2003年05月08日(木)晴れ

きょうは一日雨と風。しかし水田にはまだ半分ぐらいしか水がたまらない。どこかで漏れてるのかな。夜になって風が北風に変わり、とても涼しくなってきました。うちは北側が山なので、南風だった昼間と打って変わり風はまったく吹きません。でも外に出てみると、上空を北風が吹き渡っていくのがわかります。気温は冬並みに低くなっているけど、春の雨特有の甘い香りがしている。犬はどこかに隠れているのか、呼んでも出てきません。春になって残った石油が古くなりはしないかと心配だったけど、たまに寒い日があって、キチンとなくなりそうです。日常の営みは単純だけど、やっとその面白さがわかる年齢に私もなったような気がします。しかし日常の豊かさは、ちょっとした刺激に隠され、追いやられる存在でもあります。昔、中学生の時に恋をして、好きな人とうまくいかず、悩んでいるとき、いつも聴いていた大好きなクラシック音楽がどうしても楽しめなかったことがある。日常の営みの豊かさが吹っ飛んだ、はじめての体験だった。それまで私は子供心に、日常の豊かさを感じていました。幸せとは、この平凡な毎日が明日もあさってもずっと続くこと、、、、そう誰に教えられることもないのに、信じていたから。なのに大好きなクラッしク音楽が聴けなくなったときの驚きは大きかった。聴いてはいるが心に入ってこない、、、。以来、日常のキラキラは私から失われていきます。そして青年期になり、青年期になれば欲も出てくるし、欲しいものも多くなる、、、さらに20代、30代となれば、仕事の欲や不安も出てくる、、、そこで思うのは、人は成長するどころか、どんどんバカになっていく、というほうが正しいのでは、、、という感慨です。バカになるとは、日常の営みのキラキラを忘れていくということ。ゲーテのファウストでは最後に行き着く喜びがやはり日常の営みなのですが、どこかしらじらしい感じがあります。おおげさなんです。やはりあの人は政治家であり、野心家でしょうね。日本庭園の最高の庭は苔の世界です。苔は人間が踏み込むとすぐに壊れてしまうとてもデリケートな世界。同様に日常は簡単に壊されます。お金が足りない、お金が欲しい、出世がしたい、いい学校に、いい会社に、、大穴とりたい、、そうしたことにこだわった瞬間、日常は消えていきます。一番の大切な宝をバカな私達は見事に取られてしまいましたね。公害もない、大昔の地球はどんなに美しかったことでしょう。縄文人の日常の営みはどんなに満たされていたことでしょう。きょうの一日が明日もあさっても、永遠に続くこと、、、、。明日よりもさらにあさってよりも、、、もっともっと良い日が来る、、、間違った信仰に現代人はやられてしまいましたね。