先ほど月は天の赤道を通過
もう二日、たしか鏡氏の誕生日だと思う。おめでとう鏡先生。占星術師は大体関係者の誕生日をおぼえてしまうものだ。私も例外ではなく、何十年ぶりで会うような場合でも、名前を忘れていても誕生日は思い出す。凄かったのは、あるパーティで活躍中のとある占い師に話しかけられた。しかし私は初対面のつもりだったが、その占い師さんが18歳の頃にあっていると言う。もう何十年も前のことなのでいぶかしがると、当時愛先生に占ってもらったんです、とのこと。顔も忘れているのに、誕生日を聞いたとたん、ああ、アセンがさそりで、月もさそりで、、、と数十年前のホロスコープを思い出す。ああ、あなただったの、と。そして私は再びその人を占いだす。じっと聞いていたその人は、はい、昔もまったく同じことを言われました、、と。嬉しかったのは現在活躍中で、私が占ったとおりになっていたことだ。これと反対のバージョンもある。仕事でお付き合いがあった方だが、5年に一度程度、連絡してくる。毎回用があるようでないような、妙な感じなのだ。かなりのお歳になり、お体も悪くなったというので、アドバイスのつもりで占って差し上げた。すると悪いと思ったのか、正直に話し出した。愛先生には悪いけど、占い師なんて必ず不幸になるに決まっているので、数年に一度、それを見届けるために連絡していた、、、というような物騒なことをおっしゃる。いやいや、十分不幸ですよ、当たってる当たってる、、、と話をあわせてあげたら、愛先生は大丈夫だよ、と慰められてしまった。その方はお歳で今はもうこの世にいないが、占いに対する不思議な執着であった。それはそうと鏡先生の誕生日で思い出すのは、その昔、大雪の降る日に鏡先生が私の信州のアトリエに遊びにいらしてくれて、今日は誕生日、と言われる。山奥でお祝い気分でお酒など飲んでいると、夜遅くに合流するためにタクシーでやってきた森村あこ先生が、真っ赤なコート姿で雪の中に立っている。それを見た鏡先生は、それが幻に見えたらしく、不思議な物語の世界に迷い込んだような顔をされていた。わたしはそんな鏡氏を見て、ああ、この先生は本当にトランスパーソナルの世界を知っているな、と直感した。もう何年も前の今夜のことである。本日から私が新月に作った、星のローズ水を発売しました。ショップのページを見てください。