなると世界不況、しかもスタグフレーションに入っていく危険がある。狙いはやはり資源だろう。資源へのお金の流入はまだまだ続くだろう。世界の経済構造が変わってしまったのだ。イランのあの強気はなんだろう。イランではユーロ建てでの石油取引所ができた。石油はドルだけの時代は終わったのだ。資源高を利用した国々の隆盛によって世界のパワーバランスが変化し始めている。アメリカは遅れをとっている。そうした流れの中での不況突入はかなりのインパクトがあるかもしれない。世界の株が崩れる可能性を忘れてはいけない時期に入った。資源への投資は有望だが、一時的にはすべてが売られるかもしれず、秋までは多少ナーバスに世界情勢を見たほうがいいだろう。最後には金が出てくるが、これとて、世界の株価が下がればやはり売られる。その後に本当の資源の時代が来る。ベーパー経済は縮小し、色々なことが変わっていくだろう。新しい時代に対応できるのは、疲れていない人、制度疲労の中にいない人、なんらかのリアリティを持っている人、リアリティとは、やる気でもいいし、専門知識であってもいい。ただしそこにその人なりのやりがいや情熱がなければ、どんな資格があったとしても使えない時代だろう。助け合い、協力姿勢で連携できる人も強いだろう。私はまだもう少し平穏な時代がしばらく続くと思っていたが、もしかしたら、この秋から経済的異変がスタートする可能性があると感じるようになった。アメリカ経済の衰退がはっきりしてきたためである。世界がかつてのバブル破裂の日本のようになるかも。日本もやられるが、立ち直りは早く、日本の株価は真っ先に回復し、高値を目指していくだろう。しかしそれはまだ少し先のことになると思う。私のこれらの予想が秋、そう、11月をすぎても何もなければ、当初の予定通り、まだしばらくは見せかけの好景気は続くだろうが。やや危険が出てきているので、一応表明しておこうと思う。写真はヒルズの栴檀の大木。