2002年08月03日(土)晴れ
今夜は千と千尋の神隠し、を見ました。ビデオを買ってみたんですが、宮崎監督のこれまでのシリーズの中でも、わたしは一番面白かったです。油湯の中のできごとが面白いし、お風呂やでみなが生き生きと仕事しているのも、とても新鮮で、ああいうお風呂やがあったら本当に面白いと思いましたよ。坊ちゃんの湯が、ちょっと似てる感じですが、ずっとスケールを小さくすると麻布十番温泉のくつろぎ場も思い出しました。宮崎監督の映画って、本当の自然の中というより、ほとんどが、自然と人間の文明とが争いあう接点が舞台になってますね。トトロはやや自然が強い方でしたが、平成タヌキ物語、でしたっけ、あれは確か埼玉県の団地が舞台ですよね。もののけ姫も文明と自然の接点が舞台ですし、千と千尋も、元はテーマパークだったところが舞台で、妙に私達の気になるところなんです。これまでの映画は、何か見終わったあとに問題提起する感じが残って、何かを考えなくてはいけないような、後ろめたさを感じさせたのですが、今回の千と千尋は、どちらも善悪がなく、問題提起的な重さがなくて、良かったです。ずっと高度になった、そんな感じです。いかにも第二作につながる終わり方ですが、それはそれでたのしみになります。ひとつの物語を作るのって、できたら面白いでしょうね。私も高校生の頃から、もの書きにあこがれ、今に至っているのですから、いずれはひとつぐらいは、物語を書きたいですね。とてもいやらしくて、それでいてもの凄くロマンティックな、そんな物語が書きたいですね。昔、物心がついたときに一番はじめて見たテレビドラマが、雪の記憶、という物語で、今でもはっきりと覚えているのですが、いやらしくて、もの凄く切なくて、ロマンティックなんです。まだ小学3年生ぐらいのときだったと思うんです。一番最初に触れたものって、やっぱり影響力が違います。どこかにのこってるんですね。深いところで、ああいうのがいちばんいいと、そう思ってしまうんです。映画館で初めて見た洋画は、家に帰って布団の中で思い出すと、すべてのせりふと、場面とが出てくるんです。あれは小学5年生の春休み、友達と初めて自主的に見た洋画だったんです。それまでは、学校で見るとか、親に連れられて見る、というように、自主的なものではなかったわけで、それだと感動が薄いんですね。とにかく感動して帰り、誰とも話しもしたくなくて、ずっとその映画のことばかり思い出していました。回想すると本当に細かなところまで覚えていて、ちょうど全部の回想が終えると、実際の映画の時間と同じ、2時間くらいかかるのですから、小学生の記憶力とは、恐るべしです。ちなみにその映画というのは、わなにかかったパパとママ、という、ヘイリーミルズという子が二役で出てくる、ディズニーの映画でした。今見たら、どんな印象を受けるのかはわかりませんが、初めて洋物に触れたショックというのは、今の若い人には理解できないものがあると思います。しかし今では、日本のアニメが世界の子供達に、そうしたショックを与えているのですから、もの凄いことです。