2002年03月06日(水)曇り

短歌大会の応募も終え、今年もたくさんの歌をいただきました。さっそくまとめて、審査にはいります。なぜ私が短歌大会を主催することになったかは、まったく偶然なんですが、やっているうちに面白くなってきたんです。縁というのは、味があるというけど、本当に、大事にすると、面白い人生が開けることもあると思うのです。自主性はもちろん大切ですが、すべて自分の判断だけを頼りにすると、方向は大体決まってしまうでしょう。しかし、縁を大切に、というノリがあると、自分では思いもしなかった方向へ、運ばれていくことがあります。電車の景色は、知らない場所を通るので飽きないわけで、どこへ行くのかがわからないから面白い面があるわけです。縁あるものをあえて遠ざけないことで、私は短歌に出会えました。最初から好きだったわけではまったくなかったのです。星と森の短歌大会は、英語での短歌もあるのですが、昨年の最優秀の歌は、その意味だけでも、鳥肌がたつほど、私は感激しました。その意味は、海の風に乗り、かもめが飛んでくる、海に突き出た古い墓地の上を、誰かの墓標を探すかのように、鳴きながら飛んでいる、、、というような内容なんです。さすがにジェームスカーカップ氏の選ですが、氏はそれでも大賞歌にはしない、厳しい判断基準を見せました。芸術の厳しさを私も感じました。車や電化製品を作るクオリティは日本は世界最高レベルですが、この文化と芸術のレベルというのも、分かれば分かるほど、高度で怖い世界という気がします。日本もこれからは、きっと文化芸術の大国になっていくはず。若い人の感性が、そういう方向へ進んでいくような気がします。