2001年11月07日(水)晴れ
先日のお能はとてもよかったです。私はあまり詳しくはないのですが、仕事柄か、舞台の人間模様はよくみえてきます。シテの先生は迫真のできといえるほど、素晴らしかったのですが、黒子役っていうんですか、こまごまとしたことを舞台の上で手助けする影役の人っていますよね。その二人が、あからさまにやる気がないというか、非常に反抗的な態度で舞台にけちをつけてるんです。はじめはまさかと思ったのですが、気になって注意して見てると、これが間違いないんですよね。わざと、ふてくされてやってるんですよ、。しかも、ふたりで協力しながら。はじめは本当に気になってしかたなかったのですが、シテの先生も、実は舞いながらそれを知っていて、深く傷ついてるのが、伝わってきたんです。本来なら、そのために舞台が壊れていかなくてはならないのですが、シテの先生はそれに耐えながら踊りや口上を言い、そのことが、ぎりぎりの深みをかえって、舞台と演技に与えてしまっていたのです。私は驚きましたよ。なんだ、あの邪魔をしている二人が、舞台を盛り上げる役を知らぬうちにやってる、、、。私は人生もきっと同じなんだろうなあ、と、感動して思いましたよ。みなさんも、周囲の無理解や非協力に悩むことがあると思います。しかし、こういう舞台のような仕組みが実は人生にはあるのだと思いますね。いえ、そうでなければ、本当に深い世界は表現できないんですよ。今は文豪といわれたり、大芸術家と言われている人なんか、きっと、周囲の無理解や皮肉に傷つきながら、深い均衡のうえに、素晴らしい芸術をきっと、こしらえていったのでしょう。運勢なんかでは、このことははっきりしているのです。周囲から悪く言われているときは、運が伸びる、そういう法則があるんですよ。いいですか、人から好かれることなんかかんがえちゃダメですよ。私なんかも嫌われだしてから、運が伸びてるように感じますよ。冗談ですが。