2002年08月04日(日)晴れ

8月4日というのは、私が青年時代に、必ずと言っていいほど、恋と関係する日でした。恋が始まったり、誰かを好きになったり、、、。学生時代の、4日頃は大体、旅行先にいることがおおかったんです。そこで恋愛体験をするわけですよね。今夜も多くの若者が、恋に落ちているはずですね。本当に今思い出すと懐かしいけど、大人になるのも、また面白さがあります。昔のことを、また違った思い出受け入れるというか、若い時代の体験が、本当の意味で自分の中に消化できるのが、歳がいってからなんですね。人はなぜ75年や80年も生きるかというと、そういうところがあるからとも言えるでしょう。私達は、前半生の体験を、本当の意味で受け入れるには、後半生が必要なんです。しかし、若い頃の体験を、単に傷ついたとか、損したとか、防衛的な考えによってふたをしてしまうと、本当の体験として受け取ることができなくなります。となると、後半生は、弁解の人生とならざるを得ません。歌謡曲は、後半生に若い頃の体験を受け入れるという、成熟さが見られない歌ばかりです。青年期のまま、傷ついたままなんです。シャンソンはその点は違います。若い頃の体験を、一度大人になって違う目で受け入れようとする視点があります。だから何歳になっても歌えますね。歌謡曲は歳がいってから真剣に歌うと怖いものがあるのは、まだ若い時代を引きずっているためです。後半生というのは、具体的に40歳以降、とかいうのではなくて、一時代を終えた自分が、かつての体験を新たに獲得した自分の目で語る、、、ということでもあります。具体的な年代とは違います。しかしひとつの体験を受け入れるのは、受け入れ方が何層にもわたるものでしょうから、どうしても時間がかかるわけです。若い頃は、体も良く動くし、欲もあるし、思いも強いので、自然と色々な体験をするのに適しているわけです。そして、歳がいくことで、これまでの体験を人はまた、新たに受け入れていくわけです。夏というのは、なぜか、そういう思いを感じさせる時です。若い時代に人は色々な夏を体験します。私はなぜか、8月4日がいつもそういう日でした。そして今、そのことを思い出してこうして書けることが、幸せ。思い出が、その時の苦楽を離れて思い出として語れることが、実は幸せなんです。あのときのことは思い出したくもない、、、、、という日がなくなるのが、大人になるということなんです。大人、少ないかもしれませんね。